Round04グレンデール
2018.01.27(土)・決勝
会場:University of Phoenix Stadium
Monster Energy AMA Supercross/FIM世界選手権第4戦が、アリゾナ州フェニックス近郊のグレンデールにある、ユニバーシティ・オブ・フェニックス・スタジアムで行われました。天然芝のフィールドを搬出入する開口部がエンドゾーンにあるため、観客席がU字型に配置されているこのフットボール用スタジアムには、スタートから1コーナーまで100メートル以上あるストレートなど、フロア面積を生かしたハイスピードなコースが造成されました。
昨シーズン第3戦で負傷したケン・ロクスン(Team Honda HRC)にとっては、このスタジアムで走るのは2年ぶりのことですが、そのときのフェニックス戦では2016年度初優勝を飾っており、相性のいいラウンドと言えるでしょう。僚友のコール・シーリーとしても、前戦アナハイムでポディウム2位に登壇しており、高いモチベーションを抱いて今大会に臨んでいます。
前戦で実施された決勝3レース制から、通常のフォーマットに戻された今回は、昼間に行われた計時予選でトップ40台が通過。タイムアタックの結果は、2位ロクスン55秒793、3位シーリー55秒952、4位ジャスティン・ブレイトン(Smartop Motoconcepts Honda)55秒955と、CRF450Rが上位を占めることになりました。
20分+1周のメインレースでは、長いストレートにおける加速を生かしたロクスンが、オープニングラップ5番手につけました。トップグループの激しいバトルの中で、ロクスンはジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)、ウェストン・パイク(スズキ)をかわし、7周目には3番手に浮上します。レース終盤になると、イーライ・トーマック(カワサキ)、ジャスティン・バーシア(ヤマハ)を追い詰めましたが逆転には至らず、ロクスンは3位でフィニッシュしました。
一方シーリーは、予選ヒート2で6位という不利なグリッド順だったこともあり、スタートで15番手と出遅れてしまいましたが、後方集団の中から追い上げを開始しました。7周目にはトップ10内に入り、その後56秒台のベストラップを記録します。レース後半になると7番手まで浮上し、セカンドグループ内でさらなるポジションアップの可能性もありましたが、終盤20周目のミスがきっかけでペースを落とし、12位でチェッカーを受けました。
この結果、ロクスンはポイントランキング3位に浮上。首位アンダーソンとは12点差、2位バーシアとは3点差の位置につけています。
ケン・ロクスン(3位)
「今夜は3位ポディウムに復帰できたので、最高です。予選ヒートレースの経過はよかったのですが、もっとスタートを向上させる必要がありました。体調もよく、スピードもあったので、あとは序盤のうちにできるだけ前に出ることだけでした。メインレースでは6番手スタートから仕掛けて、3番手まで浮上。順調にラップを重ねて、ジャスティン(バーシア)に迫ったのですが、残念ながら時間が足りませんでした。全体的には、今夜のレースに満足しています。もちろん勝ちたかったことは確かですが、低調に終わった先週の結果を踏まえれば、こうして堅実に走りきることが大事だったからです。おかげでとても自信がつきました。今回のコースレイアウトは、先週と比べてはるかによかったので、好レースになったと思います。本来のフープスやビッグジャンプがあり、飛び方やライン取りの選択肢がたくさんあったからです。長いストレートでは、4速までシフトアップしました。チームスタッフは毎週がんばっていますし、僕としても今のポジションを楽しんでいます。ここからさらに上を目指していきたいと思っています」
コール・シーリー(12位)
「とてもがっかりしています。スタートのグリッド順があまりよくなかったし、どういうわけか、メタルプラットフォームにブーツが引っかかってしまったことも、メインレースのスタートで大失敗した一因です。そこから少しばん回したのですが、サンドセクションの出口で前転しそうになり、それで乱れてしまいました。フィジカル的に疲れはなかったんですが、メンタル的に巻き返すことができなかったんです。集中力を欠いてしまい、前半のようなハイペースで走るのは難しいことでした」
エリック・キーホー | Team Honda HRC監督
「表彰台にカムバックしたケンを見て、とても興奮しました。先週の精神的ダメージを乗り越え、このように復活できたことは非常に大きな自信となるでしょう。彼は終日とても乗れていたし、メインレースの終盤まで強さを維持していました。何度かミスをしたことは本人も分かっていますが、それで勢いを削がれることなく攻め続けました。ケンは以前よりも忍耐強くなりましたね。一方コールにとっては、ついていない日だったようです。今日はスタートの悪さがすべてでした。予選ヒートレースでは、すばらしい攻めで決勝進出ラインまで追い上げましたが、後方集団では混乱してぶつかり合ったりするものなので、できるだけ避けたいものです。メインレースの終盤では、身体がハンドルバーを乗り越えそうになり、あわや前転という状況に陥り、そこから先はペースが落ちてしまいました。彼に必要なのは、そんな状況でのメンタルタフネスだと思います。なにか困難に直面したときには、すぐに抜け出して元のスムーズなペースを取り戻すことです。まだシーズン序盤ですしポイントも僅差のままなので、じっくりと時間をかけてばん回します」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 21'48.476 |
2 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | +02.127 |
3 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | +03.623 |
4 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +15.355 |
5 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +17.822 |
6 | 34 | W.パイク | スズキ | +23.822 |
7 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | +24.825 |
12 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +39.189 |
14 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | +1'03.136 |
18 | 12 | ジェイコブ・ワイマー | ![]() | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 89 |
2 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | 80 |
3 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 77 |
4 | 34 | W.パイク | スズキ | 71 |
5 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 70 |
6 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 68 |
13 | 6 | ジェレミー・マーティン | ![]() | 36 |
14 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | 35 |
19 | 907 | ベン・ラメイ | ![]() | 15 |
26 | 12 | ジェイコブ・ワイマー | ![]() | 5 |
27 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | 5 |
30 | 981 | オースティン・ポリテッリ | ![]() | 1 |