ROUND 05
オークランドO.Co Coliseum2017.02.04(土)・決勝
MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSの第5戦の会場は、オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム。Hondaにとっては、2015年、トレイ・カナード(450SX/Team Honda HRC)とマルコム・スチュワート(250SX/GEICO Honda)が、アベック優勝を飾った験のいい場所です。
今回はHondaがプレスデイの担当だったため(全チームが出席する開幕戦以降は、各チームが持ち回りで受け持つ)、コール・シーリー(Team Honda HRC)は通常よりも早く現地入り。木曜日と金曜日の2日にわたってサンフランシスコ・ベイエリアのテレビ番組に出演し、シーリーは目前に迫ったレースの開催をアピールしました。
近年は各地で新しいスタジアムの建設ラッシュとなっていますが、このオークランドとエンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムは例外で、どちらも1966年のオープン以来、リニューアル工事を経て存続してきました。現在、スーパークロスが行われるスタジアムの中では最古の歴史を誇っていますが、掘り下げ式のフィールドや、屋根がない構造など、雨に弱い球場であることは否定できません。
今大会も降雨の影響を受け、カリフォルニアで開催された4戦はすべてウエットな路面との戦いになりました。また、今季はナイトレースからデイレースへの移行が試されていて、通常であれば午後6時30分から始まるセレモニーが、オークランドでは午後3時30分から開始となっています。
ウエットだったコースは乾燥剤の散布などでかなり回復しましたが、全体的にソフトな路面になりました。特にコーナー、ジャンプ、フープスなどには深いわだちやギャップが発生し、今シーズン序盤戦の中では最も難しいコンディションがライダーたちを苦しめました。
20分+1周のメインレースでは、ビンス・フリージー(Honda)がホールショットを獲得。シーリーは、オープニングラップを5番手でクリアしました。レース序盤、CRF450Rを駆るシーリーは3番手までポジションを上げ、ポディウム登壇を視野に入れました。ところが中盤、異物をかみ込んだリアブレーキが効かなくなり、ハイペースを維持できず、タイムは3周目にマークしたベストラップの59秒771から1分03秒台に落ちてしまいます。
後半になると、イーライ・トーマック(カワサキ)、ジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)らに先行されたシーリーは、5番手を単独走行。レースは終盤にライアン・ダンジー(KTM)をかわしたトーマックが優勝し、5位でチェッカーを受けたシーリーは、ランキング3位から1点ビハインドの4位につけています。
コール・シーリー(5位)
「プレスデイは今までで一番の忙しさで、とても疲れました。テレビ局のスタジオでインタビューを2本こなしたのですが、舞台裏などを見ることができたし結構いい感じでした。最初のインタビューは録画だったので、コメントをかんだらやり直せたのですが、もう一方は生番組だったので緊張しました。通常のプレスデイだったら、スタジアムで走りを撮影するため、僕たちにはコースを予習できるメリットがあるのですが、今回に限っては雨で走行がキャンセルされたので、その点ではちょっと痛かったですね。プレスデイを担当する週は、移動日も含めて練習やトレーニングを犠牲にしなければならないので、コンディションを維持するのがたいへんなんです。オークランドは近いので、水曜日まで練習をしてから移動し、木曜日と金曜日にはコンディションを維持するために近くのジムへ行きました。今回はユニークなデイレースでしたが、早起きしなければならなかったことと、雨でフリープラクティスがキャンセルされたことを除けば、スケジュールはふだんと同じようなものでした。早く始まって早く終わったという点ではアウトドアモトクロスのレース日みたいで、実際スタジアムと空港が近かったこともあって、レース後に宿泊せず飛行機で帰れたことはよかったですね。今日はゲート選びが難しかったです。今回は出てすぐの路面が荒れていたので、それを考慮する必要がありました。メカニックのリッチ(シモンズ)と相談して、ボックスの外側のゲートを選びました。とてもいいラインがあるように思えたのが理由です。好スタートが決まって5番手になり、そこから3番手までポジションを上げたのですが、ちょうどそのあたりでリアブレーキが効かなくなってしまいました。メカニカルなトラブルではなく、コース上に落ちていたテープかバナーみたいな物を巻き込んでしまったようです。ジェイソン・アンダーソンをパスしようとしたときにブレーキが効かなくて、彼に突っ込むかたちになってしまいました。そこから先はリアブレーキを使わない走り方を考えました。コーナーの進入スピードを遅めにして、フロントブレーキを強くかけたりして走っていたところ、ラッキーなことに最後の2周ぐらいからリアの効きが回復しました。そのままでもハードなコースだったので、ブレーキなしで走るのはすごくたいへんでした。来週はなんとか練習量を増やして、表彰台を狙うつもりです」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「総合的なリザルトにはがっかりしていますが、状況を加味してみるとトップ5に入れたことに満足しています。難しいコースコンディションに対応するため、チーム全員が団結してマシンを用意してくれたことがうれしいです。マシンに対するアジャストは効果的でしたし、コールも喜んでいました。彼は出走するたびに調子を上げていましたが、メインレースではコース上のなにかをリアブレーキにかみ込んでしまいました。それに加えてブレーキペダルにもかなり泥が詰まっていたので、メインレースの中盤辺りからはブレーキなしで走ることになりました。いずれにしても起きてしまったことは受け入れて、次のラウンドに向けてがんばります」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「コールの走りの内容は、5位というリザルトよりも上だったと思いますが、トータル的にはいいレースでした。ヒートレースでもスタートよく飛び出し、セミファイナルに回らず直接メインレースに進出でき、すべてが順調でした。ただメインでは不運なことに、リアブレーキキャリパーにテープのような物を巻き込んでしまいました。それでもリアブレーキなしで後半を乗りきり、5位でフィニッシュしたことは上出来と言えるでしょう。たらればかもしれませんが、今日のコールはトップに向かって追い上げていたし、イーライ・トーマックに抜かれていたことは確かだとしても、トラブルがなければ表彰台をゲットしていたはずです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 21'22.411 |
2 | 1 | R.ダンジー | KTM | +10.206 |
3 | 2 | C.ウェブ | ヤマハ | +20.794 |
4 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +28.839 |
5 | 14 | コール・シーリー | +31.861 | |
6 | 18 | D.ミルサップス | KTM | +37.184 |
7 | 4 | B.バゲット | KTM | +39.849 |
8 | 22 | C.リード | ヤマハ | +47.810 |
9 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +56.549 |
10 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | +59.806 |
12 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | +1Lap | |
14 | 61 | ビンス・フリージー | +1Lap | |
15 | 800 | マイク・アレッシ | +1Lap | |
19 | 80 | カデ・クラソン | +3Laps | |
20 | 722 | アダム・エンティクナップ | +3Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 111 | |
2 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 94 | |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 86 | |
4 | 14 | コール・シーリー | 85 | ||
5 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 70 | |
6 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 65 | |
7 | 2 | C.ウェブ | ヤマハ | 64 | |
8 | 22 | C.リード | ヤマハ | 62 | |
9 | 94 | ケン・ロクスン | 51 | ||
10 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 48 | |
13 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | 42 | ||
17 | 61 | ビンス・フリージー | 27 | ||
20 | 800 | マイク・アレッシ | 13 | ||
26 | 80 | カデ・クラソン | 3 | ||
27 | 40 | フレデリック・ノレン | 2 | ||
28 | 722 | アダム・エンティクナップ | 2 |