ROUND 01
アナハイム 1 Angel Stadium 2017.01.07(土)・決勝
ニューモデルの投入やライダーの移籍などで、2017年シーズンのTeam Honda HRCに対する期待が高まる中、MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSが開幕しました。
今シーズンのキックオフの会場も、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊にあるエンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム。この球場でスーパークロスが行われるのは、今大会が69回目、そのうち27回が開幕戦という実績があるため、キックオフの聖地とされています。
今シーズンのTeam Honda HRCは、コール・シーリーと、新加入したケン・ロクスンの2名体制。フルモデルチェンジした2017年型CRF450Rをベースにしたマシンで参戦しています。両車ともエレクトリックスターターを装備し、キックを取り外した仕様です。
今年からレギュレーションが見直され、従来の20周から20分+1周(450SX)に変更されたメインレースでは、ロクスンがホールショットから圧倒的な独走態勢を築いてフィニッシュ。2位のライアン・ダンジー(KTM)に対して16秒もの大差をつけて、今季初勝利を挙げました。チームメートのシーリーは、1周目の8番手からポジションを上げ、5周目からは5番手を走行。最終的には6位でチェッカーフラッグを受けました。
この時期のカリフォルニアは天気が崩れることがままあり、降雨の影響で木曜日に予定されていたプレスデイの走行がキャンセルに。土曜日のレースデイも午前中に雨が降ったため、コースを覆っていたビニールシートの撤去や路面の補修に時間が費やされ、日中に行われる公式練習のタイムスケジュールが変更されました。
ライダーはフリープラクティスなしで、いきなりタイムドプラクティス(10分×2回)に臨むことになり、場所によって土質が異なる路面を探りながらアタック。総合予選では、シーリーが3番手(1分2秒334)、ロクスンが5番手(1分2秒428)につけていました。
メインレースのロクスンは、スタートの速さが光りました。なかでも1コーナーで並んだマービン・ムスキャン(KTM)に対してイン側を取り、リーダーの座を奪取した走りは、まさに2017年型CRF450Rのコンセプトである“アブソルートホールショット”を具現化するものでした。好スタートを実現できるエンジンとトラクション性能、そして有利なインにやすやすと飛び込める車体。ニューマシンの長所を聖地アナハイムの開幕戦で実証できたことは、Team Honda HRCにとってこの上ない収穫でした。
ケン・ロクスン(優勝)
「今夜は最高でした。すべてが思い通りに運んで、これ以上は望みようのない成果をこの地に刻めたことはなによりの喜びです。ただし、浮かれてはいません。ご覧のようにとても冷静です。昨年までの自分を見つめ直した結果、今年は勝つたびに大喜びしたりせず、1戦ずつ地道に積み重ねていこうと決めたからです。もちろん、この喜びをかみしめることも大事ですが、せいぜい今夜と明日まででいいでしょう。もっと先を見据えて勝ち続けるためには、追いつかれないよう、次のレースに集中しなければなりません。でも今のところは、とっても楽しいですよ。チームスタッフはみんなベストを尽くして努力しているし、僕を喜ばせてくれることが完備されているので」
コール・シーリー(6位)
「今大会を振り返ってみると、それほど悪くなかったと思っています。ものすごい緊張感と戦いながらも、とてもいいリザルトで開幕戦をクリアできたのですから。自分にとってふさわしいポジションはどの辺りなのかと聞かれたら、たぶんトップ6だと答えるでしょうね。今夜はまさに自分が6位でしたが、そこから上はみんな別格の速さでした。今後も彼らとの戦いが最終戦まで続くことでしょう。プレッシャーの話に戻りますが、昼間のタイムドプラクティスを走っているときは、意外とリラックスしていたんです。タイムアタックしたら一時は3番手の時間帯もあったのですが、もともと予選でいいタイムを出すことはあまりないので、とても珍しいことでした。ナイトプログラムでは、ヒートレースで4位に入り、セミファイナルをスキップして決勝に進めたのでホッとしたん。そのあとどういうわけか、メインレースの直前になって緊張が押し寄せてきたのです。10月にラスベガスで開催されたモンスターカップを除けば、これほどのフルメンバーとレースをするのは5月の最終戦以来のことです。そのせいかは分かりませんが、メインレースでは走りが硬くなってしまいました。レース中盤、ジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)に抜かれてからは、少し身体がほぐれたようです。終盤はイーライ・トーマックに追いつき、もう少しで抜けそうだったんですが、時間切れでしたね」
中本修平 | HRC
「新型CRF450Rが開幕戦で勝利を収めるところを目の当たりにできて、非常に大きな喜びを実感しています。これほどの短期間でマシンを仕上げてくれた、開発チームと現地のレースチームに対し、心より感謝の意を表したいです。特に我々の拠点である熊本では、このマシンの開発中に地震の影響を受けたものですから、喜びはひとしおです。今回はケン・ロクスンの走りに感銘を受けました。彼は全レースのスタートからフィニッシュまで完ぺきに支配していましたし、必要であればもっと攻められそうな、余裕を残しているように見えました。シーリーも粘り強く、最後まであきらめずに走っていましたね。ラウンドが進むにつれて、彼のリザルトは向上すると確信しました。非常に重要な開幕戦での優勝でしたが、我々はここで満足していてはいけません。HRCはレースチームに対するサポートを強化しつつ、チャンピオンシップを目指してベストを尽くしてまいります」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「とてもハッピーです。ケンは終日とても乗れていたし、メインレースでは主導権を完全に握りました。ニューシーズンの幕開けとしては、正しい方向性で最高のスタートを切れたと思います。ただ、コールに関してはちょっと残念でした。夜になってからナーバスになり、彼本来の実力を発揮できなかったようです。それでも総合的に見れば、2人ともスピードがありましたし、特にスタートのよさが目立っていましたね。今大会を通していくつか学んだことがありましたが、2人とも好調だったこともあって、マシンに加えた変更点はほんの小さなことだけでした」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 94 | ケン・ロクスン | 21'08.409 | |
2 | 1 | R.ダンジー | KTM | +16.200 |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +17.598 |
4 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +25.990 |
5 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +28.869 |
6 | 14 | コール・シーリー | +30.386 | |
7 | 18 | D.ミルサップス | KTM | +41.678 |
8 | 32 | W.パイク | ヤマハ | +47.657 |
9 | 33 | J.グラント | カワサキ | +50.626 |
10 | 2 | C.ウェブ | ヤマハ | +57.229 |
15 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | +1Lap | |
17 | 61 | ビンス・フリージー | +1Lap | |
21 | 800 | マイク・アレッシ | +10Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 94 | ケン・ロクスン | 25 | |
2 | 1 | R.ダンジー | KTM | 22 |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 20 |
4 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 18 |
5 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 16 |
6 | 14 | コール・シーリー | 15 | |
7 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 14 |
8 | 32 | W.パイク | ヤマハ | 13 |
9 | 33 | J.グラント | カワサキ | 12 |
10 | 2 | C.ウェブ | ヤマハ | 11 |
15 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | 6 | |
17 | 61 | ビンス・フリージー | 4 | |
21 | 800 | マイク・アレッシ | 1 |