AMA 2018 | 総集編

2018シーズンは、Team Honda HRCにとって再び試練の年に

2018年のAMA スーパークロスは、セミファイナルの廃止、決勝3レース制の導入(第3戦、第9戦、第14戦のみ)、付与されるポイントの見直しなど、大きな改革がなされた。Team Honda HRCは、ドイツ人ライダーのケン・ロクスン、米国カリフォルニア出身のコール・シーリーにCRF450RをベースとしたAMA仕様のワークスマシンを託し、シーズンに臨んだ。

開幕戦は、例年通りカリフォルニア州のエンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムで迎える。昨年ケガによって戦線を離脱していたロクスンにとっては、約1年ぶりの復帰戦。レース後に「久しぶりの実戦で緊張していた」と語っていたが、計時予選でポール、決勝では中盤にミスがあったものの4位と、長い間レースを離れていたライダーとは思えない走りで会場を沸かした。

第2戦でロクスンは早くも表彰台にカムバックを果たす。予選でシーリーとともに1-2フィニッシュを果たすと、決勝でもトップ争いを披露して2位でゴール。続く第3戦はシリーズ初の決勝3レースが行われた。この注目が集まった大会で、今度はシーリーが躍動する。3レースを1位/2位/7位でまとめて総合2位。表彰台に登壇してみせた。

第4戦・5戦でもロクスンが表彰台を獲得するなど、Team Honda HRCは転倒や負傷が多いと言われているシーズン序盤としては十分満足のいく結果を残し、チームの雰囲気はポジティブなものだった。

しかし、第6戦サンディエゴでTeam Honda HRCに悲劇が訪れる。決勝レースでシーリーが好スタートを切る一方、ロクスンは転倒で後れを取っていた。その遅れを取り戻そうとしていた3周目、再び転倒しリタイア。右手の甲の骨折、じん帯にもダメージを負い、今シーズンはこの大会が最後の出走となった。

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ロクスンを欠いたTeam Honda HRCは単独参戦となったが、第7戦を終えた時点でシーリーは接戦となっているランキング争いで2位につける。しかし、第8戦でシーリーもシーズンから離脱することになる。予選でジャンプの着地に失敗。手術が必要なほどのケガを負い、長期回復期間が必要となった。

その後、Team Honda HRCはレギュラーライダー不在の穴を埋めるため、250SX西部シリーズに参戦していたクリスチャン・クレイグを緊急招集する。グレイグはわずかな準備期間で450ccマシンに順応した。レースでもホールショットを奪いトップ争いをみせるなど、優れた才能をアピール。3大会で自己ベストとなる4位入賞を果たした。

また、Smartop MotoConcepts Hondaのジャスティン・ブレイトンがCRF450Rを駆り、シーズンを通して高いパフォーマンスをみせた。第10戦デイトナではシーズン初優勝を決めるなど毎戦ポイントを積み重ねていき、最終的なポイントランキングでは、Hondaマシンを駆るライダーでは最上位となる5位につけた。

- POINTS -

順位 ライダー マシン 総合
1J.アンダーソンハスクバーナ356
2M.ムスキャンKTM347
3E.トーマックカワサキ318
4B.バゲットKTM285
5ジャスティン・ブレイトンHonda275
6W.パイクスズキ251
12ビンス・フリージーHonda168
16クリスチャン・クレイグHonda134
順位 ライダー マシン 総合
17コール・シーリーHonda124
18ケン・ロクスンHonda102
21ベン・ラメイHonda71
24ジェレミー・マーティンHonda36
29アダム・エンティクナップHonda19
31オースティン・ポリテッリHonda18
42ジェイコブ・ワイマーHonda5
45カーレン・ガードナーHonda5