Round10デイトナ
2020年3月7日(土)・決勝
会場 : デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ
MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSS/FIM世界選手権第10戦が、デイトナで行われました。スーパークロス発祥の地とあがめられる、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイは、50周年記念大会として特別なにぎわいをみせていました。AMA公認シリーズとなったのは1974年からですが、デイトナで初めてモトクロスが行われたのは1971年のこと。そこから起算した50年に及ぶ歴史の上で、Hondaは17回(1978年マーティ・トライプス~中略~2018年ジャスティン・ブレイトン)という最多優勝記録を誇っています。
Team Honda HRCは、このアニバーサリーにちなんだレトロデザインのCRF450Rを用意。ウイングマークや楕円ゼッケンを配した真紅の外装は、73年型のエルシノアを模したもので、ファンの目を惹きつけていました。
予選ヒートレース1では、ポイントリーダーの証しである赤ゼッケンをつけた、ケン・ロクスン(Team Honda HRC)が1位通過。同じ組に出走したおととしのデイトナSXウイナー、ジャスティン・ブレイトン(Team Honda HRC)は、4位で決勝行きの切符をゲットしました。
450SXメインレースでは、オープニングラップからロクスンが先頭に立ち、優勢のうちに周回を重ねました。2番手のライダーは、ジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)からクーパー・ウェブ(KTM)へと入れ替わりましたが、ロクスンは中盤までに7秒ほどのリードを蓄えました。
やがてスタート6番手から上がってきたイーライ・トーマック(カワサキ)が、セカンドグループをすり抜けて2番手に浮上。テールトゥノーズとなった終盤15周目、ロクスンがミスにより転倒しかけたタイミングでトーマックが前に出ました。チェッカーの瞬間は僅差でしたが、ロクスンは2位でフィニッシュ。この結果、ポイントランキングでは3ポイントのビハインドとなりました。
ブレイトンはスタート9番手から、最終的に10位でチェッカーを受けました。ファイナルラップでビンス・フリージー(Smartop/Bullfrog Spas/MotoConcepts Honda)との接触転倒を喫した際、ブレイトンは左手の小指中手骨を骨折。全治3~6週間と診断されています。
なお、併催クラスの250SXイースト第4戦では、ディフェンディングチャンピオンのチェイス・セクストン(Geico Honda)が2位、ジェレミー・マーティン(Geico Honda)が3位に入賞。セクストンはポイントリードを10差と広げ、タイトル防衛に向かって邁進しています。ルーキーの下田丈(Geico Honda)は、スタート10番手からポジションを上げて7位でチェッカー。この結果シリーズポイントでは、7位から6位にランクアップしています。
ケン・ロクスン(2位)
「終始順調でしたし、2位入賞という結果に満足しています。このところスタートが絶好調なのですが、今日はヒートからメインレースまでその傾向が途切れませんでした。トップに立ってからは、リードを広げるために何周もハイペースで走り続ける必要があると分かっていました。中盤になって少しライン取りを変えてみたのですが、あまり効果がなかったようです。イーライ(・トーマック)が速かったのですぐに間隔を詰められ、コーナーでミスをして倒れかかったところで、リーダーの座を明け渡してしまいました。抜かれてからもあきらめず、彼の後を追いかけました。ラストの局面では2人ともすごいペースでしたが、あと1周あったら逆転できていたかもしれません。それでもベストを尽くしたことは確かです。最後はほんの少し届かず優勝を逃しましたが、ここ最近のレースでは一貫してスタートから走り全体に至るまで好調なのがうれしいです。シーズン後半戦に向けて、いいポジションにつけていると思います」
ジャスティン・ブレイトン(10位)
「とてもがっかりしています。正直に言ってチャンスをつかめる気がしません。スタートはまずまずだったのですが、1周目の競り合いで中団に飲み込まれ、10番手あたりになりました。そこからもっと仕掛けて前に出ないといけないのに、混乱から抜け出せませんでした。最終ラップの転倒は、ビンス(・フリージー)に当てられました」
エリック・キーホー(Team Honda HRC監督)
「今夜はすばらしかった。ケンは終日乗れていて、予選では好タイムを記録し、ヒートレースに勝ち、メインレースでは大半をリードして2位をゲットしました。もちろん優勝を逃したことは少し残念ですが、トーマックはデイトナに強いので来るだろうと想定していました。そんなトーマックを相手にケンは戦いを挑み、最後まで全力を出し切りました。ジャスティンはまたしても不運に見舞われました。手堅く走っていたのに、最後の最後でフリージーとクラッシュしてしまったのです。なんとか10位で完走しましたが、もっと上位を見込めるだけに、このところはフラストレーションを感じているはずです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 21'59.174 |
2 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | +0.707 |
3 | 1 | C.ウェブ | KTM | +10.590 |
4 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +11.205 |
5 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | +32.436 |
6 | 7 | A.プレッシンガー | ヤマハ | +34.412 |
8 | 27 | マルコム・スチュワート | ![]() | +46.452 |
9 | 46 | ジャスティン・ヒル | ![]() | +53.884 |
10 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | +1'03.771 |
11 | 64 | ビンス・フリージー | ![]() | +1'05.550 |
13 | 22 | チャド・リード | ![]() | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 226 |
2 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 223 |
3 | 1 | C.ウェブ | KTM | 197 |
4 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | 195 |
5 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 170 |
6 | 27 | マルコム・スチュワート | ![]() | 152 |
7 | 46 | ジャスティン・ヒル | ![]() | 141 |
8 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 129 |
13 | 64 | ビンス・フリージー | ![]() | 108 |
17 | 22 | チャド・リード | ![]() | 49 |
24 | 49 | クリス・ブローズ | ![]() | 18 |
33 | 82 | ケイド・アウンテンリーツ | ![]() | 3 |
36 | 67 | ジェリー・ロビン | ![]() | 1 |