ROUND 08
アトランタ Georgia Dome 2017.02.25(土)・決勝
前週の第7戦ミネアポリスでは、MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSが、オープン間もないUSバンク・スタジアムで初めて開催されましたが、対照的に、今回のアトランタではジョージア・ドームでのラストレースが行われました。アトランタオリンピックの会場として建設されたこの屋内競技場は、それから四半世紀の間に老朽化が進み、来年からは隣地に新設されたスタジアムに開催場所が移るからです。
ジョージア・ドームには、スーパークロスの観客動員最多記録(7万1009人/2012年)があり、おととしは2週連続でレースが開催されるほどの盛況ぶりでした。最後の開催となった今年は、金曜日~月曜日までを「モトフェスト」と銘打った複合イベントとし、アリーナクロスやライディングスクールが併催されました。
アトランタは興行面のみならずシリーズにおける戦略的にも重要な大会で、ここでの成否がチャンピオン争いの行方を左右するとまで言われてきました。ちなみにHondaのレジェンドライダーの一人であるジェフ・スタントンは、1989年2月25日にアトランタ(フルトン・カウンティ・スタジアム)で手にした初勝利をきっかけにスターダムを駆け上がり、同年のチャンピオンシップを獲得しました。
そうした要所であるアトランタで、ポディウムへの復帰を目指したコール・シーリー(Team Honda HRC)ですが、メインレースでは1周目6番手からキャッチアップを開始。4周目には3番手に浮上し、前を走るライアン・ダンジー(KTM)、ブレイク・バゲット(KTM)を射程内に捉えました。
しかしレース中盤に差しかかると、イーライ・トーマック(カワサキ)らの先行を許してしまいます。コースについては路面が荒れに荒れ、土の下からコンクリートのフロアが露出している部分が出てきました。それもあってか、ペースが乱れたシーリーは、途中に喫した転倒の影響もあって、6位でチェッカーを受けました。シーリーは現在、ポイントランキング4位をキープしています。
コール・シーリー(6位)
「今日は全く思ったようになりませんでした。終日スピードがあったし、競り合って勝てそうな感触もあったので、6位という結果は理想から程遠いものです。ヒートレースでいいラインを見つけたので、メインレースにはとても自信がありました。スタートはまあまあでしたが、2コーナーでだれかに強烈なTボーンアタック(コーナリング中に相手の側面に向かって、Tの字にアタックすること)を受けたことが響きました。ハンドルかレバーが僕の上腕に食い込んで、ものすごく痛かったんです。最初の数ラップはアドレナリンのおかげなのか、痛みに耐えながら追い上げられましたが、その後はミスを何度かするようになって、6位まで後退してしまいました。だからとてもがっかりしています。コースは確かにあちこちで崩れていて、特に1コーナーとサンドセクションの手前の右コーナーでは、下のコンクリートまで土が掘れていました。どちらもレースで多用するラインでしたが、それにしてもどうして1コーナーであんなに土が少ないのか不可解でしたね。来週は原点に戻って、いろいろなことを見つめ直さないといけないと思います。マシンはとても快調なので、自分自身の問題です。スピードがあることは分かっているので、あとは落ち着いて力を発揮するだけです。まだシーズンは途中ですから、ばん回する時間はたっぷりあります」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「我々にとってツキのない日でしたが、この6位が今季のワーストリザルトだと考えると、それほど悪くはありません。コールは予選のときから速さを示してくれたし、ヒートレースでも彼のラップタイムは変わらなかったので、そのペースをキープできると分かっていました。メインレースではもがき苦しんでいましたが、そんな状況に陥らないように、毎週どうやって取り組んだらいいのか考えないといけませんね」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「正直に言いますが、今夜はコールも私もハッピーじゃありません。またスタートに失敗しましたが、こういう荒れたコースコンディションで競り合いも激しいレースでは、絶対にスタートを決めなければなりません。それがかなわなかったということは、序盤からハンディを背負うことになります。初めは乗れていましたが、ポジションを上げることに躍起になりすぎて疲れてしまったんじゃないでしょうか」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 21'13.858 |
2 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +01.509 |
3 | 4 | B.バゲット | KTM | +06.213 |
4 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +12.216 |
5 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +14.730 |
6 | 14 | コール・シーリー | +35.239 | |
7 | 22 | C.リード | ヤマハ | +37.528 |
8 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | +43.043 | |
9 | 33 | J.グラント | カワサキ | +45.638 |
10 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | +46.527 |
12 | 800 | マイク・アレッシ | +54.066 | |
13 | 61 | ビンス・フリージー | +57.695 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 174 | |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 149 | |
3 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 147 | |
4 | 14 | コール・シーリー | 138 | ||
5 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 121 | |
6 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 98 | |
7 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 84 | |
8 | 22 | C.リード | ヤマハ | 83 | |
9 | 4 | B.バゲット | KTM | 83 | |
10 | 20 | B.ティックル | スズキ | 76 | |
13 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | 56 | ||
15 | 94 | ケン・ロクスン | 51 | ||
16 | 61 | ビンス・フリージー | 50 | ||
18 | 800 | マイク・アレッシ | 41 | ||
28 | 80 | カデ・クラソン | 6 | ||
30 | 722 | アダム・エンティクナップ | 3 | ||
31 | 40 | フレデリック・ノレン | 2 |