ROUND 03
アナハイム 2
Angel Stadium
2017.01.21(土)・決勝
開幕から悪天候に見舞われてきた、MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSS。ウイークデイに雨が降り、レースが行われる土曜だけ晴れるパターンが続きましたが、第3戦アナハイム 2も同じような巡り合わせになりました。
コース整備に時間を割いたため、通常であれば正午にスタートするプラクティスは、午後2時からにスケジュールが変更され、走行時間も大幅にカットされました。
ビニールシートで守られていたコースは、乾燥剤を用いた整備の成果もあって、マディコンディションには至らなかったものの、ジャンプの谷間やボウルターンの低地などにはウエットな部分が残っていました。午後7時からのレース(ヒート、セミ、ラストチャンス)が進行すると、そのようなソフトな部分にはギャップができて、非常に難しい路面状況となりました。
20分+1周のメインレースでは、コール・シーリー(Team Honda HRC)がスタート4番手から3周目には2番手に浮上。一方、ケン・ロクスン(Team Honda HRC)は、1コーナーへの進入時の15番手から、5周目には3番手までポジションを上げ、2台のCRF450Rがトップのライアン・ダンジー(KTM)を追うかたちになりました。
しかし、シーリーとロクスンの間隔が徐々に詰まり、チームメート同士のバトルが激しくなってきた矢先、10周目の連続ジャンプでロクスンが転倒。アルパインスターズ救護班が駆けつけて処置を行う間、赤十字フラッグ提示区間では徐行が強いられました。
シーリーは12周目にマシンをストールさせましたが、この一瞬のすきにマービン・ムスキャン(KTM)が先行。レース終盤になるとダンジー、ムスキャン、シーリーの間隔がやや開き、このままのオーダーでチェッカーとなりました。3位に入ったシーリーは、今シーズン初となる表彰台、450SXクラスにおける自身10度目となるポディウムへの登壇を果たしました。
開幕当初はライディングに硬さがみられたシーリーですが、徐々に本来のリラックスした走りができるようになりました。今回のベストラップタイムは、ロクスンの56.259秒でしたが、シーリーもそれに次ぐ56.368秒を叩き出し、CRF450Rのスピードを披露していました。
なお、レース半ばで転倒リタイアとなったロクスンは、左前腕(とう骨)の複雑骨折およびヒジと手首の脱きゅうと診断されました。ロクスンは主治医による手術を受けるため、スタジアム近くの病院からコロラドに移動しました。しばらく戦列を離れることになり、カムバックのスケジュールについては、現時点では未定です。
コール・シーリー(3位)
「表彰台をゲットするのは、いつだってうれしいことです。残念なことにレースの途中でミスがあり、エンジンをストールさせたことで2番手のポジションは譲ってしまいましたが、それでも3位に入れました。本当は3位ではなく、もっとプッシュしてトップのライアン・ダンジーに狙いを定めたかったんですが、それでも今回の結果には満足しています。開幕からの2戦と比べると、すべてが上向きになってきています。これもチームスタッフによるサポートのおかげです」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「今夜は異なる感情が入り交じった複雑な気持ちです。コールの走りはとてもすばらしかったし、彼の成績を誇りに思います。先週お話ししたように、コールは開幕からの2レースで本来の実力を発揮できていませんでした。今回、ようやく好スタートが決まり、スピードを出しきってポディウムに立てたので、まずは一安心です。ただ彼にはもっと期待しています。表彰台の常連になって、何勝かを挙げてもらいたいと思っています。彼にその実力があることは明らかですから。一方、ケン(ロクスン)のアクシデントについては、チーム全員が落胆しています。こういうこともモトクロスの一部ではあるものの、一瞬で状況が一変してしまうつらい側面です。あんなにひどいクラッシュだったわりに、ダメージがミニマムにとどまったことは不幸中の幸いでした。Honda関係者全員が彼の回復とカムバックを祈っています。どんなにつらいことがあっても、それを乗り越えることでもっと強くなれるものです。こんなことで足踏みしているわけにはいきません」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「振り返ってみると、コールにとって非常にいい大会でした。ヒートレースでもメインレースでもスタートがうまく決まりました。それは、このところ毎戦のように課題として取り組んできたことでした。彼はとても乗れていたし、ライアン・ダンジーを少しずつ追い詰めてもいました。ただその後、リアブレーキを強く踏みすぎて、エンジンをストールさせてしまったのが残念です。それでも2番手から3番手に落ちただけで、ポディウムをゲットできたのでラッキーです。とても大きな成果でしたし、前進し続けていることに喜びを感じています」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 21'14.021 |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +02.725 |
3 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +10.218 |
4 | 2 | C.ウェブ | ヤマハ | +13.807 |
5 | 32 | W.パイク | スズキ | +15.296 |
6 | 33 | J.グラント | カワサキ | +16.017 |
7 | 22 | C.リード | ヤマハ | +17.950 |
8 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +30.526 |
9 | 18 | D.ミルサップス | KTM | +31.825 |
10 | 4 | B.バゲット | KTM | +32.576 |
13 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | +54.490 |
16 | 61 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
21 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | +2Laps |
22 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | +13Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 69 | |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 62 | |
3 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 51 | |
4 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 51 | |
5 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 44 | |
6 | 32 | W.パイク | スズキ | 43 | |
7 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 39 | |
8 | 33 | J.グラント | カワサキ | 37 | |
9 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 36 | |
10 | 2 | C.ウェブ | ヤマハ | 36 | |
17 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 18 | |
18 | 61 | ビンス・フリージー | ![]() | 15 | |
24 | 40 | フレデリック・ノレン | ![]() | 2 | |
26 | 722 | アダム・エンティクナップ | ![]() | 1 | |
27 | 80 | カデ・クラソン | ![]() | 1 | |
28 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | 1 |