Round08デトロイト
2019年2月23日(土)・決勝
会場 : Ford Field
MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSS/FIM世界選手権第8戦が、デトロイトで行われました。会場のフォード・フィールドは、郊外のポンティアックにあったシルバードームに代わり、ダウンタウンのリノベーション計画の一環として建設された屋内スタジアムです。コメリカ・パーク(野球)、リトル・シーザーズ・アリーナ(バスケットボール/アイスホッケー)と隣接し、中心街のイメージアップを担っています。スーパークロスの開催は2006年が初めてですが、カナダ国境に近い土地柄ゆえに、常に招致をトロントと争ってきた歴史があります。
昨年導入された決勝3レース制が、今年も限定的に実施されています。当該ラウンドは第3戦アナハイム、第8戦デトロイト、第13戦ヒューストン。450SXクラスは12分+1周、250SXクラスは10分+1周、各々3レースの総合結果に対し、シリーズポイントが付与されます。
決勝3レース制が適用される上記3大会に限り、スペアマシンが認められることになりました。デトロイトのフォード・フィールドはダウンタウンにあるため、トランスポーターのテントを広げる余地がなく、チームスタッフは狭いスペースでマシンのセットアップを行いました。
長方形のフロアにレイアウトされたコースは、1コーナーまでが短いショートスタート、対照的に長いリズムセクション、そしてクラッシュパッドで左右に二分されたスプリットレーンが特徴です。土質はポンティアックで開催されていたころからの伝統で、湿り気のあるソフトダートのため、随所にわだちが発生しました。
1回目の計時予選では、コール・シーリー(Team Honda HRC)が47秒629で3番手となりました。ところが、前走車に弾かれた石が胸に当たり、シーリーは3周でタイムアタックを中断。2回目のセッションも試みましたが、スピードを出せないままコースから退き、メインレースへの出走を見合わせました。ケン・ロクスン(Team Honda HRC)は、47秒606をマークして予選総合5番手となりました。
チームメートのDNSを受けて孤軍奮闘することになったロクスンですが、彼自身も風邪で体調を崩していました。レース1はスタート9番手から追い上げ、8周目には4番手まで達しましたが、その後のミスでポジションを失い、5位となりました。ここで際立っていたのは、ジャスティン・ブレイトン(Smartop Bullfrog Spas Honda)で、ホールショットからラスト2周までトップを走り、イーライ・トーマック(カワサキ)に次ぐ2位でフィニッシュしました。
レース2では10番手で1コーナーをクリアしたロクスンですが、6番手までポジションアップを果たしたあと、終盤には単独走行となり、そのままチェッカーを受けました。レース3ではスタート7番手から上位に食い込み、僅差のバトルを繰り広げましたが、5位でフィニッシュ。この3レースのトータルによって、ロクスンはオーバーオール4位(5位/6位/5位)に入賞。19ポイントを獲得しました。
ケン・ロクスン(5位/6位/5位 総合4位)
「今大会を無事に終えることができて、ほっとしています。1ポイント差で総合ポディウムを逃したことは残念ですが、それでも納得しています。実はこの1週間は風邪を引いていて、今日も普段の体調にはほど遠かったのです。いつものような集中力を欠いていましたし、終日全く乗れていませんでした。そのような状況を考え、ダメージを最小限にとどめたかったので、4位というリザルトは上出来だったと思います。現在シリーズランキングは2位ですし、わずか6ポイントのビハインドです。来週のアトランタには万全の態勢で臨みたいと思います」
コール・シーリー(DNS)
「プラクティスで非常に乗れていましたし、レースに出走できなかったことが残念でなりません。ちょうどベストラップを記録したときに、すごく大きな石が飛んできて胸骨に当たり、勢いを削がれてしまったのです。2回目のプラクティスセッションにも出てみましたが、強い胸の痛みに耐えられませんでした。自分の中でどうしても出たいと叫ぶレーサー魂に反して、リタイアをしなければならないのは嫌でしたが、1周する力もなかった状態でこれ以上のケガを負うリスクを避けることも大事でした。アトランタまでに回復できるようにベストを尽くすつもりです」
エリック・キーホー(Team Honda HRC監督)
「タイトルの行方を左右するのは、シーズンの中でも不振のレースの成績だと言われていますが、1週間体調を崩していたケンが4位を得たことは上々でした。もちろん表彰台に立ちたかったでしょうが、まだ長いシリーズの半ばですし、何戦も残っているのです。コールは1回目のタイムドプラクティス中に飛び石を胸骨に受けたため、残念ながらレースに出ることができませんでした。ナイトプログラムが始まるまで休養に時間をかけて様子を見ましたが、最終的に出走を取り止めました。踏ん張りが利かない状態で無理してさらにケガするよりも、残りのシリーズに向けてコンディションを整える方が重要なことです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 13'33.872 |
2 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() |
+02.339 |
3 | 22 | C.リード | スズキ | +04.287 |
4 | 4 | B.バゲット | KTM | +05.746 |
5 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() |
+06.382 |
6 | 2 | C.ウェブ | KTM | +08.341 |
19 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() |
+1Lap |
21 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() |
+3Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 13'38.471 |
2 | 2 | C.ウェブ | KTM | +05.108 |
3 | 17 | J.サバッチー | カワサキ | +08.702 |
4 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +09.198 |
5 | 22 | C.リード | スズキ | +09.836 |
6 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() |
+13.308 |
12 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() |
+28.815 |
16 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() |
+1Lap |
17 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() |
+1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | C.ウェブ | KTM | 13'31.931 |
2 | 4 | B.バゲット | KTM | +00.351 |
3 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | +05.553 |
4 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +08.598 |
5 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() |
+10.777 |
6 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +12.468 |
9 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() |
+18.049 |
16 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() |
+1Lap |
21 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() |
+1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | C.ウェブ | KTM | 173 |
2 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() |
167 |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 161 |
4 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 160 |
5 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 122 |
6 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | 120 |
10 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() |
97 |
11 | 14 | コール・シーリー | ![]() |
94 |
14 | 42 | ビンス・フリージー | ![]() |
65 |
19 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() |
42 |
22 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() |
26 |
23 | 27 | マルコム・スチュワート | ![]() |
17 |
32 | 941 | アンジェロ・ペレグリーニ | ![]() |
4 |
34 | 99 | オースティン・ポリテッリ | ![]() |
3 |