ROUND 11
インディアナポリス
Lucas Oil Stadium
2017.03.18(土)・決勝
MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSシリーズ第11戦に臨むコール・シーリー(Team Honda HRC)は、通常よりも早く現地に入りました。レース前日の金曜午後は、インディアナポリスのルーカス・オイル・スタジアムで、プレスカンファレンスとデモンストレーション走行に参加し、このスタジアムとの縁の深さを語っていました。
「インディにはいい思い出がたくさんあります。初めて450に乗ったのがここ(2011年第10戦/9位)だったし、初めてトップ5をゲットしたのもここ(2012年第11戦/5位)、そして初ポディウムもここ(2014年第9戦/3位)でした」
このリザルトは当時250SXウエストにTroy Lee Designs Hondaから参戦していたシーリーが、450SXにTeam Hondaでスポット出場した際のものですが、15年にファクトリーライダー(Team Honda HRC)になった後も、インディアポリスでは2位と好結果を残しています。
「ただ、インディにはやり残したことがあって…。そう、優勝あるのみです」とシーリーは今大会への思いを語りました。
前戦デイトナでは、スポット参戦したジェレミー・マーティン(Geico Honda)が2位入賞と、Hondaファンを喜ばせてくれましたが、このインディアナポリスからは、シーリーがまた孤軍奮闘しなければなりません。相性のよさをアドバンテージとして、今季初優勝を目指したシーリーでしたが、今回のテーマはスタートの成否にありました。
インディアナポリスは、スタート地点から1コーナーまでのストレートを短く設定したレイアウトが多用される伝統がありますが、これは「ショートスタート」を得意としていた地元インディアナ出身ライダーのマイク・ラロッコ(現Geico Honda監督)に対するオマージュだと言われています。
ショートスタートではライダーがあまり散らばらないため、1コーナーにおけるアクシデント発生率が高くなりがちですが、シーリーは難なくすり抜けてヒート1を2番手でフィニッシュ。メインレースではオープニングラップ8番手から追い上げを開始しました。7周目には5番手までポジションアップし、さらに上位を狙いましたが、徐々に荒れる路面や周回遅れの出現によってハイペースを維持できなくなりました。
1周46~47秒台という短めのコース設定だったため、20分+1周のメインレースは今季最多の27周になりました。イーライ・トーマック(カワサキ)、マービン・ムスキャン(KTM)、ライアン・ダンジー(KTM)、ブレイク・バゲット(KTM)の順にチェッカー。後半になると単独走行を続けたシーリーは、5位でフィニッシュとなりました。
コール・シーリー(5位)
「ものすごくフラストレーションを感じています。また5位ですから。決して悪くないリザルトだということは確かですが、なんだか5位の上に壁があって、突き破れないような感じです。常に攻め続けているんですが、なかなか前に進めない現実があります。ポディウムに立ちたいし、それだけの速さがあることは分かっているので、あとはすべてをうまくかみ合わせるだけなんです。スタートで前に出られないと、その後の展開が苦しくなりますが、今回のメインレースではまさにそうなってしまいました。早めのパッシングができず、5番手まで上がったときには前の4人は遠くまで逃げていました。マシンの調子は最高なので、もう一度自分を磨き、来週のデトロイトでがんばりたいです」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「我々の目標は毎戦でポディウムに登壇することですが、最近はあと少しのところで届いていません。コールにそのスピードがあることは確かなので、あと少しが難しいところなんです。今日はタイムアタックが12番手と低調でしたが、予選ヒートではスタートが決まったこともあり乗れていたと思います。ただメインレースでは同じような好スタートが切れず、5位で終わってしまいました。デイトナからインディアナポリスにかけて、コールはテストやプレス対応でてんてこまいでしたが、この週明けからは通常のルーティンに戻れるので、しっかり集中して巻き返してくれることでしょう」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「みんながもどかしい思いを抱えています。なぜならなにが足りないのかよく分からないからです。コールが勝ちたがっていることは分かるし、勝てる実力があることも分かっています。マシンに対してはなんの不満もないのに、4位や5位から抜け出せない。スタートがうまく決まらないと、イライラしてミスが出て、早めに前に出られなくなるのが悪いパターンです。今回はヒートレースが2番手だったのでゲートピックも悪くなかったんですが、どうやら倒れるタイミングがいつもよりも遅かったようです。呼吸が合わずにゲートが倒れる前に動きだして、一瞬止まってしまったことが出遅れた原因です」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 21'26.086 |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +05.850 |
3 | 1 | R.ダンジー | KTM | +11.491 |
4 | 4 | B.バゲット | KTM | +29.504 |
5 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +37.775 |
6 | 18 | D.ミルサップス | KTM | +40.449 |
7 | 22 | C.リード | ヤマハ | +41.735 |
8 | 20 | B.ティックル | スズキ | +42.889 |
9 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +1Lap |
10 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | +1Lap |
12 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | +1Lap |
17 | 61 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
19 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +2Laps |
20 | 11 | カイル・チゾム | ![]() | +3Laps |
22 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | +4Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 234 | |
2 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 222 | |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 185 | |
4 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 185 | |
5 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 155 | |
6 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 136 | |
7 | 4 | B.バゲット | KTM | 131 | |
8 | 22 | C.リード | ヤマハ | 130 | |
9 | 20 | B.ティックル | スズキ | 116 | |
10 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 115 | |
12 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 88 | |
15 | 61 | ビンス・フリージー | ![]() | 61 | |
16 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | 58 | |
19 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 51 | |
23 | 6 | ジェレミー・マーティン | ![]() | 22 | |
28 | 11 | カイル・チゾム | ![]() | 7 | |
30 | 80 | カデ・クラソン | ![]() | 6 | |
31 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | 5 | |
34 | 40 | フレデリック・ノレン | ![]() | 2 |