Round09アトランタ
2018.03.03(土)・決勝
会場:Mercedes-Benz Stadium
Monster Energy AMA Supercross/FIM世界選手権第9戦が、アトランタで行われました。今大会には、第3戦アナハイム2に続いて決勝3レース制が導入されましたが、前回より時間が長くなり、450SXクラスはメインレース#1(10分+1周)、メインレース#2(12分+1周)、メインレース#3(15分+1周)と改正されました。シリーズポイントは、これらの順位を総合した決勝リザルトに対して付与されます。
会場のメルセデスベンツ・スタジアムは、老朽化によって取り壊されたジョージア・ドーム(1993年~2017年)の隣りに、昨年オープンしたばかりの多目的競技場です。アトランタラウンドは2012年にスーパークロスの最多観客動員(71,009人)を記録していますが、重要な拠点にふさわしい新スタジアムへの移転により、会場には例年を上回る高揚感が満ちていました。
Team Honda HRCは、ケン・ロクスンに続くコール・シーリーの負傷欠場を受け、クリスチャン・クレイグ(GEICO Honda)を代役として緊急招集しました。クレイグは今シーズン、250SX西部シリーズに参戦中なので、CRF450Rによるスポット出場は、当面今大会とデイトナでの翌戦に限定されたものになる予定です。
レース#1では、注目のクレイグが絶妙なスタートダッシュを決めて、ホールショットを獲得しました。その直後にはジャスティン・ブレイトン(SmarTop MotoConcepts Honda)が控え、CRF450Rによる1-2走行が展開されます。8周目にはブレイトンがトップに浮上し、僅差のまま逃げきりフィニッシュしました。一方クレイグは、テールトゥノーズで迫る数台の上位集団に飲み込まれ、6位でチェッカーを受けました。
レース#2では、スタートで他車に先行を許したため、ブレイトンは6位、クレイグは7位でフィニッシュ。両者は総合優勝をかけ、最終レースに臨むことになりました。
レース#3では、クレイグがブレイク・バゲット(KTM)と並んでホールショットを決め、早々とリーダーになりました。5周目からはマービン・ムスキャン(KTM)が先行し、クレイグは徐々にポジションを下げました。最終的に18周でチェッカーが振られ、クレイグは5位、ブレイトンは6位でゴールしました。
決勝3レースを総合したオーバーオールでは、ブレイトンが4位(1位/6位/6位)で19ポイント、クレイグは5位(6位/7位/5位)で18ポイントを獲得しました。
クリスチャン・クレイグ(6位/7位/5位 総合5位)
「誰かが負傷するところを見るのは、本当に辛いものです。それが自分の親友だったらなおさらです。コールは僕にとって兄弟のようであり、尊敬している人物でもあるので、今回のケガについてはとても残念に思っています。コールとはTLD Hondaでチームメートだった頃からの付き合いで、練習やトレーニングは一緒だったし、1週間のうちのほとんどの時間、行動を共にする間柄でした。だから今回はウエアメーカーのエイリアスに特注して、モトクロスパンツのヒップに『#14』というパッチを入れてもらったんです。カッコいいでしょう。コールを元気付けるプランはこれ以外にもあって、この後フロリダにある彼のセカンドハウスに押しかけて、しばらく滞在することになっているんです。今回はコールの代役として巡ってきた機会ですが、昨年450SXに出場したときよりもいい成績を残したいと思っていました。450に乗ったのは今週2日ほどでしたが、あまり先入観を持たずに取り組みました。特に高望みをしないかわりに、自分を信じて挑むしかない。その気持ちは、終日好調だった走りに表れていたと思います。予選ではまずまずのタイムを出せたし、夜の決勝レースにも自信を持って臨むことができました。メンタル面を磨いてきたので、その成果を見せるときが来たのです。トリプルクラウンという決勝3レース制は、アナハイム2の250SXでポディアムに立ったこともあったし、自分に向いているようなので気に入っています。レース#1とレース#3では、何周もリーダーとして先頭を走りました。450SXのトップライダーたちの前を走るなんて、予習できるようなものではないし、本番で体験しながら学ぶしかありません。今夜学んだことを積み上げて、来週のデイトナに前向きに臨みたい。今回の5位は450SXでの自己ベストなので、うれしいことは確かですが、その半面もっと上位を狙いたいと思っています」
エリック・キーホー|Team Honda HRC監督
「クリスチャンがとても才能あるライダーだということは周知の事実ですが、今夜のパフォーマンスは全員の期待を上回るものでした。突然の招集に応じてマシンを乗り換え、2日ほど450をテストしただけでこの活躍ですから大したものです。ホールショットを2度ゲットして、その2レースではずっとトップを走りました。デイトナではもっと好成績を挙げるため、この後もマシンセッティングを詰めていきます」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 11'30.287 |
2 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +01.569 |
3 | 4 | B.バゲット | KTM | +02.531 |
4 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +03.877 |
5 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +08.156 |
6 | 32 | クリスチャン・クレイグ | ![]() | +11.613 |
17 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
21 | 907 | ベン・ラメイ | ![]() | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 13'17.390 |
2 | 2 | C.ウェブ | ヤマハ | +00.401 |
3 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +03.822 |
4 | 4 | B.バゲット | KTM | +09.495 |
5 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +17.727 |
6 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | +23.104 |
7 | 32 | クリスチャン・クレイグ | ![]() | +27.200 |
20 | 907 | ベン・ラメイ | ![]() | +2Laps |
22 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | DNS |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 15'57.599 |
2 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +03.048 |
3 | 2 | C.ウェブ | ヤマハ | +17.292 |
4 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +21.734 |
5 | 32 | クリスチャン・クレイグ | ![]() | +22.769 |
6 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | +24.309 |
17 | 907 | ベン・ラメイ | ![]() | +2Laps |
22 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | DNS |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 207 |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 165 |
3 | 4 | B.バゲット | KTM | 150 |
4 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 144 |
5 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 137 |
6 | 34 | W.パイク | スズキ | 136 |
8 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 124 |
11 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 102 |
15 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | 81 |
19 | 907 | ベン・ラメイ | ![]() | 42 |
21 | 6 | ジェレミー・マーティン | ![]() | 36 |
25 | 32 | クリスチャン・クレイグ | ![]() | 18 |
28 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | 12 |
34 | 12 | ジェイコブ・ワイマー | ![]() | 5 |
36 | 981 | オースティン・ポリテッリ | ![]() | 4 |