ROUND 01
タイ
チャーン・インターナショナル・サーキット
2017.03.12(日)・IATC 決勝
タイのブリーラムで行われた2017年シーズンの開幕戦レース1で、トルコ人ライダーのデェニス・オンジュが、アジア・タレント・カップにおける初勝利を果たしました。レースはオンジュ、マレーシア人ライダーのアズロイ・アヌア、そして山中琉聖による三つ巴の戦いとなりましたが、わずかな隙をついてオンジュがトップに浮上し、そのままチェッカー。スリル満点の開幕戦となりました。
赤旗が提示され、わずか48秒で中止となった予選では、國井勇輝がポールポジションを獲得。シャイルー・ユスリー・ビン・スハイミはクラッシュにより脚を骨折し、レースを欠場せざるを得なくなってしまいます。
気温が30℃後半、そして65℃という路面温度の中で行われたレースは、ベテランライダーの山中がまずホールショットを奪うも、その後すぐに國井がトップを奪い返します。そこに埜口遥希も加わり、日本人ライダーがトップグループを形成。そのすぐ後方には、アヌアと地元のヒーロー、クリッチャポーン・ケウォサンティがつけました。
トルコ人ライダーのデェニス・オンジュはトップを走る日本人グループとの差を縮めることに成功し、団子状態になった後方グループを引き離し始めます。レースはラップを重ねていくにつれ、ベテランライダーたちが戦術とポジショニングを駆使し始めます。
レースの序盤ではワイドに走っていたにもかかわらず、最初にチェッカーを受けたのはオンジュでした。最終ラップでは一気にペースを上げ、後方に0.5秒以上もの差をつけてチェッカーを受けました。アヌアは、フリー走行、そして予選を通して徐々に調子を上げ、開幕戦を2位で終えました。山中はアヌアのすぐ後ろにピタリとつけて猛追するも、最終的に3位でした。
今回のタイ戦は、スーパーバイク世界選手権のサポートレースとして開催されたこともあり、レースの終了後にはWSSライダーのズルファミ・カイルディンや、WSBチャンピオンであるジョナサン・レイがオンジュの勝利やアヌアの2位表彰台獲得を祝う姿も見られました。
今回はトップ5にそれぞれ国籍の異なるライダーがランクイン。ケウォサンティは、決勝のシミュレーション中にクラッシュを喫してしまったものの、母国タイで4位となったことに喜びを表しました。インドネシア人ライダーのゲリー・サリムは、ケウォサンティと0.021秒差でチェッカーを受け、5位でした。
6位から8位まではそれぞれ埜口、カン・オンジュ、序盤にレースをリードした國井がランクイン。イルファン・アルディアンシャーは少し遅れて単独走行し、9位になりました。鈴木大空翔はラッキー・ヘンドリアンシャーとの戦いを制して10位に。ヘンドリアンシャーはわずかな差で11位でゴールしました。
12位から15位には服部、パサーウィト・ティチバーク、ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャー、そしてムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダンが入りました。平間光司と鈴木光来は失格となりました。
明日の午後1時に開始される予定のレース2では、デェニスが今季初のダブルウインを狙います。
レース1で鮮やかな勝利を収めたデェニス・オンジュが、2レース目でまたも勝利。日本人ライダーの山中が2位、埜口が3位表彰台を獲得しました。
リバースグリッドが適用されたレース2では、日本人ライダーの山中がまずホールショットを奪います。オンジュが集団のトップに立つべくプッシュを続ける中、アヌアはペナルティーにより、トップ争いから外れることを与儀なくされます。レース1で表彰台を獲得したアヌアはトラブルにより、ピットへと一時戻ることを余儀なくされました。
レース中盤ではラッキー・ヘンドリアンシャーがレースをリードしますが、残り10ラップになると山中、國井勇輝、埜口遥希の3人がトップ集団を形成。そこにデェニス・オンジュとカン・オンジュも加わり、ポジションが頻繁に入れ替わる混戦となりました。そして数ラップ後にはオンジュ兄弟がトップに立ち、そのままファイナルラップを迎えます。
デェニスはレース1の走りを再現したかのような好走をみせ、後方に対して大量のマージンを稼ぎます。ファイナルコーナーで猛追されるも、それを冷静にかわしきって今週末2度目の勝利。日本人ライダーの山中と埜口は2位、3位表彰台という結果となりました
カンはあと少しのところで表彰台を逃すも4位に。國井は5位、インドネシア人ライダーのサリムは6位となりました。平間光司はトップグループで一番最後にチェッカーを受け、7位で終えました。
インドネシア人ライダーのアルディアンシャーとヘンドリアンシャーはそれぞれ8位と9位に。母国で2回目のトップ10フィニッシュを狙ったケウォサンティは、レース1からはわずかにポジションを下げたものの、10位フィニッシュを果たしました。
フィルマンシャーが11位、鈴木光来が12位、鈴木大空翔が13位、リード・テレンス・バッティが14位、ティチバークが15位となりました。
ビン・モハマド・ハムダンは残り9周の3コーナーでクラッシュを喫し、服部真騎士とアヌアもその影響でリタイアとなりました。
アジア・タレント・カップの次戦は、ロサイル・インターナショナル・サーキットでMotoGPのサポートレースとして開催されます。2017年シーズンで見事なスタートを切ったデェニス・オンジュは、現在ランキングトップ。次戦でも好走をみせてくれることを期待しましょう。
アルベルト・プーチ
タレント・プロモーション監督
レース1後のコメント
「今回はエンターテインメント性の高いレースでした。クラッシュがそこまで多くなかったのは幸いでした。ほとんど同じレベルのマシンが争い、絶えずオーバーテイクがあるレースは、ライダーの才能が浮き彫りになります。誰がポテンシャルを秘めていて、誰がそうでないかが分かるのです。デェニスは今回だけでなく、昨年から常にその可能性を示してきました。今年はこれまでと少し異なる走り方で、今回すばらしいレースをしてくれました。非常に素晴らしかったです」
レース2後のコメント
「おもしろいバトルがあり、非常にいいレースでした。トップ集団の中では高速バトルがあり、クラッシュはそれほど起こりませんでした。今日はすべてが我々の計画通りだったとは言えませんが、それでも重要な局面ではしっかりと状況をコントロールできました。オーバーテイクの多い、すばらしいレースでした。デェニスは素晴らしかったです。同じライダーが2レースを勝つというのはレアな事ですからね。デェニスの勝ちたいという気持ちと、全力で臨んだ結果だと思います。カタールでどんなレースが見られるのか、楽しみですね」
順位 | No. | ライダー | 国 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 7 | デェニス・オンジュ | トルコ | 28'51.579 |
2 | 20 | アズロイ・アヌア | マレーシア | +0.533 |
3 | 12 | 山中琉聖 | 日本 | +0.601 |
4 | 15 | クリッチャポーン・ケウォサンティ | タイ | +0.705 |
5 | 4 | ゲリー・サリム | インドネシア | +0.726 |
6 | 9 | 埜口遥希 | 日本 | +0.770 |
7 | 3 | カン・オンジュ | トルコ | +1.095 |
8 | 5 | 國井勇輝 | 日本 | +1.276 |
9 | 6 | イルファン・アルディアンシャー | インドネシア | +6.047 |
10 | 2 | 鈴木大空翔 | 日本 | +11.540 |
11 | 13 | ラッキー・ヘンドリアンシャー | インドネシア | +11.722 |
12 | 17 | 服部真騎士 | 日本 | +35.447 |
13 | 25 | パサーウィト・ティチバーク | タイ | +35.696 |
14 | 24 | ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャー | インドネシア | +45.406 |
15 | 11 | ムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダン | マレーシア | +45.552 |
16 | 10 | 斉藤魁 | 日本 | +45.797 |
17 | 16 | リード・テレンス・バッティ | オーストラリア | +45.888 |
18 | 23 | ココ・タダチ | フィリピン | +45.944 |
19 | 22 | リフサ・フィルダウス・ハキム | インドネシア | +1'04.189 |
20 | 14 | ビマ・フェブリダ・アルフィン | インドネシア | +1'04.621 |
順位 | No. | ライダー | 国 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 7 | デェニス・オンジュ | トルコ | 28'54.076 |
2 | 12 | 山中琉聖 | 日本 | +0.207 |
3 | 9 | 埜口遥希 | 日本 | +0.338 |
4 | 3 | カン・オンジュ | トルコ | +0.437 |
5 | 5 | 國井勇輝 | 日本 | +0.483 |
6 | 4 | ゲリー・サリム | インドネシア | +0.637 |
7 | 8 | 平間光司 | 日本 | +0.696 |
8 | 6 | イルファン・アルディアンシャー | インドネシア | +1.376 |
9 | 13 | ラッキー・ヘンドリアンシャー | インドネシア | +4.311 |
10 | 15 | クリッチャポーン・ケウォサンティ | タイ | +6.232 |
11 | 24 | ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャー | インドネシア | +9.848 |
12 | 18 | 鈴木光来 | 日本 | +9.874 |
13 | 2 | 鈴木大空翔 | 日本 | +9.959 |
14 | 16 | リード・テレンス・バッティ | オーストラリア | +23.157 |
15 | 25 | パサーウィト・ティチバーク | タイ | +28.578 |
16 | 10 | 斉藤魁 | 日本 | +28.721 |
17 | 23 | ココ・タダチ | フィリピン | +45.977 |
18 | 22 | リフサ・フィルダウス・ハキム | インドネシア | +46.358 |
19 | 14 | ビマ・フェブリダ・アルフィン | インドネシア | +59.526 |
順位 | No. | ライダー | 国 | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 7 | デェニス・オンジュ | トルコ | 50 |
2 | 12 | 山中琉聖 | 日本 | 36 |
4 | 9 | 埜口遥希 | 日本 | 26 |
5 | 3 | カン・オンジュ | トルコ | 22 |
7 | 4 | ゲリー・サリム | インドネシア | 21 |
6 | 20 | アズロイ・アヌア | マレーシア | 20 |
3 | 5 | 國井勇輝 | 日本 | 19 |
10 | 15 | クリッチャポーン・ケウォサンティ | タイ | 19 |
8 | 6 | イルファン・アルディアンシャー | インドネシア | 15 |
9 | 13 | ラッキー・ヘンドリアンシャー | インドネシア | 12 |
11 | 8 | 平間光司 | 日本 | 9 |
13 | 2 | 鈴木大空翔 | 日本 | 9 |
12 | 24 | ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャー | インドネシア | 7 |
14 | 18 | 鈴木光来 | 日本 | 4 |
16 | 17 | 服部真騎士 | 日本 | 4 |
17 | 25 | パサーウィト・ティチバーク | タイ | 4 |
15 | 16 | リード・テレンス・バッティ | オーストラリア | 2 |
20 | 11 | ムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダン | マレーシア | 1 |
18 | 22 | リフサ・フィルダウス・ハキム | インドネシア | 0 |
19 | 10 | 斉藤魁 | 日本 | 0 |
21 | 14 | ビマ・フェブリダ・アルフィン | インドネシア | 0 |
22 | 23 | ココ・タダチ | フィリピン | 0 |