ROUND 02
カタール
ロサイル・インターナショナル・サーキット
2017.03.26(日)・IATC 決勝
アジア・タレント・カップの第2戦は、悪天候によりレース1がキャンセルされました。
レースが開催されるカタールでは、前日の夜から激しい雨と嵐が吹き荒れる荒天に。レースの開催を決定する時間には雨は降っていなかったものの、状況があまりに危険であるとレースディレクションが判断し、土曜日の現地時間午後4時より開催が予定されていたレース1の中止が決定しました。
アジア・タレント・カップの第2戦で、國井勇輝が山中琉聖を破ってシーズン初勝利を挙げました。山中が2位、埜口遥希が3位表彰台を獲得し、日本人ライダーがトップ3を独占しました。
ウォームアップ走行では、ポイントリーダーのデェニス・オンジュのマシンにトラブルがあり、一度ピットレーンに入らなければなりませんでした。そのため、レースには後方グリッドから挑みましたが、後方から徐々にポジションを上げると、最終的に5位でフィニッシュしました。
レースは、國井がポールポジションからレースに挑みますが、スタートで出遅れてしまいます。しかし、それでも懸命に巻き返そうと、カン・オンジュとゲリー・サリムに食らいついていきます。徐々にライダーたちによる集団が形成されていく中、山中は次第にトップ集団から遅れ始めます。インドネシア人ライダーのサリム、カン・オンジュ、埜口、そしてラッキー・ヘンドリアンシャーらがデェニス・オンジュの前方で集団を形成し、ライダーたちは団子状態に。
そこからは頻繁にポジションが入れ替わる接戦が展開され、残り7周の時点でデェニス・オンジュが初めてトップに立ちます。2番手には山中、3番手にカン・オンジュ、4番手にヘンドリアンシャー、そして5番手にはサリムがつけます。
最終ラップでは日本人ライダー勢が猛プッシュを見せました。まずは國井が後方ライダーに自身のスリップストリームを使われる危険を冒して、山中をパス。トップ集団が一気にチェッカーへ向けて突進する中、山中は國井からトップを奪い返そうと試みますが、1000分の1秒のわずかな差で國井が勝利を決めました。埜口が3位に入り、日本人勢が表彰台を独占しました。
オンジュ兄弟は、4位と5位に。6位にマレーシア人ライダーのアズロイ・アヌア、7位にヘンドリアンシャー、8位にサリム、9位にイルファン・アルディアンシャー、10位に平間光司がつけました。
タイ人ライダーのクリッチャポーン・ケウォサンティはレース序盤でリタイア。シャイルー・ユスリー・ビン・スハイミ、服部真騎士も同様に完走はなりませんでした。
前戦タイ大会でダブルウインを果たしたデェニス・オンジュは、第2戦カタール大会が終わった現時点でもランキングトップ。アジアロードレース選手権のサポートレースとして6月に開催される日本大会でも、上位入賞が期待されます。
アルベルト・プーチ タレント・プロモーション監督
レース1後のコメント
「レースを中止するのは、主に安全上の理由からです。レースディレクションがライダーに危険が及ぶと判断した場合には、レースが中止されることもあります。我々のカテゴリーにおいては、ライダーがそこまで熟練していないため、安全面により気を遣う必要があります。路面状況が悪かったため、レースの中止を決めました。天候を予測するのは難しいですが、もし予測できれば、大会のプログラムを貫徹することができます。ただ、最優先事項はやはりライダーの安全の保証です。残念ですが、レースはこういうものだと受け入れるしかありません」
レース2後のコメント
「表彰台に届かなかったライダーたちも最大限に努力しており、悪くないレースだったと思います。路面が滑りやすかったため、選手たちは限界ギリギリの走りをしていました。そのわりにはクラッシュもそれほど起こらず、よかったです。結果もよかったと思います。國井と山中はともに、非常に熟練したライダーで、最終ラップではその経験を最大限に活かしていました。日本人ライダーだけでなく、オンジュ兄弟もいい走りをしていました。日本ではモータースポーツが広く普及しており、そのせいなのか日本人ライダーは重要な局面で限界以上の力を発揮することがありますね。我々のカテゴリにおいては、表彰台争いが非常に接戦になります。ですが、それは選手たちがそれぞれ限界の走りをしているということなので、すばらしいことです。次戦は鈴鹿での戦いになりますが、どうなるか見てみましょう。日本人ライダーたちが速さを発揮することを期待しています」
順位 | No. | ライダー | 国 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 5 | 國井勇輝 | 日本 | 31'27.750 |
2 | 12 | 山中琉聖 | 日本 | +0.009 |
3 | 9 | 埜口遥希 | 日本 | +0.096 |
4 | 3 | カン・オンジュ | トルコ | +0.106 |
5 | 7 | デェニス・オンジュ | トルコ | +0.205 |
6 | 20 | アズロイ・アヌア | マレーシア | +0.595 |
7 | 13 | ラッキー・ヘンドリアンシャー | インドネシア | +0.763 |
8 | 4 | ゲリー・サリム | インドネシア | +0.770 |
9 | 6 | イルファン・アルディアンシャー | インドネシア | +1.884 |
10 | 8 | 平間光司 | 日本 | +9.433 |
11 | 18 | 鈴木光来 | 日本 | +11.463 |
12 | 24 | ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャー | インドネシア | +18.345 |
13 | 16 | リード・テレンス・バッティ | オーストラリア | +34.556 |
14 | 22 | リフサ・フィルダウス・ハキム | インドネシア | +58.431 |
15 | 10 | 斉藤魁 | 日本 | +58.635 |
16 | 14 | ビマ・フェブリダ・アルフィン | インドネシア | +1'24.425 |
17 | 23 | ココ・タダチ | フィリピン | +1'45.007 |
18 | 11 | ムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダン | マレーシア | +1'52.024 |
NC | 2 | 鈴木大空翔 | 日本 | |
NC | 17 | 服部真騎士 | 日本 | |
NC | 19 | シャイルー・ユスリー・ビン・スハイミ | インドネシア | |
NC | 15 | クリッチャポーン・ケウォサンティ | タイ |
※ レース1は荒天で中止
順位 | No. | ライダー | 国 | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 7 | デェニス・オンジュ | トルコ | 61 |
2 | 12 | 山中琉聖 | 日本 | 56 |
3 | 5 | 國井勇輝 | 日本 | 44 |
4 | 9 | 埜口遥希 | 日本 | 42 |
5 | 3 | カン・オンジュ | トルコ | 35 |
6 | 20 | アズロイ・アヌア | マレーシア | 30 |
7 | 4 | ゲリー・サリム | インドネシア | 29 |
8 | 6 | イルファン・アルディアンシャー | インドネシア | 22 |
9 | 13 | ラッキー・ヘンドリアンシャー | インドネシア | 21 |
10 | 15 | クリッチャポーン・ケウォサンティ | タイ | 19 |
11 | 8 | 平間光司 | 日本 | 15 |
12 | 24 | ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャー | インドネシア | 11 |
13 | 2 | 鈴木大空翔 | 日本 | 9 |
14 | 18 | 鈴木光来 | 日本 | 9 |
15 | 16 | リード・テレンス・バッティ | オーストラリア | 5 |
16 | 17 | 服部真騎士 | 日本 | 4 |
17 | 25 | パサーウィト・ティチバーク | タイ | 4 |
18 | 22 | リフサ・フィルダウス・ハキム | インドネシア | 2 |
19 | 10 | 斉藤魁 | 日本 | 1 |
20 | 11 | ムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダン | マレーシア | 1 |
21 | 14 | ビマ・フェブリダ・アルフィン | インドネシア | 0 |
22 | 23 | ココ・タダチ | フィリピン | 0 |