Round05オークランド
2018.02.03(土)・決勝
会場:Oakland-Alameda County Coliseum
Monster Energy AMA Supercross/FIM世界選手権第5戦が、オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアムで開催されました。スーパークロスは通常、18時30分からオープニングセレモニーが始まるナイターで行われますが、今大会は昨年同様、デイレースとして行われ、15時30分開始~19時終了というタイムスケジュールが採用されました。
この変更により朝9時から始まったプラクティスセッションでは、1回目の計時予選でコール・シーリー(Team Honda HRC)が52秒808のベストラップを記録。2回目の51秒947を含めた総合では、4番手の好位置につけました。一方、チームメートのケン・ロクスンは、新しいリアショックをテストしていたこともあって冷静に走り、53秒397を記録して14番手でセッションを終えました。この段階で明らかとなっていたのはわだちの多さで、このソフトな路面が決勝レースの行方を左右することになりました。
20分+1周のメインレースではシーリーがホールショットを奪い、2番手には同じく好スタートを切ったロクスンが続き、Honda勢が早々に1-2態勢を築きます。予選もトップでチェッカーを受けたシーリーは、今季初優勝を期待させるライディングを披露。2台のCRF450Rは、1秒前後の間隔をキープしながら、徐々に後続を引き離していきました。
レース中盤までは順調にラップを消化していた2台ですが、シーリーが12周目に転倒を喫し、トップの座をロクスンに譲ります。ここで2番手に浮上してきたのが、ジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)。終盤になると両者の距離は接近し、ロクスンが連続ジャンプでリズムを崩した隙に、アンダーソンが前に出ました。ロクスンはすぐにトップを奪い返しましたが、最終ラップのリズムセクションをミスした際に再度先行を許し、2位でレースをフィニッシュしました。
今大会は惜しくも勝利を逃したロクスンですが、いくつかのミスは荒れた路面によるもので、転倒に至らなかったことは幸いでした。また、ロクスンとシーリーそれぞれがグループをリードする快走を披露しており、Honda勢による1-2フィニッシュの可能性が見えてきた好レースだったと言えるでしょう。
ケン・ロクスン(2位)
「すごいレースでした。みんなでこんなに努力してきてほぼ掌中に収めかけた勝利だったのに、最後の半周で逃してしまったことが残念でなりません。とは言え、チャンピオン争いにおいて好位置につけているので、今日はいいレースでした。常に前進しているし、あと一歩というところまで近づきました。メインレースではスタートも決まったし、コールの背後をぴったりとマークしていました。彼はすごく乗れていたのですが、たった一度のミスで僕がリーダーになりました。そこから先はあまり興奮せず、無理に攻めたりしないように心掛けました。なぜなら、コースコンディションがどんどん悪化すると読んでいたからです。特にあのタイトなジャンプが連続するリズムセクションでは、ミスをしてしまう危険性があったので、辛抱強く走っていました。周回遅れの存在や路面状況の影響で、実際にあわや転倒ということが何度かありましたが、レースの大半においてクリーンに乗れたと思います。それにしても最後の何周かは、ものすごいことになりましたね。ジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)に抜かれたシーンは、正直に言うと視野が狭くなっていたようで覚えていないのですが、最後の最後まで大接戦だったことは確かです。本当に心の底から勝ちたかったけれど、トップを走れたことに手応えを感じています。これから何レースもあることだし、あとはこの差を詰めていくだけです」
コール・シーリー(6位)
「とてもがっかりしています。ただ腹立たしく残念な半面、進化を示すことができた今回のレースに満足しています。僕は朝方人間ではないので、普段よりも早く会場入りするのがたいへんでしたが、まあそれもアウトドアモトクロスの朝みたいなものだし、タイムスケジュールがそのまま前倒しになるだけなので大丈夫でした。レースが早く終わるので、帰りの飛行機に間に合うことは、このスケジュールのメリットですね。今日は終日乗れていて、ヒートレースに続いてメインレースでもホールショットを取りました。序盤はベストラップを出しながら、ハイペースを維持したもののケニー(ロクスン)を振り切ることはできませんでした。彼には終始プレッシャーをかけられていたのです。中盤になると周回遅れの中にレースラインを譲らないライダーが現れたので、一度も試したことがないライン取りを強いられたのですが、それで大きなミスをしてしまい、トップの座だけでなくポディウムの可能性まで逃したのです。転倒後4番手で再スタートしたのですが、リズムを取り戻すまでに時間がかかり、6位までポジションを失いました。それもこれもレースの一部だし、各々が同じ条件に直面していることは確かですが、周遅れのライダーにレースの行方が左右されてしまうのは残念なことです。前を走れる自信があったので、今日は本当に勝ちたかったです」
エリック・キーホー | Team Honda HRC監督
「本当にエキサイティングな一日でした。コールはがっかりしているでしょうし、ケンもつかみかけた優勝を逃したことに腹を立てているでしょうが、彼らは今回のレースで十分に進化を示してくれました。ケンはプラクティス中に感じていたセッティングの迷いを完全に断ち切ったし、私が気に入っている彼の炎のような闘志は、あの走りの原動力となるものです。コールはメインレースの半分をリードしましたが、きっと彼の自信となるはずです。どうすれば勝てるかということを知っていますし、実際に勝利は目前でした。ただコースが荒れて難しくなり、たった一度のミスが高くついただけです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 21'05.313 |
2 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | +00.839 |
3 | 4 | B.バゲット | KTM | +08.832 |
4 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +14.448 |
5 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | +18.791 |
6 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +22.728 |
9 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | +51.991 |
15 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
19 | 907 | ベン・ラメイ | ![]() | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 115 |
2 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 100 |
3 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | 98 |
4 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 87 |
5 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 82 |
6 | 34 | W.パイク | スズキ | 82 |
13 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | 43 |
15 | 6 | ジェレミー・マーティン | ![]() | 36 |
21 | 907 | ベン・ラメイ | ![]() | 19 |
27 | 12 | ジェイコブ・ワイマー | ![]() | 5 |
28 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | 5 |
30 | 981 | オースティン・ポリテッリ | ![]() | 1 |