ROUND 06
アーリントン AT&T Stadium 2017.02.11(土)・決勝
MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSの第6戦アーリントンで、CRF450Rを駆るコール・シーリー(Team Honda HRC)が2位フィニッシュし、今シーズンの自己ベストリザルトを更新しました。アメリカ西海岸を中心にラウンドしてきたシリーズ序盤の第3戦アナハイムで、シーリーは3位に入賞しましたが、今回は2度目のポディウム登壇となります。
第6戦が行われたAT&Tスタジアムは、テキサス州アーリントンにある多目的ドームで、NFLチームであるダラス・カウボーイズのホームゲームが行われる巨大な施設です。付近一帯は野球とフットボールでにぎわうエリアとなっており、テキサス・レンジャーズの本拠地球場、グローブライフ・パーク・イン・アーリントンに隣接しています。
シーリーは250SX時代はウエストに参戦していたので、おととしまでイースト地区に分類されていたAT&Tスタジアムでのレース経験は、あまり豊富ではありません。それでも450SX初優勝を遂げた場所が、同じテキサス州のヒューストン(2015年第14戦)だったこともあり、今大会にはポジティブなイメージで臨めたようです。
ジャンプが数多く並んだタイトなコースを得意とし、BMXで磨いたテクニックでリズミカルに走破するのがシーリーの身上ですが、今回のレイアウトは直線距離が短いスイッチバックが多く、2年前に優勝したヒューストンのコースに似ていました。
前戦オークランドと同様にデイレースとして行われたため、450SXのメインレースは午後6時30分にスタートしました。ゲートから1コーナーまでが短い、トリッキーなレイアウトでしたが、シーリーは好スタートを決めて2番手につけました。ところが2コーナーのホールショットラインで転倒者が出たため、1周目でレッドフラッグが振られました。
やり直しとなったスタートでは、6~7番手となったシーリーでしたが、オープニングの混戦をすり抜けて4番手につけ、8周目には2番手まで浮上しました。リーダーのマービン・ムスキャン(KTM)は、6~7秒ほど先行しており、シーリーのペースはムスキャンとほぼ同タイムの49~50秒台で、この差を劇的に詰めるまでには至りませんでした。
粘土質の路面は比較的ハードで、踏み固められて滑りやすくなったスポットや、フープスにできたギャップが難所になりました。シーリーはリスクを負ってムスキャンを追いかけましたが、最終的に首位と5秒差の2位でフィニッシュラインを通過しました。シリーズの3分の1を消化した時点のポイントで、3位にランクアップしたシーリーは、首位のライアン・ダンジー(KTM)に22点差と迫っています。
コール・シーリー(2位)
「今日のレースは、ミスをどうやってやりくりしたかということに尽きます。だれもがあちこちでミスをしていたと思いますが、毎周その頻度を減らしたり、悪影響がないようにマネジメントしたりが大事でした。コースはとても荒れていて、特にメインレースのころになると路面が氷のように滑りやすくなり、さまざまな場所でトラブルやクラッシュが発生しました。重要なのはとにかく冷静でいることでした。コースが荒れて難易度が上がったことに加え、ラップタイムが短いために20分プラス1周がとても長く感じました。2位というリザルトはうれしいし、これらの表彰台を当然のこととは考えてはいません。だからこの結果をかみしめて楽しむつもりですが、もちろん優勝を目指してがんばりたいと思います」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「今回の2位には非常に満足しています。コールは終日乗れていましたが、特にメインレースでの走りがすばらしかったと思います。最初のスタートではゲートの動きに対して見事な反応で飛び出し2番手でした。残念ながら赤旗が振られたので、リスタートの際に彼がどうやって対応するのか心配になりました。再スタートではそれほど出足がよくありませんでしたが、3コーナーでは4番手まで上がりました。彼がどうやってそこまですり抜けたのか確かではないので、その点はビデオでチェックしてみないと分かりません。今日の走りで最もよかった点は、1周目がとてもアグレッシブだったことです。特にスタート直後の1個目のリズムセクションでは、1~2台かわしてポジションを上げていました。コールに必要なのはそういった積極的な走りを続けることです。なぜなら、首位とポイント差が接近してきましたし、我々は依然としてチャンピオン争いをしているのですから」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「とてもすばらしいレースでしたし、コールが表彰台の上に戻ってきたことに興奮しています。コースに出るたびにマシンセッティングを微調整しました。特に前後サスペンションのアジャストは念入りに行いました。あれこれと迷っていたわけではなく、一つの方向性でセッティングを詰めた結果、今回の成績につながりました。コールもマシンの動きにはとても満足していました。スタートで2番手だったのに、レッドフラッグが振られたのは不運な出来事でしたが、再スタート時にも集中を切らさずに早めに上位に抜け出せました。レース終盤になって周回遅れの選手が現れると、コールはミスをするようになり、1回だけトリプルを飛べないことがありました。それがきっかけでジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)の接近を許しましたが、そこでイライラしたり弱気になったりせず、最後まで集中できたことがよかったと思います。コールには毎戦ポディウムに立てる能力があります。本当はそれ以上のポテンシャルがあるんです。あとは優勝を目指して戦い続けるだけです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 21'24.324 |
2 | 14 | コール・シーリー | +05.332 | |
3 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +09.449 |
4 | 1 | R.ダンジー | KTM | +16.327 |
5 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | +23.512 |
6 | 20 | B.ティックル | スズキ | +33.881 |
7 | 12 | J.ワイマー | スズキ | +41.866 |
8 | 18 | D.ミルサップス | KTM | +43.853 |
9 | 19 | J.ボーグル | スズキ | +1Lap |
10 | 47 | T.ハーン | ヤマハ | +1Lap |
12 | 61 | ビンス・フリージー | +1Lap | |
13 | 800 | マイク・アレッシ | +1Lap | |
21 | 80 | カデ・クラソン | +21Laps | |
22 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | DNS |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 129 | |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 111 | |
3 | 14 | コール・シーリー | 107 | ||
4 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 100 | |
5 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 85 | |
6 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 83 | |
7 | 2 | C.ウェブ | ヤマハ | 71 | |
8 | 22 | C.リード | ヤマハ | 64 | |
9 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 64 | |
10 | 20 | B.ティックル | スズキ | 55 | |
11 | 94 | ケン・ロクスン | 51 | ||
15 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | 43 | ||
17 | 61 | ビンス・フリージー | 36 | ||
20 | 800 | マイク・アレッシ | 21 | ||
27 | 80 | カデ・クラソン | 4 | ||
29 | 40 | フレデリック・ノレン | 2 | ||
30 | 722 | アダム・エンティクナップ | 2 |