Round15デンバー
2019年4月13日(土)・決勝
会場 : Broncos Stadium at Mile High
FIM AMAスーパークロス世界選手権第15戦が、デンバーのブロンコス・スタジアム・アット・マイル・ハイで開催されました。その異名が示す通り、デンバーは海抜約1600mの高地にあり、スーパークロス会場としては、ソルトレイクシティーの約1300mを上回っています。デンバーの郊外には、アスリートの高地トレーニングで有名なボールダーがあるほどで、気圧の低さや酸素の少なさが話題になるのがデンバーの土地柄です。
高地にある屋外スタジアムという点では、ソルトレイクシティーの前例と同様に、今回のデンバーでも降雪の影響を受けました。積雪を除去しながらコース造成が行われたり、レース当日のプラクティス中にも雪が降ったりしたほどです。マディには至らなかったものの、路面がウエットになる時間帯がありました。さらに夜になると気温が氷点下になり、寒さ対策も問われる大会となりました。また、テレビの生放送をNHL(アイスホッケー)のプレーオフと擦り合わせるため、今大会のタイムスケジュールが変更され、オープニングセレモニーが17時開始に改められました。
予選ヒート1に出走したケン・ロクスン(Team Honda HRC)は、4位でチェッカーを受けてメインレースに進出。一方ヒート2では、コール・シーリー(Team Honda HRC)がトップでフィニッシュ。ヒート1とのタイム差によって2番目のゲートピックを得たシーリーは、決勝でのアドバンテージをひとまず確保しました。
メインレースでは、ロクスンがスタート5番手、シーリーが11~12番手でホールショットラインを通過しました。ロクスンは1周目の混戦で9番手まで後退、シーリーは5周目のピットインで最後尾近くまでポジションを失いました。1周43~44秒台という短いコース設定で、28周を消化した結果、ロクスンは7位、シーリーは19位でチェッカーを受けました。
メインレースでは、ロクスンがスタート5番手、シーリーが11~12番手でホールショットラインを通過しました。ロクスンは1周目の混戦で9番手まで下がった後、7周目には6番手までばん回し、セカンドグループを射程内に捉えました。シーリーは5周目の転倒で20番手まで後退。さらに13周目に他車との接触でスポークが折損したため、メカニックエリアでフロントホイールを交換しました。このタイムロスが大きく響き、シーリーは3周遅れの19位でフィニッシュ。ロクスンは7位でチェッカーを受けました。
開幕から15戦連続で行われてきた、FIM AMAスーパークロス選手権ですが、次週はイースター(復活祭)ホリデーのためオフとなります。残るラウンドは第16戦イーストラザフォード(4月27日)、最終戦ラスベガス(5月4日)のみです。
ケン・ロクスン(7位)
「苦闘ばかりの冴えない一日でした。タイムアタックはあまりうまくいかず、レースでは予選ヒートも決勝もスタートに失敗し、決勝ではスタミナ切れになりました。体調を100%に戻せるように努力しているのですが、なかなか難しいことなので、来週の休みを活用したいと思っています。このところ疲れが取れにくいのはどうしてなのか、原因を探し続けていますが、そういう気持ちを抱いたままレースに臨むのは辛いことです。今大会は標高の高さが影響しているかもしれません。自分の体調を治してトレーニングメニューを通常のレベルに固定できるようになれば、勝利に手が届くことは分かっています。ラスト2戦でカムバックを果たせたらうれしいです」
コール・シーリー(19位)
「今夜は始まりが最高だったのに、こんな終わり方になるなんて残念でなりません。このところ調子が上向きになってきたし、何戦かいい走りができていたので、さらに好成績を積み重ねようと思っていました。今夜は寒さ対策として、ジャージの下に圧縮シャツを着ていました。それより問題だったのは手が冷えることだったのですが、トレイ・カナードのアドバイスに救われました。彼に教わった秘策は、グローブの下に薄いゴム手袋をしたこと。ただし手のひら部分だけは切り取って、感触が損なわれないように準備しました。効果はありました。予選ヒートは最高でしたが、メインレースは全く違った展開になってしまいました。スタートに失敗した上にアクシデントが続きました。1回クラッシュして、その後アレックス・レイと接触したときに、フットペグがフロントホイールに絡んだのです。スポークが何本か折れたことが音で分かったので、目視で何本なのか数えたわけではありませんが、リスクを避けて完走を目指すため前輪を交換しました。望んだ成績には程遠いものですが、前に向かって進みます」
エリック・キーホー(Team Honda HRC監督)
「ケンにとっては苦しい一日でした。スタートはよくなかったものの、果敢にチャージを試みたのですが、残念なことに最後まで追撃を続けることができませんでした。彼がフラストレーションを感じていることは確かですが、原因究明に取り組んでいることも事実です。マシンに関しては問題ありませんでした。デンバーでのスーパークロスは初めて(チームとしては23年ぶり)ですが、標高の高さに対するアジャストを行った結果、ライダーは2人とも満足していました。コールはヒートレースでの勝利を含め、非常に乗れていました。毎週少しずつステップアップしてきましたが、なぜかメインレースではバラバラになってしまいました。スタートの出遅れ、転倒、スポーク破損、すべてが重なった結果、いい日になるはずだった流れを断ち切り、残念な結果になりました」
ヒート1
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 19 | J.ボーグル | KTM | 7'26.375 |
2 | 16 | Z.オズボーン | ハスクバーナ | +02.322 |
3 | 4 | B.バゲット | KTM | +03.695 |
4 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | +05.807 |
5 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +06.546 |
6 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | +07.400 |
10 | 412 | ジャレド・レッシャー | ![]() | +29.897 |
13 | 526 | コルトン・アック | ![]() | +44.973 |
18 | 424 | タイラー・カスター | ![]() | +1Lap |
19 | 662 | トラビス・バニスター | ![]() | +1Lap |
ヒート2
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 7'27.555 |
2 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +02.073 |
3 | 2 | C.ウェブ | KTM | +03.692 |
4 | 17 | J.サバッチー | カワサキ | +08.176 |
5 | 33 | J.グラント | ヤマハ | +10.810 |
6 | 46 | J.ヒル | スズキ | +19.001 |
7 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() | +21.870 |
8 | 99 | オースティン・ポリテッリ | ![]() | +25.561 |
9 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +27.909 |
10 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() | +29.236 |
11 | 63 | ジョン・ショート | ![]() | +38.587 |
メインレース
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 20'53.096 |
2 | 2 | C.ウェブ | KTM | +07.774 |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +13.171 |
4 | 19 | J.ボーグル | KTM | +21.021 |
5 | 17 | J.サバッチー | カワサキ | +22.661 |
6 | 4 | B.バゲット | KTM | +24.914 |
7 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | +27.503 |
12 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() | +1Lap |
16 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() | +2Laps |
17 | 63 | ジョン・ショート | ![]() | +2Laps |
19 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +3Laps |
21 | 99 | オースティン・ポリテッリ | ![]() | +23Laps |
22 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | DNS |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | C.ウェブ | KTM | 332 |
2 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 314 |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 309 |
4 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 283 |
5 | 4 | B.バゲット | KTM | 255 |
6 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 223 |
8 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 180 |
12 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 141 |
18 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() | 94 |
19 | 42 | ビンス・フリージー | ![]() | 65 |
22 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() | 45 |
24 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | 37 |
27 | 99 | オースティン・ポリテッリ | ![]() | 22 |
29 | 27 | マルコム・スチュワート | ![]() | 17 |
36 | 63 | ジョン・ショート | ![]() | 6 |
41 | 941 | アンジェロ・ペレグリーニ | ![]() | 4 |
44 | 412 | ジャレド・レッシャー | ![]() | 2 |