Round07アーリントン
2019年2月16日(土)・決勝
会場 : AT&T Stadium
MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSS/FIM世界選手権第7戦が、ダラス近郊アーリントンにあるAT&Tスタジアムで開催されました。この地域でのスーパークロスは1975年以来の長い歴史がありますが、会場となってきたコットンボウル(ダラス)、テキサス・スタジアム(アービング)は荒天の影響を受けやすく、マディレースになったこともありました。2010年からはドーム構造のAT&Tスタジアムが会場となり、ベストコンディションで熱戦が繰り広げられてきました。
氷点下のミネアポリスからダラスへ移動してきたチームは、青空の下にテントを広げてマシンやツールボックスを並べることができました。木曜~金曜は最高気温が25℃ほどでしたが、レース当日の土曜は雲に覆われ、外気温は6℃まで下がりました。
計時予選が始まると、走行ラインが簡単に掘られて多数のわだちができました。ケン・ロクスン(Team Honda HRC)は、ポイントリーダーの証しであるレッドナンバーのCRF450Rで登場。チームメートのコール・シーリーとともにベストラインを探りました。2本目のタイムアタックを終了し、結果は1番手から14番手まで50秒台がひしめき合う接戦となり、シーリーは50秒373で5番手、ロクスンは50秒608で8番手でした。
Team Honda HRCの好調ぶりは、ナイトプログラムでより明確になりました。予選ヒート1ではロクスンが1番手、ヒート2ではシーリーが1番手となり、2人続けてポディウムでインタビューを受けたのです。予選は短いレース(6分+1周)ですが、マシンセットアップの方向性が正しいことを証明するリザルトを得て、チームの意気が高まりました。
メインレースでは、ロクスンがホールショットを取りましたが、立ち上がりでイーライ・トーマック(カワサキ)に先行され、4周目までは2番手につけました。その後トップに躍り出たロクスンは、2番手に迫ってきたマービン・ムスキャン(KTM)に対し、3秒弱のセーフティリードを保ちながら周回。今季初優勝という戦果が徐々に現実的になってきました。
ところが、スタート7番手から追い上げてきたクーパー・ウェブ(KTM)が、19周目に2番手までポジションアップ。最終ラップの最終コーナーでは、サイドバイサイドの競り合いになりました。並んだままフィニッシュジャンプを飛んだ2台でしたが、ウェブが優勝、ロクスンが2位、その差はわずか0.028秒という劇的な幕切れでした。
シーリーはスタート8番手でレースを始めたあと、7周目からは6番手を快走しました。中盤はジョーイ・サバッチー(カワサキ)との5番手争いが見ものでしたが、終盤になるとシーリーのペースが衰え、単独6位でチェッカーを受けました。今季のベストに並ぶ2度目の6位フィニッシュによって、シーリーはランキング8位に躍進しています。
ケン・ロクスン(2位)
「今シーズン開幕当初のレースから今に至るまで、順調なステップを踏んできました。トレーニングメニューをレベルアップして、日々の鍛錬に力を注いできましたが、それが毎週末の結果に表れているような気がします。もちろんその努力の成果のすべてをメインレースで披露しながら、最終コーナーで手放してしまったことに関してはがっかりしています。メインレース中の自分の弱点はフープスとその手前のコーナーで、終始そこが遅かったようです。フープスと手前のコーナーをもっとうまく攻略できていたら、あるいはマシンセッティングをもっと詰めることができていたら、よりスムーズに流れるような走りができていただろうし、1位と2位のマージンをもっと大きく取れていたと思います。でも、率直に言って楽しいレースでした。一昨年、昨年と長い間チャンピオン争いから遠ざかっていましたが、今シーズンはとてもいいレースが続いています。まだまだ上達する余地があり、未勝利とはいえ非常に高いポジションで安定しています。この状況を自分自身を焚き付けるモチベーションとして、レース中に覚えた感情を思い出しながら、次のレースに向けて作戦を練ります。今、とてもいいポジションにいると思います」
コール・シーリー(6位)
「今日を振り返ってみると、首尾上々だったと言っていいと思います。予選からメインレースに至るまで、すべてが満足できるものでした。予選タイムは接戦でしたが、トップクラスの力が拮抗していることが表れていてよかったです。たった0.1秒遅れただけで、順位が大きく下がり、たいへんでしたが…。予選のタイムアタックで5位に入り、ヒートレースでもトップを走って勝てたのはよかったです。ケニー(ケン・ロクスン)もヒートレースで勝てましたので、2組ある予選のトップを分け合ったと言いますか、2人で独占したみたいなものでした。メインレースはとてもスムーズに進みました。スタートの出足は悪かったのですが、1周目に5台くらい抜いてばん回できました。なんとか6位に到達して最後までその位置をキープできました。終盤になってもそれほど疲れは感じませんでしたが、ここ3戦は不振続きでしたし、ようやくうまくまとまりそうな手応えを感じていましたので、あまり無理はしたくありませんでした。レース中は終始トップ6が同じようなペースで走っていて、リーダーを視界に捉えながら走るのは確かにいい気分でした」
エリック・キーホー(Team Honda HRC監督)
「チームは一丸となってスタート改善に取り組んできましたが、結果的に2人とも好スタートを決めてくれました。2組あるヒートレースでは、2人ともスタートから前に出て、各々の組でトップフィニッシュを果たしました。これは大事なことです。メインレースでは、ケニーが最終コーナーまでリードしていました。その差はつかず離れずという感じでしたが、最後にあのようなかたちで逆転されてがっかりしていることでしょう。それでも力強い走りだったし、なによりもチャンピオン争いを考えたときに冷静で安定していることが大事です。コールはヒートレースで勝って、メインでも非常に乗れていました。これまで見てきた中でも一番アグレッシブな走りでした。6番手まで浮上し、終始手堅いライディングを披露してくれました。今夜のヒートとメインレースは、来週に向けた大きな自信になるはずですし、我々もこの勢いを活かしたいと思います。チームスタッフも厳しい状況の中でがんばってくれました。チーム内ではすべてがうまくいっています」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | C.ウェブ | KTM | 21'23.962 |
2 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | +00.028 |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +10.784 |
4 | 4 | B.バゲット | KTM | +15.401 |
5 | 17 | J.サバッチー | カワサキ | +18.360 |
6 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +23.241 |
10 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | +41.282 |
15 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() | +1Lap |
18 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | C.ウェブ | KTM | 150 |
2 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 148 |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 144 |
4 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 134 |
5 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 110 |
6 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | 104 |
8 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 94 |
11 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 83 |
13 | 42 | ビンス・フリージー | ![]() | 65 |
19 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() | 36 |
22 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() | 23 |
23 | 27 | マルコム・スチュワート | ![]() | 17 |
31 | 941 | アンジェロ・ペレグリーニ | ![]() | 4 |
33 | 99 | オースティン・ポリテッリ | ![]() | 3 |