2005年BSB(イギリス・スーパーバイク選手権)第11戦は、9月11日にチェシャーにあるオールトンパークで行われた。
Honda CBR1000RRに乗るHM Plant Honda Racingの清成龍一選手は両ヒートで優勝し、50ポイントを獲得。それまでランキング3位だった清成選手は、一気にランキングトップに浮上した。
土曜日に行われた予選で3番手のタイムを叩き出し、フロントローからスタートした清成選手は、ヒート1でホールショットを決め、6周トップを走行した。
その後、シェル・オイル・コーナーの進入でチャンピオン争いのライバル、グレゴリオ・ラビッラ選手(ドゥカティ)に抜かれたが、9周目にロッジ・コーナーの進入で再び抜き返した。その後、清成選手はコンスタントに速いタイムを刻み、ラビッラ選手を振り切って今季11勝目を挙げたのである。
レース2はさらに接戦となった。再びホールショットを決めた清成選手だったが、5周目のカスケード・コーナーでラビッラ選手に抜かれた。しかし、レース1の時と同じような展開で、10周目に清成選手は再びラビッラ選手をかわしてトップに浮上した。
だが、今回はラビッラ選手の追撃が激しく、2人はラスト4周で何度か順位を入れ替えた。ラビッラ選手のリードで入ったラストラップ。清成選手は最終の右コーナーで賭けに出た。
ワイドなラインを取って、アウトからラビッラ選手に並んだ清成選手は、CBR1000RRの優れたパワーとハンドリング特性を利用してフィニッシュライン上でラビッラ選手を抜き去った。優勝した清成選手と2位に入ったラビッラ選手の差は0.004秒と僅差だったのである。
強運だった清成選手と比べると、チームメイトのマイケル・ルター選手は不運に見舞われた。レース1が始まる前までは、ランキングトップのラビッラ選手に2ポイント差で、ランキング2位だったルター選手。予選で11番手だったルター選手は、ヒート1ではリヤブレーキのトラブルに見舞われて10位に終わった。さらに悪いことに、ヒート2では4周目にフォウルストン・シケインでクラッシュして、リタイアに終わったのだった。
このレースで、ダブルウインを達成した清成選手は、ランキングトップに浮上したわけだが、清成選手にとってランキングトップは今シーズン2回目。シーズン開幕戦のブランズハッチと第2戦のスラックストンの大会でダブルウインを達成してランキングトップとなった時は、その後の2レースを負傷のため、欠場した。
現在ランキングトップの清成選手(367ポイント)と同2位のラビッラ選手(366ポイント)のポイント差はわずか1ポイントだ。また、シーズン中盤ずっとランキング首位につけていて、現在ランキング3位となったルター選手(330ポイント)と清成選手のポイント差は37ポイントとなっている。
次戦は9月25日にドニントンパークで行われる。昨年、ドニントンパークで行われた最終戦で、清成選手はダブルウインを決めた。ちなみに今年の最終戦は10月9日にブランズハッチで行われる。
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