ROUND 07
ミネアポリス
U.S. Bank Stadium
2017.02.18(土)・決勝
MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSがミネアポリスを訪れるのは、2013年以来4年ぶりのこと。このブランク中に、長年親しまれたHHHメトロドームが解体され、同じ敷地にUSバンク・スタジアムが新設されました。16年にオープンしたばかりの新スタジアムは、最新鋭の透明な屋根に覆われた密閉式ドームです。
ミネアポリスは伝統的にHondaが強いラウンドで、過去13大会のうち、6勝(1994~96年ジェレミー・マクグラス、2002~03年リッキー・カーマイケル、04年ケビン・ウインダム)という記録を誇っています。HHHメトロドームは、ミネアポリス市長を経てアメリカ副大統領になった、ヒューバート・H・ハンフリーの名を冠したものですが、90年代のパドックでは、Hondaの3連勝(94~96年)を象徴するイニシャルだと言われていました。
前戦アーリントンで2位入賞を果たし、ランキング3位と好調を維持しているコール・シーリー(Team Honda HRC)は、今大会でもプラクティスから意欲的でした。タイムアタックは1秒の中に十数人がひしめく接戦になりましたが、シーリーは48秒227で4番手をゲット。ヒート1では1周目の2コーナーで転倒し、セミファイナル経由での決勝進出となりました。
メインレースではゲート選びが不利だったにもかかわらず、シーリーは見事にホールショットを決めトップに躍り出ました。今季初優勝を匂わせる展開でしたが、オープニングラップ半ばのコーナーでスリップダウン。この単独転倒により、シーリーは10番手まで後退してしまいました。
レースは3周目からリーダーとなったイーライ・トーマック(カワサキ)が優勝。終盤にライアン・ダンジー(KTM)をかわしたマービン・ムスキャン(KTM)が2位になりました。
シーリーは5周目に6番手、11周目には5番手に浮上しましたが、そこから先のポジションアップには苦戦しました。短めだったコースレイアウトが災いし、周回遅れのライダーに引っかかったことと、次第に荒れてきた路面がその原因です。
土質は表面が硬くて滑りやすいところと、簡単にわだちが掘れるところがあり、一部では土の下に敷き詰められた合板が露出していました。またフープスなどではギャップの角が尖って、横跳ねしやすい状況になったため、シーリーのペースは50~51秒台にとどまりました。
過酷な状況下で追い続けた末、20分+1周のメインレースを5位で走り終えたシーリーは、現時点でランキング4位。首位のダンジーに対するビハインドは26点となっています。
コール・シーリー(5位)
「今日は苦戦しましたね。プラクティスはもとより、ヒート、セミファイナル、メインレースに至るまで、ずっと波に乗れずもがいていました。タイムドプラクティスでは4番手でしたが、自分の感触よりははるかにいい結果でした。予選ヒートでは2コーナーでマービン・ムスキャン(KTM)と絡んで転倒。起き上がってからはセミファイナルのゲートピックを有利にするため、ひたすらポジションをばん回しました。セミファイナルに出走しなければなりませんでしたが、その中でもよかった点を挙げるとしたら、コースを学習するチャンスが増えて、路面の荒れ方などを確認できたことでした。メインレースのゲートピックは11番目だったので、トランスポーターの中で作戦を練り、だいたいどのあたりなのか分かっていたつもりです。実際はボックスから3つ外側で、思ったよりもアウト寄りでした。しかし、そんな不利なゲートからホールショットを獲れたから、作戦は大当たりでヘルメットの中で、燃えに燃えていました。冴えなかった一日を好スタート一発でひっくり返せるなんて、うれしくてたまりませんでした。ところが運悪く、1周目に転倒してしまったのです。再スタート後は、10番手あたりでしたが、そこから素早くパスして、レースの中間地点付近では5番手までばん回しました。今日一日のなりゆきや不調、乗り越えなければならなかった困難を思うと、5位というリザルトは悪くないものです。今回ネガティブだったことを反省しつつ、ポジティブな面を吸収していきたいと思います」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「我々は依然として表彰台を目指しているので、今夜の成績には満足できません。コールは小さなミスを繰り返すなど調子が悪かったようで、彼本来のライディングができていませんでした。我々はその理由を分析して突き止めなければなりません。そんな中でも明るい材料はありました。3回スタートして、2回ホールショットを決めたこと、つまりトップに立てる能力はあるのです。転倒後のコールは、うまく乗れていたと思います。毎周いいタイムを出していたし、先頭グループに迫っていました。5番手に浮上した後は、そこから先が遠すぎました。またしても5位ですが、ひとまずこの結果を受け入れて、トップ争いを目指しましょう」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「今日はただ単に乗れていない日だったような気がします。コールはライバルと戦う以前に、コースや自分自身を相手にもがいていたような気がします。よかった点はセミファイナルとメインの両方で、好スタートが決まったことです。そして転倒後の追い上げで5位までばん回できたことも、ポジティブな要素でした。彼にスピードがあることは確かなので、あとは序盤でアグレッシブな走りを切らさないことだけですね」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 21'28.116 |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +06.701 |
3 | 1 | R.ダンジー | KTM | +15.047 |
4 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +40.954 |
5 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +44.347 |
6 | 18 | D.ミルサップス | KTM | +51.058 |
7 | 20 | B.ティックル | スズキ | +1Lap |
8 | 41 | T.カナード | KTM | +1Lap |
9 | 4 | B.バゲット | KTM | +1Lap |
10 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +1Lap |
15 | 61 | ビンス・フリージー | ![]() | +2Laps |
19 | 80 | カデ・クラソン | ![]() | +3Laps |
22 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | +4Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 149 | |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 133 | |
3 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 125 | |
4 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 123 | |
5 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 103 | |
6 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 98 | |
7 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 73 | |
8 | 2 | C.ウェブ | ヤマハ | 71 | |
9 | 22 | C.リード | ヤマハ | 69 | |
10 | 20 | B.ティックル | スズキ | 69 | |
14 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 51 | |
15 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 43 | |
16 | 61 | ビンス・フリージー | ![]() | 42 | |
20 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | 32 | |
27 | 80 | カデ・クラソン | ![]() | 6 | |
30 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | 3 | |
31 | 40 | フレデリック・ノレン | ![]() | 2 |