2005年BSB(イギリススーパーバイク選手権)第10戦は8月29日にリンカーンシャーにあるキャドウエルパーク(全長約3.28km)で行われた。
Honda CBR1000RRKに乗るHM Plant
Honda Racing Teamの清成龍一選手はヒート1で5位、ヒート2で3位に入った。清成選手のチームメイト、マイケル・ルター選手は、これまでポイントトップだったが、今回ヒート2で転倒したため首位の座をグレゴリオ・ラビッラ選手(ドゥカティ)に奪われた。
ヒート1では数名のライダーが1周目のコピス・コーナーで転倒したため、セーフティカーが3周にわたってコースに介入した。この時点で清成選手は6位、ルター選手は9位につけていた。
セーフティカーが退出したあと、ルター選手はすぐに5人のライダーによって構成されるトップグループを追いかけ、6位に上がったが、8周目には7位に落ち、チェッカーフラッグを受けた時点では9位となった。
清成選手は、今回予選では苦戦し、3列目、11番手からのスタートとなっていた。しかし、レース当日の走りは見違えるようで、ヒート1では7周目に8位に上がり、さらに猛然と追い上げて2つ順位を上げた。この間に、清成選手は1分28秒409というニューラップレコードをマーク。これは加賀山就臣選手(スズキ)が持っていたレコードを0.7秒短縮するものだった。
優勝争いは、ラストラップにラビッラ選手とチームメイトのレオン・ハスラム選手が揃ってグリーンに飛び出したため、トミー・ヒル選手(ヤマハ)が制した。2位にはラビッラ選手が入り、3位はカワサキのグレン・リチャーズ選手が入った。
清成選手はもう少しで3位に手が届くところまで追い上げていたが、ラストラップにマウンテン・セクションでミスを犯し、最終的に5位でレースを終えた。
しかし、ヒート2で清成選手はさらに素晴らしい追い上げを見せた。1周目を終えた時点で12位だった清成選手は、その後の3周にわたって1周につきひとりずつライダーをかわしていき、8周目にジェームス・ヘイドン選手(スズキ)を抜いて8位に上がると、さらに4人を抜いて4位に上がった。清成選手はラスト3周でヒル選手を抜き、今季13回目の表彰台に上がったのだった。
ヒート2でルター選手は、1周目の1コーナーで3位につけ、その周を終えた時点では2位に上がっていた。しかし、その後、ラビッラ選手とヒル選手に抜かれ、さらに12周目にクラッシュしてしまった。
ヒート2で優勝したのはハスラム選手で、2位にラビッラ選手が入った。ルター選手が転倒に終わったため、ランキング首位にはラビッラ選手(326ポイント)が浮上。ルター選手(324ポイント)とのポイント差は2ポイントである。ランキング3位の清成選手(317ポイント)とラビッラ選手のポイント差も9ポイントとなった。
残りは3戦(6レース)とシーズンもいよいよ終盤に突入し、チャンピオン争いはし烈となっている。次戦は9月11日にオールトンパークで行われる。
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