ROUND 09
トロント
Rogers Centre
2017.03.04(土)・決勝
カナダ・トロントにおける今大会は、MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSシリーズの中で、唯一アメリカ国外で行われるラウンドです。2004年に初開催されたときは、トロントとバンクーバーにはAMAのタイトルが掛けられていませんでしたが、08年より全戦が統一されAMAスーパークロス世界選手権(FIM世界選手権シリーズの一つ)となり、今日に至っています。
トロントは国境を隔てたバッファローや、大都市のデトロイトからもファンが訪れる重要なラウンドです。ロジャース・センター(旧称:スカイドーム)は、スーパークロスが行われる会場の中ではフロア面積が広い方で、観客席とのスペースに余裕を持たせながらも、ラップタイムが1分ほどの長めのコース設定になりました。
この大会でコール・シーリー(Team Honda HRC)は、ヒートレースで転倒したため7番手にとどまり、セミファイナル3番手を経てメインレースに進出しましたが、グリッドがアウト寄りの不利なポジションになったため、最高のスタートを切ることができませんでした。1、2コーナーが左右に切り返す複合型だったこともあり、混戦をうまくすり抜けたシーリーでしたが、1周目7番手からのレースになりました。
シーリーの前には今大会好調のチャド・リード(ヤマハ)、後ろにはポイントリーダーのライアン・ダンジー(KTM)という激戦の中でプッシュしましたが、セカンドグループから抜け出すことができず、シーリーは6位でフィニッシュしました。ポイントランキングは4位を維持しています。
次週デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる、Daytona Supercross By Hondaには、ケン・ロクスンの空席を埋めるため、Team Honda HRCが用意したファクトリーマシン「CRF450R」を駆りジェレミー・マーティンがスポット出場します。14、15年AMAモトクロス250チャンピオンのタイトルを持つマーティンは、今季はGeico Hondaのエースとして250SXウエストに参戦していますが、現在はイーストシリーズの開催期間で待機中だったこともあり、450SXの補強メンバーとして抜てきされました。
同様の選手起用は過去にも例があり、当時250SXウエストにTroy Lee Designs Hondaから参戦していたシーリーが、イースト地区でファクトリーライド(Team Honda)を得て、450SXに臨時出場(11、12、14年)したことがあります。ベストリザルトは14年インディアナポリスでの3位でした。
デイトナに追加招集されることになったマーティンは、短時間のテストでCRF450Rに好印象を抱き、着々と参戦準備を進めています。シリーズの中で唯一Hondaがタイトルスポンサーとなっているデイトナは、スーパークロス発祥の聖地として特別な威厳を持つ大会。シーリーとマーティンには、揃ってのポディウム登壇が期待されます。
コール・シーリー(6位)
「今夜の結果についてはハッピーではありませんが、とことんアンハッピーでもありません。うれしくないけれど、仕方がないという感じです。メインレースまでの道のりがセミファイナル経由だったため、ゲートピックの順番が不利になってしまい、思ったようなスタートを決めることができませんでした。1コーナーではたぶん10番手ぐらいだったはず。序盤は上手く乗れていたんですが、ミスもありました。2ヶ所あるフープスの短い方の出口で、ちょっと気が動転してバランスを崩し、次のコーナーでライアン・ダンジー(KTM)に突っ込んでしまったんです。転倒は免れましたが、そんなことがあってからは、堅実に無理のないペースで走るように心がけました。コースはあちこちで形が崩れて、とてもいやらしい荒れ方をしていました。終盤にブレイク・バゲット(KTM)が転倒した時、彼を抜いてポジションをもう1つ上げたかったんですが、時間が足りませんでした」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「今回の成り行きには少々がっかりしていますが、結果的に6位というのはそれほど悪くありません。我々の課題はコールのスタートをもっと改善して、毎戦ポディウムに立てるように集中することです。彼は依然としてポイントランキング4位にいて、3位にも近づいています。シリーズはまだ後半戦が残っていますし、挽回できると考えています」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「またしても厳しいレースになりました。コールは一日中悩んでいましたが、2本目のプラクティスでそこそこのタイムを出せたので、ヒートレースのゲートはいいところを選択できました。ところが今シーズンは、スタートの失敗が足を引っ張る傾向があるようで、そこが課題だと思っています。月曜日には1時間ぶっ通しでスタート練習をするつもりです。意地悪だと思われているかもしれませんが、スタート練習の後は私のことが今以上に嫌いになっているでしょう。過去のことは気にせず、シーズンの残りをポジティブに考えていきたいですね」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 21'42.314 |
2 | 1 | R.ダンジー | KTM | +14.264 |
3 | 20 | B.ティックル | スズキ | +16.111 |
4 | 22 | C.リード | ヤマハ | +17.836 |
5 | 4 | B.バゲット | KTM | +28.445 |
6 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +34.075 |
7 | 18 | D.ミルサップス | KTM | +40.621 |
8 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | +47.861 |
9 | 51 | J.バーシア | ヤマハ | +52.418 |
10 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | +55.036 |
16 | 61 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
17 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +1Lap |
18 | 11 | カイル・チゾム | ![]() | +1Lap |
22 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | +3Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 196 | |
2 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 172 | |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 157 | |
4 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 153 | |
5 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 123 | |
6 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 112 | |
7 | 22 | C.リード | ヤマハ | 101 | |
8 | 4 | B.バゲット | KTM | 99 | |
9 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 97 | |
10 | 20 | B.ティックル | スズキ | 96 | |
13 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 67 | |
15 | 61 | ビンス・フリージー | ![]() | 55 | |
16 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 51 | |
19 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | 45 | |
28 | 80 | カデ・クラソン | ![]() | 6 | |
29 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | 4 | |
31 | 11 | カイル・チゾム | ![]() | 3 | |
33 | 40 | フレデリック・ノレン | ![]() | 2 |