Round02グレンデール
2019年1月12日(土)・決勝
会場 : State Farm Stadium
MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSS/FIM世界選手権第2戦が、アリゾナ州フェニックス近郊のグレンデールにある、ステートファーム・スタジアムで行われました。会場は昨年までと同一ですが、ユニバーシティ・オブ・フェニックスに替わってステートファームが命名権を取得したため、このように呼称が変更されました。開幕戦アナハイムは雨中のレースでしたが、今大会は開閉式ルーフを備えた屋内スタジアムなので、コースコンディションに対する心配は皆無でした。
スーパークロスは、NFL(フットボール)とMLB(野球)のシーズンに挟まれた冬から春にかけて行われるため、自ずと序盤戦の開催地には西部の野球場が多く、中盤からは東部のフットボール場を主体とした日程が組まれています。ステートファーム・スタジアムのフロアは、片方のエンドゾーンが開放されていることもあって、長いストレートを生かしたレイアウトが可能。スターティンググリッドから1コーナーまでは100m以上の長さが確保されているので、ハイスピードなホールショット争いがシリーズ随一の見どころの一つとなります。
メインレースでは、ケン・ロクスン(Team Honda HRC)がホールショットを奪い、背後につけるジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)に対し、2秒強のリードを保っていました。ところが5周目に転倒したマルコム・スチュワート(Smartop/Bullfrog Spas/MotoConcepts Honda)を救護するため、レッドフラッグが提示されました。
およそ18分間の中断後、再スタートにはスタッガード方式が採用されました。レッドフラッグが振られる前の順位に基づき、トップだったロクスンを先頭にライダーが斜め一列に並ぶスタート方式ですが、それまでのライダー間隔はリセットされ、全車がテールトゥノーズの状態から走り出します。
再開後のレースは、残り時間13分25秒プラス1周で実施されました。接近戦に持ち込まれたロクスンは、7周目に転倒を喫し4番手まで後退。レースは終盤にアンダーソンを逆転したブレイク・バゲット(KTM)が優勝しました。
ロクスンは10周目にマービン・ムスキャン(KTM)を攻略し、ここで得たポジションを保って3位フィニッシュ。コール・シーリー(Team Honda HRC)は、スタート14番手、再スタート11番手からばん回し、9位でチェッカーを受けました。この結果、ロクスンはポイントランキング首位に浮上。2位のジャスティン・バーシア(ヤマハ)に対し、1ポイント差をつけています。シーリーはランキング11位につけています。
ケン・ロクスン(3位)
「今夜はいろいろなことで、てんてこまいだったけれど、結果的には明るい雰囲気で締め括ることができてよかったと思います。予選ヒートではうまく走れなくて、とても不利なグリッドになってしまったので、メインレースではとにかくスタートに集中していました。このまま終わるつもりはないという強い気持ちで、外側から思いきり飛び出してホールショットを取ったんです。スタートと同様にハイペースを維持できるように集中していたので、序盤に好タイムを記録できました。自分がリードしているときにレッドフラッグを出されるのは、だれだっておもしろいことではありません。とはいえライダーがケガすることは嫌ですし、マルコム・スチュワートのケガが軽傷であってほしいと思っています。再スタートのやり方については、当初はゲートから出るのかスタッガード式になるのか自分で判断できなかったのですが、リードしていた自分にとってスタッガード式になったことは不幸中の幸いでした。再スタートのグリーンフラッグが振られてからは、リードを保つために再度集中していました。ジェイソン・アンダーソンが仕掛けてきたときは、彼に倒されるかたちになりましたが、あれもレースの一部でしょう。あそこでイン側に飛び込んで来るとは思っていなかったし、その気配すら感じませんでした。できるだけ早く起き上がろうとしたんですが、エンジンが止まっていなかったので大きなロスはありませんでした。転倒後のポジションは4番手だと分かったので、表彰台を目指すことにしました。我々は正しい道を歩んでいます。まだシーズンは始まったばかりだし、この段階でポイントリーダーになることは悪いことではありませんが、昨年やおととしのようにシーズンの大半を欠場することがあってはいけません。現状にぬか喜びせずにアップダウンの差をなるべく少なくすることが大事だと思います」
コール・シーリー(9位)
「今日はポジティブな収穫がたくさんありました。とてもスムーズに乗れていた感じがします。予選ヒートではスピードもあり、スタートもうまく決まったのですが、メインレースではミスがあって出遅れました。後方から9位までばん回する際にはとても心地よく感じ、ほかのライダーを抜くたびに自信を深めました。この手応えがほしかったです。最初の何人かを抜いたときに自信が芽生え、ようやく戦う準備が整ったことを実感しました」
エリック・キーホー(Team Honda HRC監督)
「ケンはとてもいい走りによって事態を好転させました。今日はプラクティスの段階から不満があって、セッティングを気にしていたのです。予選ヒートでも苦労していたようでしたが答えを見つけ、メインレースでは本領を発揮しました。アウト寄りのゲートからものすごいスタートを決めて、とても力強い走りをみせていました。再スタートとその後の転倒に関しては、フラストレーションを感じるのが普通のことですが、それを耐えて平然としていたところに彼の成長を感じました。何事もなかったかのようにレースに戻り、表彰台をゲットしたのです。コールの成績はひとまず置いておいて、ライディングに関しては好感触を得られました。現状における弱点はスタートです。一度出遅れてしまうと、不利な位置から前にいる速いライダーを抜いていくことが難しくなります。予選ヒートでは2位に入りましたし、決勝でもいいラップタイムを記録したので、スピードは戻ってきています。これからも毎週向上していくはずですし、今回は前に進むための一歩だったと言えるでしょう」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 4 | B.バゲット | KTM | 19'40.152 |
2 | 1 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +05.847 |
3 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() |
+08.148 |
4 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +10.650 |
5 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +12.034 |
6 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | +12.844 |
7 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() |
+14.650 |
9 | 14 | コール・シーリー | ![]() |
+21.168 |
12 | 42 | ビンス・フリージー | ![]() |
+29.977 |
18 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() |
+1Lap |
19 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() |
+1Lap |
22 | 27 | マルコム・スチュワート | ![]() |
+14Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() |
44 |
2 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | 43 |
3 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 40 |
4 | 4 | B.バゲット | KTM | 37 |
5 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 34 |
6 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 33 |
10 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() |
28 |
11 | 14 | コール・シーリー | ![]() |
27 |
13 | 42 | ビンス・フリージー | ![]() |
21 |
15 | 27 | マルコム・スチュワート | ![]() |
17 |
17 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() |
11 |
18 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() |
9 |