決勝日:3月28日(日) サーキット:シルバーストーン・サーキット 観客数:2万3500人
BSB(イギリススーパーバイク選手権)の開幕戦が3月28日(日)にシルバーストーンで行われた。今年、HM Plant Honda Racing Teamから同選手権に出場するマイケル・ルターと清成龍一は、第1レースで1-2フィニッシュを飾り、第2レースも清成2位、ルター3位と幸先の良いスタートを切った。
第1レースでは抜群のスタートを切った清成が、ホールショットを決めてコプス・コーナーへ進入。ルター、シーン・エメット(ドゥカティ)と続いた。エメットは一時トップに立つが、その後は2台のHM Plant Honda Racing Teamのペースについて行けず後退していった。
その後、昨年MotoGPに参戦していた21歳の清成がルターの後ろにつけた。シルバーストーンのコースに慣れていないのにもかかわらず、清成は元BSBチャンピオンのジョン・レイノルズ(スズキ)を引き離し、2位のポジションをキープ。清成とルターの2人が次々とファステストラップを塗り替えていったのだった。
徐々に乾いていったコースでマシンのパフォーマンスとミシュラン・ウエットタイヤの威力を発揮したルターは、22周のレースで21周目に1分37秒543というベストタイムをマーク。そのままトップでチェッカーを受けた。
清成も安定した走りを披露し、3位のレイノルズに20秒以上の差をつけてゴール。HM Plant Honda Racing Teamは見事デビューレースで、1-2フィニッシュを飾ったのだった。
第2レースでは、ルターがスタートに失敗したが、その後、猛然と追い上げてトップを走行するレイノルズと2番手につける清成に追いついた。レイノルズにとっても楽にトップを走行していたわけではない。序盤は清成がレースをリードしていて、レイノルズに抜かれたあとも、清成は決してあきらめず、レイノルズをプッシュし続けていたのだった。
そしてルターもすぐにトップ争いに加わり、第1レースでマークしたラップレコードを更新。シルバーストーンに集まった2万3500人のファンは、レイノルズ、清成、そしてルターの3人が繰り広げる接戦に酔いしれたのである。
やがて清成をかわしたルターは、そのままトップを走行するレイノルズを射程距離にとらえた。しかし、コーナーの進入でリヤホイールをロックさせ、ワイドにはらんでしまった。その間に清成が再び2位に浮上。その清成と3位のルターは4位のエメットに約12秒の差をつけてゴールした。
こうしてHM Plant Honda Racing Teamは、両レースで2人のライダーが揃って表彰台に上がるという理想的な結果を残し、HRCの用意したマシンの優位性を証明した。現在、ルターはBSBでランキング首位につけ(レイノルズと同点首位)、清成は同3位となっている。また、今回、清成はスカイスポーツBSBライダー・オブ・ザ・デイ賞も獲得した。
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