アジアロードレース選手権第5戦が中国の珠海国際サーキットで開催されました。初開催となった中国大会は、気温36℃、路面温度は58℃のコンディションで走行が始まりました。ザクワン・ザイディ(Honda Asia-Dream Racing with SHOWA)は、酷暑と戦いながら、3回のフリープラクティスすべてでトップタイムを記録し、好調な滑り出しとなりました。3回目の走行では転倒してしまいますが、身体にダメージはなく、マシンも修復され、予選に挑むことができました。
予選では、路面温度が61℃と上昇する中、ザイディはフリープラクティスで記録したタイムを短縮しましたが、ポールポジションは1分33秒994でブロック・パークス(ヤマハ)となり、ザイディは1分34秒121とわずかに及ばず、2番手からのスタートとなりました。3番手アズラン・シャー・カマルザマン(BMW)、4番手伊藤勇樹(ヤマハ)、5番手ティティポン・ワロコーン(カワサキ)、6番手アピワット・ウォンタナノン(ヤマハ)までが、1分34秒台を記録し、レースでの熱戦が期待されました。
レース1、ザイディは好スタートを切ってスタートダッシュをみせ、後続を引き離します。ザイディは首位に立ち、レースをリードし、伊藤、ワロコーンが続き、追い上げてきたパークスを加え、4台がトップ争いを繰り広げます。そこからザイディ、伊藤が抜け、トップ争いは2台に、3番手争いをワロコーンとパークスが繰り広げます。ザイディは、伊藤を突き放して、今季2勝目となるチェッカーを受けました。
レース2は、路面温度が51℃と下がりますが、酷暑は変りませんでした。ザイディは、ここでもホールショットを奪い、レースをリードします。それをカマルザマン、パークス、伊藤が追います。ザイディは逃げますが、トップ7台が僅差で続きます。ザイディはカマルザマンの執ようなアタックをかわし、トップを死守します。トップ争いは5台に絞られ、3ラップ目には、カマルザマンをかわしたパークスがザイディの背後に迫り、トップ争いとなります。この2台が逃げ始め、3番手はカマルザマン、伊藤、ワロコーンの3台で争われます。6ラップ目にはパークスが首位を奪います。ザイディの背後に、3番手争いの集団が迫ります。8ラップ目、トップのパークスは逃げ始め、2番手にはザイディをかわしたカマルザマン、3番手ザイディとなり、ザイディの背後にはポジションアップした伊藤が迫ります。10ラップ目、ザイディはカマルザマンを捉えて2番手に浮上し、トップのパークスを追います。最終ラップの攻防で、激しいバトルとなりますが、ザイディはカマルザマン、伊藤に抜かれ、4番手フィニッシュとなりました。
ザイディは、現在153ポイントでランキング2位につけ、トップのパークスを追います。残り2戦、4レースでの逆転を目指します。
ザクワン・ザイディ(優勝/4位)
「フリープラクティスは、すべてのセッションでトップに立ち、手応えを得ることができました。FP3で転倒してしまいましたが、チームがマシンを修復してくれて、しっかりと予選への準備を整えることができました。ライバルたちも調子を上げているので、気を抜かずに予選に挑みました。予選は2番手でしたが、大事なのは決勝なので、そこに集中しました。レース1で勝つことができて、チャンピオンシップでも前進することができました。レース2では、最終ラップで攻めましたが、ポジション取りがうまくいかずに、クラッシュしそうになり、表彰台に届きませんでした。チームのサポートに応えることができず残念です。次戦はホームコースなので、ダブルウインを目指して全力を尽くします」
玉田誠 | Honda Asia-Dream Racing with SHOWA監督
「フリー走行では、とても暑く厳しいコンディションの中で、(ザイディが)いい走りをしてくれました。すべてのセッションをトップのポジションで終了することができました。FP3中にクラッシュしましたが、大きな問題はなく、そのあとの走行でも充実したテストができました。ライダーのモチベーションを高く保つためにもチームが迅速にサポートできたことはよかったと思います。まだパフォーマンスを上げるために改善事項があり、それに取り組み、レース1では、ライダーとチームがいい仕事をして勝つことができました。レース2でも、その調子をキープして優勝を目指しましたが、最後はポジションダウンするという残念な結果に終わりました。この結果をチームとしてしっかり分析して、前に進みます。次戦は、ザクワンのホームコースでもあるので、しっかり準備してダブルウインを目指します」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 21 | ザクワン・ザイディ | ![]() | 13 | 20'38.147 |
2 | 76 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | 13 | +0.885 |
3 | 100 | T.ワロコーン | カワサキ | 13 | +2.283 |
4 | 23 | B.パークス | ヤマハ | 13 | +2.350 |
5 | 24 | A.ウォンタナノン | ヤマハ | 13 | +8.501 |
6 | 33 | A.ユディスティラ | ヤマハ | 13 | +18.035 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 23 | B.パークス | ヤマハ | 13 | 20'37.537 |
2 | 25 | A.シャー・カマルザマン | BMW | 13 | +1.394 |
3 | 76 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | 13 | +2.407 |
4 | 21 | ザクワン・ザイディ | ![]() | 13 | +2.647 |
5 | 100 | T.ワロコーン | カワサキ | 13 | +2.961 |
6 | 116 | M.アイチソン | ヤマハ | 13 | +11.255 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 23 | Bパークス | ヤマハ | 188 |
2 | 21 | ザクワン・ザイディ | ![]() |
153 |
3 | 25 | A.シャー・カマルザマン | BMW | 143 |
4 | 76 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | 131 |
5 | 24 | A.ウォンタナノン | ヤマハ | 108 |
6 | 56 | R.ウィライロー | ヤマハ | 88 |