2012年11月24日(土)・決勝 会場:ロサイル・インターナショナル・サーキット 天候:晴れ
コースコンディション:ドライ
アジアロードレース選手権の最終戦となる第6戦が、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで開催されました。このコースはMotoGPが開催されることでも有名で、MotoGP同様に夜間照明の中、2レースが行われました。
スーパースポーツ600ccクラスはタイトル決定戦ともなり、白熱した戦いが繰り広げられました。ここまでのランキングトップは藤原克昭(カワサキ)。ランキング2位の清成龍一(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)が、16ポイント差で藤原を追う展開となっています。砂漠の中にあるコースには砂が入り込み、風でその砂が動くスリッピーな路面となっています。また、昼夜の温度差の激しさによって、路面温度が急激に変わることもあって、攻略の難しいサーキットとして知られています。
予選では藤原がポールポジション(PP)を獲得し、2番手には成長著しいアズラン・シャー・カマルザマン(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)がつけました。3番手にザムリ・ババ(ヤマハ)、4番手に伊藤勇樹(ヤマハ)、5番手に清成がつけました。
レース1のホールショットを奪ったのはアズラン。それを藤原、ババ、清成、伊藤らが追う展開となります。3ラップ目にはババがトップに立ち、アズラン、清成、藤原が追う形になります。トップ争いをアズランとババ、3番手争いを清成、藤原がそれぞれ繰り広げながら周回を重ねていきます。9ラップ目には、トップにババ、続いて清成、アズラン、藤原とポジションが入れ替わります。清成はババを攻略しようとプッシュしますが、結局届かず、レース1はババが優勝。清成は2位となりました。激しい3位争いを制したのはアズランで、4位となった藤原との差はわずか0.029秒。この結果、清成と藤原のポイントは9ポイント差に縮まりました。
レース2は路面温度がさらに下がってのスタートとなり、タイヤをどのようにマネジメントするかが重要なレースとなりました。まず、ホールショットはアズランが獲得し、それを藤原、伊藤、ババが追走する展開となります。一方、清成はコースレコードに迫るタイムを叩き出しながら猛攻をかけます。清成は次々とライバルたちをかわしていき、6ラップ目にはついにトップに躍り出ました。その勢いは止まらず、勝利に向けて、さらにアクセルを開けます。アズランが清成を追い、2人が後続を引き離しながらチェッカーフラッグを受けました。レース2は清成が優勝し、2位にアズラン、3位にババが入り、表彰台に上りました。また、伊藤が4位、藤原が5位に入りました。清成はレース1よりも10秒近くタイムを縮めての圧勝でした。
2レースの結果から、清成が231ポイントに伸ばし、226ポイントの藤原を逆転して、シリーズチャンピオンに輝きました。アジアロードレース選手権初参戦でタイトルを獲得した清成の力量には、称賛の声が集まりました。また、アズランはランキング4位でシリーズを終えました。
同日に開催されたアジア・ドリーム・カップも最終戦を迎えます。大久保光が172ポイントでここまでランキングトップ。尾野弘樹が163ポイントでランキング2位となっており、9ポイント差で日本人選手同士がタイトルを争う展開となりました。PPを尾野が獲得し、逆転チャンピオンを狙います。
レース1はアピワット・ウォンタナノン、尾野、ジョシュア・フック・フレドリックがトップ争いを演じる展開になります。レースは長いストレートでのスリップストリームを利用し合い、目まぐるしくポジションが入れ替わる攻防が繰り広げられました。最終ラップの最終コーナーをトップ集団の5台が同時に立ち上がり、コントロールラインを目指します。しかし、その集団の後方にいたフィトル・アシュラフ・ラザリが一気に前に出て、真っ先にチェッカーを受け、優勝を果たしました。大久保は5位、尾野は9位に入り、ここでその差は13ポイントに広がりました。
レース2では、ジョシュア・フックがトップに立ち、優勝を決めます。また、イスワンディ・ムイスがトップに0.214秒差と迫り、2位でチェッカー。3位には尾野が滑り込みます。大久保は4位に入ったことで、初代チャンピオン獲得を決めました。また、尾野はランキング2位という結果でした。翌日には、Moto3のテストに挑む権利を得た、アジア・ドリーム・カップのランキング上位8選手がテストに参加しました。
清成龍一(スーパースポーツ600cc 2位/優勝)「タイヤのグリップ力が下がってからでも、タイムを維持できるセッティングに専念したことが、レース2の優勝につながったと思います。シリーズタイトルが獲得できて、とてもうれしいです。初めての挑戦となったアジアロードレース選手権ではいろいろなことがありました。一緒に戦ってくれたチームスタッフ、この機会を与えてくれたHondaやスポンサー、応援してくれているファンの皆さんに感謝しています。ありがとうございました」
大久保光(アジア・ドリーム・カップ 5位/4位)「アジア選手権は、参戦する前からレベルの高い戦いになると覚悟していました。想像通り、毎戦刺激があって学ぶことが多く、すばらしい経験ができたと思っています。尾野君とのチャンピオン争いが接戦だったので、緊張しました。今回、両レースで優勝されたら逆転されてしまうところでしたから。全日本選手権のタイトル決定戦でも緊張しましたが、その次くらいに緊張していました。結果的にチャンピオンになることができてよかったです。今年の目標を果たすことができ、うれしいです。(Moto3)オーディションの結果はまだ知らされていませんが、チャンスを生かすことができるように全力で挑みたいと思っています」
尾野弘樹(アジア・ドリーム・カップ 9位/3位)「最終戦は逆転チャンピオンを狙って、両方勝つつもりで挑みました。ですが、レース1の長いストレートでのスリップストリームの使い合いで、自分としてはいい位置取りをしていたつもりでしたが、うまくいきませんでした。その経験を生かし、レース2では対策を立てて臨んだのですが……。チャンピオンになることができず残念ですし、悔しい気持ちでいっぱいです。応援してくれたスポンサー、ファン、家族に申し訳ないです。それでも、翌日には(Moto3の)テストがあり、トップタイムを記録できました。まだ結果は分かりませんが、悔しい気持ちを晴らせるような活躍をしたいと思っています」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 52 | Z.ババ | ヤマハ | 31:56.614 |
2 | 23 | 清成龍一 | Honda | +3.528 |
3 | 25 | アズラン・シャー・カマルザマン | Honda | +10.040 |
4 | 37 | 藤原克昭 | カワサキ | +10.069 |
5 | 19 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | +10.571 |
6 | 26 | A.ファド・バハルディン | カワサキ | +20.308 |
9 | 634 | 小林龍太 | Honda | +34.680 |
10 | 28 | ラタポン・ウィライロー | Honda | +35.244 |
15 | 91 | ジャックリット・サワーンスワット | Honda | +1:01.532 |
17 | 55 | サシタレン・スクラマン | Honda | +1:02.896 |
20 | 48 | ファビド・アル・ソワイディ | Honda | +1:34.823 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 23 | 清成龍一 | Honda | 31:46.882 |
2 | 25 | アズラン・シャー・カマルザマン | Honda | +4.273 |
3 | 52 | Z.ババ | ヤマハ | +15.129 |
4 | 19 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | +27.574 |
5 | 37 | 藤原克昭 | カワサキ | +29.577 |
6 | 28 | ラタポン・ウィライロー | Honda | +29.886 |
11 | 91 | ジャックリット・サワーンスワット | Honda | +40.789 |
12 | 55 | サシタレン・スクラマン | Honda | +1:00.804 |
18 | 48 | ファビド・アル・ソワイディ | Honda | +2:07.871 |
DNF | 634 | 小林龍太 | Honda | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 63 | アミラル・アリフ・ムサ | Honda | 18:32.635 |
2 | 19 | ノリズマン・イスメール | Honda | +0.130 |
3 | 61 | F.ヘルディアン | ヤマハ | +0.185 |
4 | 36 | アフェンディ・ロスリ | Honda | +0.253 |
5 | 50 | A.アムラン | ヤマハ | +0.258 |
6 | 33 | H.A.ユディスティラ | カワサキ | +0.329 |
7 | 96 | デニー・トリユゴ・ラクソノ | Honda | +0.361 |
13 | 39 | ワン・ハドリ・ムクタール | Honda | +14.133 |
14 | 97 | ワワン・ヘルマワン | Honda | +32.900 |
DNF | 67 | 鳥羽海渡 | Honda | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 63 | アミラル・アリフ・ムサ | Honda | 18:26.481 |
2 | 222 | R.ラトゥコア | ヤマハ | +0.005 |
3 | 36 | アフェンディ・ロスリ | Honda | +0.045 |
4 | 50 | A.アムラン | ヤマハ | +0.050 |
5 | 23 | G.K.ワードハナ | カワサキ | +0.239 |
6 | 61 | F.ヘルディアン | ヤマハ | +0.449 |
7 | 96 | デニー・トリユゴ・ラクソノ | Honda | +0.524 |
8 | 19 | ノリズマン・イスメール | Honda | +0.526 |
12 | 67 | 鳥羽海渡 | Honda | +14.282 |
14 | 39 | ワン・ハドリ・ムクタール | Honda | +14.335 |
16 | 97 | ワワン・ヘルマワン | Honda | +42.265 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 15 | フィトル・アシュラフ・ラザリ | Honda | 18:05.562 |
2 | 7 | カナタット・ジェイマン | Honda | +0.140 |
3 | 14 | イスワンディ・ムイス | Honda | +0.141 |
4 | 5 | サシタレン・スクマラン | Honda | +0.184 |
5 | 1 | 大久保光 | Honda | +0.188 |
6 | 4 | ジョシュア・フック・フレドリック | Honda | +0.194 |
7 | 6 | デニー・トリユゴ・ラクソノ | Honda | +0.226 |
8 | 3 | アピワット・ウォンタナノン | Honda | +0.230 |
9 | 2 | 尾野弘樹 | Honda | +0.262 |
10 | 10 | ジョシュア・ピカリング・ウィリアム | Honda | +25.549 |
11 | 11 | コー・イーチェン | Honda | +26.470 |
12 | 13 | ガウタム・メイルバガナン | Honda | +40.095 |
13 | 17 | ステイシー・ネスビット | Honda | +51.248 |
14 | 12 | ディパック・パピネニ | Honda | +51.587 |
15 | 16 | ギャリー・アグスティン・カネダ | Honda | +1:00.827 |
DNF | 9 | リン・ユージー | Honda | +5Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 4 | ジョシュア・フック・フレドリック | Honda | 18:00.916 |
2 | 14 | イスワンディ・ムイス | Honda | +0.214 |
3 | 2 | 尾野弘樹 | Honda | +0.234 |
4 | 1 | 大久保光 | Honda | +0.392 |
5 | 6 | デニー・トリユゴ・ラクソノ | Honda | +0.447 |
6 | 15 | フィトル・アシュラフ・ラザリ | Honda | +0.455 |
7 | 3 | アピワット・ウォンタナノン | Honda | +0.516 |
8 | 7 | カナタット・ジェイマン | Honda | +1.939 |
9 | 11 | コー・イーチェン | Honda | +35.128 |
10 | 10 | ジョシュア・ピカリング・ウィリアム | Honda | +35.263 |
11 | 17 | ステイシー・ネスビット | Honda | +46.794 |
12 | 13 | ガウタム・メイルバガナン | Honda | +47.017 |
13 | 12 | ディパック・パピネニ | Honda | +1:01.239 |
14 | 16 | ギャリー・アグスティン・カネダ | Honda | +1:02.342 |
15 | 5 | サシタレン・スクマラン | Honda | +1:56.074 |
16 | 9 | リン・ユージー | Honda | +1Lap |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 清成龍一 | Honda | 231 |
2 | 藤原克昭 | カワサキ | 226 |
3 | Z.ババ | ヤマハ | 197 |
4 | アズラン・シャー・カマルザマン | Honda | 172 |
5 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | 116 |
6 | D.エキー・プラタマ | ヤマハ | 81 |
9 | ザクゥアン・ザイディ | Honda | 44 |
12 | ティティポン・ワロコーン | Honda | 32 |
13 | イメール・フィルダウス・ハサン | Honda | 31 |
25 | ラタポン・ウィライロー | Honda | 21 |
20 | 小林龍太 | Honda | 19 |
23 | 國川浩道 | Honda | 11 |
28 | ジャックリット・サワーンスワット | Honda | 7 |
27 | 岡村光矩 | Honda | 3 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | H.ウィジャヤ | ヤマハ | 222 |
2 | アミラル・アリフ・ムサ | Honda | 165 |
3 | R.ラトゥコア | ヤマハ | 161 |
4 | ノリズマン・イスメール | Honda | 142 |
5 | A.アムラン | ヤマハ | 136 |
6 | G.K.ワードハナ | カワサキ | 112 |
8 | アフェンディ・ロスリ | Honda | 109 |
10 | デニー・トリユゴ・ラクソノ | Honda | 75 |
12 | ワワン・ヘルマワン | Honda | 35 |
15 | 鳥羽海渡 | Honda | 26 |
20 | ワン・ハドリ・ムクタール | Honda | 13 |
22 | ファクルシー・シャキリン・ロスタン | Honda | 9 |
26 | 真崎一輝 | Honda | 7 |
29 | オーウィ・ヌルフダ | Honda | 6 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 大久保光 | Honda | 196 |
2 | 尾野弘樹 | Honda | 186 |
3 | ジョシュア・フック・フレドリック | Honda | 158 |
4 | デニー・トリユゴ・ラクソノ | Honda | 153 |
5 | アピワット・ウォンタナノン | Honda | 137 |
6 | イスワンディ・ムイス | Honda | 136 |
7 | フィトル・アシュラフ・ラザリ | Honda | 132 |
8 | サシタレン・スクマラン | Honda | 99 |
9 | コー・イーチェン | Honda | 82 |
10 | ジョシュア・ピカリング・ウィリアム | Honda | 79 |
11 | カナタット・ジェイマン | Honda | 64 |
12 | ジャジル・ジュライミ | Honda | 58 |
13 | リン・ユージー | Honda | 48 |
14 | ギャリー・アグスティン・カネダ | Honda | 43 |
15 | ガウタム・メイルバガナン | Honda | 38 |
16 | ディパック・パピネニ | Honda | 34 |
17 | ステイシー・ネスビット | Honda | 8 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | MuSASHi Boon Siew Honda Racing | Honda | 254 |
2 | Manual-Tech BEET kawasaki Racing | カワサキ | 238 |
3 | PETRONAS Hong Leong Yamaha | ヤマハ | 197 |
4 | Yamaha Indoprom TJM Yamalude KYT | ヤマハ | 88 |
5 | Bike A.R.T-Kawasaki Racing | カワサキ | 79 |
6 | PETRONAS Syntium Moto Yamaha | ヤマハ | 75 |
7 | Musashi Boon Siew Honda Racing Malaysia | Honda | 68 |
9 | AP Honda Thailand | Honda | 51 |
13 | HiRaNo. Hou You | Honda | 11 |
17 | RSG&DREAM Kitakyushu with PHOEBE | Honda | 3 |
19 | Taian Superbike Performance | Honda | 0 |
23 | Sowaidi Racing Team | Honda | 0 |