2012年5月13日(日)・決勝 会場:セパン・サーキット(北トラック、2.807km) 気温:33℃ コースコンディション:ドライ
アジアロードレース選手権(ARRC)の2012年シーズンがセパン・サーキットで開幕。MuSASHi Boon Siew Honda Racing(ブンシュウ・ホンダ・レーシング)は、昨年、英国スーパーバイク選手権(BSB)シリーズに参戦していた清成龍一を起用。昨年の鈴鹿4時間耐久ロードレースの優勝ライダーペアであるアズラン・シャー・カマルザマンとイメール・フィルダウス・ハサン、ザクゥアン・ザイディとともに参戦します。Boon Siew Honda Racingは同選手権の中でHondaのトップチームとして参戦しています。2011年シーズンはスーパースポーツ600ccクラスでランキング2位を獲得した強豪チームです。マシンはHonda CBR600RR。タイヤはダンロップを装着し戦います。
アジアロードレース選手権は全6戦、同日開催で2レースが行われ、全12レースの総合ポイントでタイトルが決まります。第1戦はセパン・インターナショナル・サーキットで開催されました。今大会はMotoGPやF1で使用されるフルコースではなく、全長2.807kmの北トラックで行われました。
今年は、4月に主催者による合同事前テストを開催。清成は初参戦であり、チームとも初顔合わせ。これまで戦って来た全日本選手権、MotoGP、BSB、スーパーバイク世界選手権のキャリアを武器に挑むことになります。テストではじっくりとデータを蓄積、本番に備えていましたが、このレースウイークに新車が投入され、一からデータを積み上げていかなければならない事態となりました。また、今季からタイヤの使用制限が設けられ、レースウイークでトータル6セットとなったため、タイヤの投入の仕方などキャリアのあるチームが優位と見られています。
フリー走行では雷雨に見舞われ、ウエット路面が急激に乾いていくコンディション。そんな中、清成は驚異的な集中力で新車をセットアップし、予選では4番手につけました。
レース1は、藤原克昭(カワサキ)と清成の日本人勢、アズラン、ザムリ・ババ(ヤマハ)のマレーシア人勢が激しくつばぜり合いを行う展開となりました。中盤に清成はトップを奪う快走を見せますが、藤原との激しいバトルへと発展、最終的にレースを制したのは藤原でした。2位に0.233秒差で清成。3位に1.701秒差でアズランとなりました。
レース2、ホールショットを奪ったのは清成。それを追う藤原と、レース1同様に2人の戦いがレースをリードします。しかし、3ラップ目に多重クラッシュが発生し赤旗中断。8名のライダーがリタイアとなってしまい、再レースは16ラップに短縮され、11名のライダーで戦うことになりました。トップ争いは、藤原、清成、アズランの3人で激しい攻防が繰り広げられました。アズランは積極的に前に出ますが、レース1と同じく藤原が優勝、2位に清成、アズランが3位となりました。
アジアロードレース選手権シリーズに新たに導入された育成プログラム「アジア・ドリーム・カップ」は、Hondaが日本を含むアジア大洋州12地域から15歳から25歳までのライダーを20名選抜し、将来のGPライダーを輩出するための育成プログラムです。HondaのグローバルモデルであるCBR250Rをベースとしたレース仕様車で戦われるワンメイクレース。その若手ライダー指導のため、玉田誠、亀谷長純がアジア・ドリーム・カップに派遣されています。両氏は、ライディングやマシンのセッティング、フィジカルやメンタル面での管理などを参戦選手に指導、サポートします。アジア・ドリーム・カップはアジアロードレース選手権シリーズと同じスケジュールで開催される予定です。
その日本代表は尾野弘樹と大久保光。尾野はこれまでスペイン選手権やロードレース世界選手権を経験、海外レースを中心に戦ってきました。2010年の全日本ロードレース選手権J-GP3チャンピオンの大久保は、初の海外レースとなりました。事前テストでゼッケンを決める走行があり、その順位でゼッケンが決められました。大久保は1、尾野は2をつけてシリーズに挑むことになりました。今大会、レース序盤からレースをリードしたのは尾野、大久保で、激しいトップ戦いを繰り広げます。両レースとも、1位尾野、2位大久保となり、尾野は開幕戦でダブルウインを決めました。
清成龍一(スーパースポーツ600cc 2位/2位)「新しいマシンが届き、一からデータを積み上げてセットアップしなければならなかったので、全くトップグループにからむことは想像できませんでした。テストの時のマシンと違うのでレースウイークの組み立てが難しかったです。でも、決勝ではトップ争いをすることができました。妥協なく全力で挑んでの2位なので、これからにつながるレースができたと思います。アジア選手権は、これまで走ってきたシリーズ戦のどれとも違う大会だというのが正直な感想です。早く戦い方のノウハウを見つけて精一杯に戦って、次戦では勝てるように準備したいと思います」
アズラン・シャー・カマルザマン(スーパースポーツ600cc 3位/3位)「2レース目ではトップ争いができたのですが、ラスト3ラップでシフトミスをしてしまいました。それが原因でオーバーランして、最後まで優勝争いができませんでした。同じ3位でも1レース目より2レース目が、トップ争いのバトルができたこともあり収穫があったと思います。両レースで表彰台に上がることができたのでよかったと思っています。今回の経験を次戦へのインドネシア大会に生かすだけです」
尾野弘樹(アジア・ドリーム・カップ 優勝/優勝)「昨年に続いてヨーロッパのレースに参戦しようと準備していたのですが、アジアで走ることを選びました。ワンメイクで、ライダーの腕で勝負できるというのも魅力でした。また、世界選手権を走れるようにしっかりとがんばりたいと思っています。勝つことができてうれしかったです。ここでチャンスをつかめるように、がんばって走りたいと思います」
大久保光(アジア・ドリーム・カップ 2位/2位)「初めての海外レースなので、とまどうことばかりでした。レース進行も全日本とは違い、あたふたしてしまうことが多かったです。インタビューも現地の言葉で聞かれて、どうしていいのかわからない状況でしたが、日本語のわかる方が助けてくれました。観客の盛り上がりにはびっくりしました。地元ライダーへの声援の熱さに驚きました。レースは、これまで経験した中でも1番悔しいレースになりました。次は、今回の経験を生かして優勝できるようにがんばります。課題もたくさんみつかったので、トレーニングをみっちりやって、次戦に備えたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 37 | 藤原克昭 | カワサキ | 27:49.221 |
2 | 23 | 清成龍一 | Honda | +0.233 |
3 | 25 | アズラン・シャー・カマルザマン | Honda | +1.701 |
4 | 52 | Z.ババ | ヤマハ | +4.910 |
5 | 26 | A.ファド・バハルディン | カワサキ | +16.908 |
6 | 162 | F.イマムディン | カワサキ | +16.964 |
7 | 21 | ザクゥアン・ザイディ | Honda | +20.457 |
8 | 18 | ティティポン・ワロコーン | Honda | +35.851 |
10 | 53 | イメール・フィルダウス・ハサン | Honda | +36.215 |
14 | 28 | ラタポン・ウィライロー | Honda | +57.473 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 37 | 藤原克昭 | カワサキ | 17:47.841 |
2 | 23 | 清成龍一 | Honda | +0.338 |
3 | 25 | アズラン・シャー・カマルザマン | Honda | +0.456 |
4 | 52 | Z.ババ | ヤマハ | +11.381 |
5 | 93 | F.バドラル・ヒシャム | ヤマハ | +25.526 |
6 | 20 | D.エキー・プラタマ | ヤマハ | +25.614 |
9 | 18 | ティティポン・ワロコーン | Honda | +1:30.394 |
10 | 53 | イメール・フィルダウス・ハサン | Honda | +1Lap |
DNS | 21 | ザクゥアン・ザイディ | Honda | - |
DNS | 28 | ラタポン・ウィライロー | Honda | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 12 | H.ウィジャヤ | ヤマハ | 19:48.831 |
2 | 222 | R.ラトゥコア | ヤマハ | +0.089 |
3 | 19 | ノリズマン・イスメール | Honda | +0.152 |
4 | 50 | A.アムラン | ヤマハ | +0.310 |
5 | 36 | アフェンディ・ロスリ | Honda | +0.317 |
6 | 61 | F.ハーディアン | ヤマハ | +0.498 |
10 | 63 | アミラル・アリフ・ムサ | Honda | +0.769 |
13 | 26 | ファクルシー・シャキリン・ロスタン | Honda | +17.086 |
18 | 39 | ワン・ハダリ | Honda | +29.342 |
19 | 67 | 鳥羽海渡 | Honda | +35.933 |
RT | 97 | ワワン・ヘルマワン | Honda | +10Laps |
RT | 96 | デニ―・トリユゴ | Honda | +13Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 19 | ノリズマン・イスメール | Honda | 19:50.181 |
2 | 63 | アミラル・アリフ・ムサ | Honda | +0.056 |
3 | 222 | R.ラトゥコア | ヤマハ | +1.408 |
4 | 99 | I.ラデュアン | ヤマハ | +1.493 |
5 | 12 | H.ウィジャヤ | ヤマハ | +1.647 |
6 | 50 | A.アムラン | ヤマハ | +2.709 |
10 | 26 | ファクルシー・シャキリン・ロスタン | Honda | +13.342 |
17 | 97 | ワワン・ヘルマワン | Honda | +1:01.743 |
RT | 39 | ワン・ハダリ | Honda | +1Lap |
RT | 67 | 鳥羽海渡 | Honda | +2Laps |
RT | 36 | アフェンディ・ロスリ | Honda | +11Laps |
RT | 96 | デニ―・トリユゴ | Honda | +13Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | 尾野弘樹 | Honda | 18:59.222 |
2 | 1 | 大久保光 | Honda | +1.531 |
3 | 3 | アピワット・ウォンタナノン | Honda | +18.636 |
4 | 4 | ジョシュア・フック・フレドリック | Honda | +18.825 |
5 | 15 | フィトル・アシュラフ・ラザリ | Honda | +32.506 |
6 | 5 | サシタレン・スクマラン | Honda | +32.641 |
7 | 10 | ジョシュア・ピカリング・ウィリアム | Honda | +36.964 |
8 | 11 | コー・イーチェン | Honda | +37.023 |
9 | 8 | ジャジル・ジュライミ | Honda | +48.431 |
10 | 9 | リン・ユージー | Honda | +58.800 |
11 | 16 | ギャリー・アグスティン・カネダ | Honda | +1:13.481 |
12 | 13 | ガウタム・メイルバガナン | Honda | +1:20.677 |
13 | 12 | ディパック・パピネニ | Honda | +1Lap |
RT | 7 | カナタット・ジェイマン | Honda | +11Laps |
RT | 6 | デニー・トリユゴ・ラクソノ | Honda | +14Laps |
RT | 14 | イスワンディ・ムイス | Honda | +14Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | 尾野弘樹 | Honda | 19:04.693 |
2 | 1 | 大久保光 | Honda | +0.207 |
3 | 3 | アピワット・ウォンタナノン | Honda | +0.675 |
4 | 6 | デニー・トリユゴ・ラクソノ | Honda | +15.831 |
5 | 5 | サシタレン・スクマラン | Honda | +18.560 |
6 | 14 | イスワンディ・ムイス | Honda | +31.623 |
7 | 7 | カナタット・ジェイマン | Honda | +31.684 |
8 | 8 | ジャジル・ジュライミ | Honda | +39.027 |
9 | 11 | コー・イーチェン | Honda | +39.075 |
10 | 10 | ジョシュア・ピカリング・ウィリアム | Honda | +47.637 |
11 | 15 | フィトル・アシュラフ・ラザリ | Honda | +50.629 |
12 | 4 | ジョシュア・フック・フレドリック | Honda | +50.976 |
13 | 9 | リン・ユージー | Honda | +51.159 |
14 | 16 | ギャリー・アグスティン・カネダ | Honda | +1:10.373 |
15 | 13 | ガウタム・メイルバガナン | Honda | +1:23.592 |
RT | 12 | ディパック・パピネニ | Honda | +4Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 藤原克昭 | カワサキ | 50 |
2 | 清成龍一 | Honda | 40 |
3 | アズラン・シャー・カマルザマン | Honda | 32 |
4 | Z.ババ | ヤマハ | 26 |
5 | F.バドラル・ヒシャム | ヤマハ | 18 |
6 | ティティポン・ワロコーン | Honda | 15 |
7 | イメール・フィルダウス・ハサン | Honda | 12 |
11 | ザクゥアン・ザイディ | Honda | 9 |
17 | ラタポン・ウィライロー | Honda | 2 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | ノリズマン・イスメール | Honda | 41 |
2 | H.ウィジャヤ | ヤマハ | 36 |
3 | R.ラトゥコア | ヤマハ | 36 |
4 | アミラル・アリフ・ムサ | Honda | 26 |
5 | A.アムラン | ヤマハ | 23 |
6 | I.ラデュアン | ヤマハ | 21 |
10 | アフェンディ・ロスリ | Honda | 11 |
12 | ファクルシー・シャキリン・ロスタン | Honda | 9 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 尾野弘樹 | Honda | 50 |
2 | 大久保光 | Honda | 40 |
3 | アピワット・ウォンタナノン | Honda | 32 |
4 | サシタレン・スクマラン | Honda | 21 |
5 | ジョシュア・フック・フレドリック | Honda | 17 |
6 | フィトル・アシュラフ・ラザリ | Honda | 16 |
7 | ジャジル・ジュライミ | Honda | 15 |
8 | ジョシュア・ピカリング・ウィリアム | Honda | 15 |
9 | コー・イーチェン | Honda | 15 |
10 | デニー・トリユゴ・ラクソノ | Honda | 13 |
11 | イスワンディ・ムイス | Honda | 10 |
12 | カナタット・ジェイマン | Honda | 9 |
13 | リン・ユージー | Honda | 9 |
14 | ギャリー・アグスティン・カネダ | Honda | 7 |
15 | ガウタム・メイルバガナン | Honda | 5 |
16 | ディパック・パピネニ | Honda | 3 |