ROUND 12
デトロイト
Ford Field
2017.03.25(土)・決勝
MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSでは、コースデザインの際に開催地にちなんだセクションを採用することで、ラウンドごとに特徴を持たせています。前戦インディアナポリスではショートスタートが定着していましたが、今回のデトロイトも、当地ならではのユニークなコース設定となりました。
デトロイトの定番は、観客席の一部を利用して設けたアップダウンです。郊外のポンティアック・シルバードームで開催されていた頃(1976~2005年)の名物セクションで、スタンドをまっすぐに駆け上がり、ヘアピンで折り返すのが基本型でした。
会場がダウンタウンにあるフォード・フィールドに移された今でも、このレガシーが踏襲されています。昨年から観客席に設ける部分を半径の大きなコーナーにアレンジし、タラデガ・スーパースピードウェイのバンクを思わせるデザインになりました。今年はこの「タラデガ」を1コーナーに設定し、角度のついたホールショット争いが見ものになる予定でしたが、1周目だけは観客席の手前でショートカットするように変更されました。
これまでスタートを課題としていたコール・シーリー(Team Honda HRC)ですが、予選ヒートでは見事なホールショットを決めてトップに立つと、そのままチェッカーフラッグまで独走。セミファイナルやラストチャンスを経ることなく、決勝行きの切符をゲットしました。カリフォルニア出身のシーリーにとっては、今回の硬質路面のコースがライディングスタイルによくマッチしていて、加速時のトラクションのかけ方に長所が表れていました。
メインレースでもホールショットが期待されたシーリーは、スターティングゲート中央にあるボックスの内側にグリッドを定めました。右隣のライダーが遠いことや、1コーナーへの進入角度を考えると、最もイン側のグリッドよりもさらに有利な位置でした。好スタートを切ったシーリーでしたが、1コーナーで追突され、不運にも多重クラッシュに巻き込まれてしまいます。
再スタートしたシーリーは、17番手からキャッチアップを開始。10周目には10番手までばん回しましたが、その後のペースアップはなりませんでした。上位のイーライ・トーマック(カワサキ)、マービン・ムスキャン(KTM)、ライアン・ダンジー(KTM)という顔ぶれは前戦同様。シーリーは10位でチェッカーを受けました。
コール・シーリー(10位)
「今日はずっと乗れていただけに、この結果にはがっかりしています。コースレイアウトはとてもシンプルで、スムーズに走れたので気に入っていました。これまでのどのラウンドよりもハイスピードな設定で、いいレースになるはずでした。プラクティスでは8番手でしたが、トップから0.4秒差のタイムだったので、手応えは十分ありました。予選ヒートレースではスタートから飛び出して、らくにトップでフィニッシュしました。それほどミスもなかったし、レースを完ぺきに掌握できていたと思います。ところが残念なことに、メインレースでは1コーナーで追突され、転倒してしまいました。自分としてはどうにもならないクラッシュでした。マシンを起こして20番手辺りから追い上げるのは、とてもたいへんなことです。10番手までポジションをばん回したときには、まるで無人地帯にいるようでした。前との間隔が開きすぎており、さらにペース上げて追い詰めることができませんでした。本当にがっかりしています。今日は好成績を残せそうな手応えを感じていただけに、残念でなりません」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「コールの状態は先週よりもはるかによかったです。終始熱心な走りで、これまで見たことがないほどの激しさがありました。プラクティスの段階からいつもよりコースを攻めていたし、予選ヒートレースではホールショットを取り、ハイペースを維持して、トップ通過を果たしました。メインレースのスタートであのような不運に見舞われなければ、コールはもっといい成績を残せていたでしょう。ただ、レース後半にペースが落ちて、そこから巻き返せなかったようなので、最後まで集中力を切らさないようにアドバイスしていきたいと思います」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「1コーナーでの転倒がなければ、コールのリザルトは全く違ったものになっていたと思うので、この結果にはとてもがっかりしています。後ろにいただれかが連鎖の発端になり、コールは複数のマシンに押し倒されました。すぐに立ち上がったんですが、ほぼ最後尾という状況でした。追い上げる途中で何度かミスもありましたが、ペースがあまりよくなかったので、ばん回も10位止まりでした。とても受け入れ難い成績ですが、少しでもポイントを加算できたことがせめてもの救いです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 21'25.745 |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +08.459 |
3 | 1 | R.ダンジー | KTM | +10.324 |
4 | 4 | B.バゲット | KTM | +12.361 |
5 | 18 | D.ミルサップス | KTM | +15.016 |
6 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +26.399 |
7 | 20 | B.ティックル | スズキ | +29.577 |
8 | 33 | J.グラント | カワサキ | +31.472 |
9 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | +33.192 |
10 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +46.623 |
14 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | +1Lap |
16 | 61 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
19 | 11 | カイル・チゾム | ![]() | +2Laps |
20 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 254 | |
2 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 247 | |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 207 | |
4 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 196 | |
5 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 170 | |
6 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 152 | |
7 | 4 | B.バゲット | KTM | 149 | |
8 | 22 | C.リード | ヤマハ | 131 | |
9 | 20 | B.ティックル | スズキ | 130 | |
10 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 127 | |
12 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 95 | |
15 | 61 | ビンス・フリージー | ![]() | 66 | |
17 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | 59 | |
19 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 51 | |
23 | 6 | ジェレミー・マーティン | ![]() | 22 | |
28 | 11 | カイル・チゾム | ![]() | 9 | |
30 | 80 | カデ・クラソン | ![]() | 6 | |
31 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | 5 | |
34 | 40 | フレデリック・ノレン | ![]() | 2 |