MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSの第12戦は、4月2日(土)にカリフォルニア州サンタクララのリーバイス・スタジアムで開催されました。イースター休暇のインターバルを挟んで再開したシリーズ第12戦。終盤戦に向け万全の準備を整え臨むはずのTeam Honda HRCでしたが、事前の練習中に負傷したコール・シーリーは今大会を欠場することになり、トレイ・カナードのみ参戦となりました。
サンタクララ大会の2日前、シーリーは南カリフォルニアのマイルストーンMXコースでの練習中に激しい転倒に見舞われ、第7頸椎が欠けるケガを負いました。そのため今大会を欠場することになりましたが、シーリーのケガの具合はそれほど致命的なものではなく、2〜4週間の静養で復帰できると期待されています。
レース開始前の夕刻、カナードはGEICO Hondaのジャスティン・ボーグル、クリスチャン・クレイグ、ジミー・デコティス、ジョーダン・スミスらとフレモント・ホンダを訪問し、サイン会などファンとの交流会に参加しました。交流会の最後にはチケット抽選会が行われ、幸運な6人のファンに、カナードからHondaが用意した土曜日の観戦チケットとピットパスがプレゼントされました。
トレイ・カナード
トレイ・カナード
土曜日の朝に指定されたコースウォークでトラックの状態を確認したカナードは、CRF450Rにハンドガードを装着することを決めました。「今回搬入された土の中にはかなり石が混じっていて、まるでベガスのときみたいにかなりひどい状態でした。それでハンドガードが必要だと判断しました」とメカニックのブレント・プレスネルは語りました。またカナードは今回初めて、鼻孔を開く効果があるアスタリスク製のACシステムを装着してレースに臨みました。このことに対してカナードは「自宅で一度試してみました。そしたらすごくいい感じで、実際のレースでも使ってみることにしました。本当に呼吸が楽になります」と説明しています。
サンタクララのトラックは、今シーズン最もラップタイムが短いコースとなりました。タイムアタック予選でカナードは、43秒563と全体2番手の好タイムをマーク。43秒台に乗せたのはカナードを含めた3名のみでした。ボーグルは44秒686で全体9番手につけました。
予選ヒートレース。1組目に出走したカナードは、オープニングラップ18番手と出遅れるも、5周目には7番手までばん回。しかし最終ラップに再びアクシデントがあり、14番手でチェッカーを受けました。今回はセミファイナルを経てのメインレース進出を強いられたカナードですが、その間に43秒053という大会を通じての最速タイムを記録しました。
トレイ・カナード
トレイ・カナード
ファイナル決勝レース。予選結果により不利なグリッドを強いられたカナードは、まずまずのスタートを決めて、オープニングラップを10番手でクリア。3周目に1つ順位を上げ、前半にさらなる追い上げをみせました。5周目には一気に3台をパスして6番手にジャンプアップ。10周目にさらに1台を抜き、後半はこのポジションを確実にキープして、第6戦のサンディエゴ以来となる今シーズン自己ベストタイの5位でチェッカーを受けました。この結果、カナードは暫定ランキングで9番手に。ケガで今大会を欠場したシーリーは暫定ランキング7番手となっています。また、ボーグルもレース序盤をリードして最終的には6位でフィニッシュ。自身のベストリザルトを更新することができました。
なお、250SXウエスト地区8戦目となる今大会でクレイグが4位入賞を果たし、暫定ランキングは3番手となっています。
AMAスーパークロスシリーズは、今週末第13戦インディアナポリス大会へと進みます。ホンダ・レッドライダーは、金曜日の夕方6時から7時半までの間にウエストフィールド・パワースポーツでサイン会などファンとの交流イベントに参加する予定です。
トレイ・カナード
CRF450R
11週休みなしで続いた週末のレース。レーサーたちは先週ようやく1週間の春休みを過ごし、シリーズのファイナルに向けて気持ちを新たにすることができました。
「移動の連続から開放され、家族と一緒に家で過ごせるとてもいい週末でした。シーズン中はレースと飛行機移動の繰り返しで、とても忙しいスケジュールを過ごしていますから。飛行機に乗り遅れる心配もしなくていいし、本当にリラックスできました。もちろん、なにもしないからといって、私たちの仕事が完全に止まっていたわけではありません。体制の立て直しや次にやらなければならないこと、シリーズ終盤に向けての気持ちの切り換えなど、しっかりと準備していました」カナードは貴重な週末をこう振り返ります。
トレイ・カナード(5位)
「今夜はよかったと思います。ヒートレースでは第1コーナーでクラッシュしてちょっと慌ただしかったのですが、しっかりとメインに進むことができたし、メインのスタートも悪くなかったです。ただ直後の混戦を抜け出せませんでした。これはもっといいスタートを決めないといけないですね。ずっと言い続けていることですが、それさえできれば十分勝負ができるはずです。でも全体では本当に悪くなかったと思います。練習タイムはトップだったし、タイムアタック予選は2番手と、いい感じでした。デトロイトの前にマシンのセットアップを若干変えたのですが、それがうまくいって、すごく気に入っています。あとは結果を出すだけです」
ダン・ベトリー|Team Honda HRC監督
「毎回同じことを言っていると思いでしょうが、今日一日は確実に結果を残せるはずでした。問題は唯一メインレースのスタートだけでした。トレイ(カナード)はセミファイナルで全体の最速タイムをマークしました。これはすごいことです。ところがスタートの失敗で彼は追い上げのレースを強いられることになりました。ただ今日のトレイは今までにないほどアグレッシブで、今シーズン最高の走りをみせてくれたと思います。間違いなく速いライダーです。それはだれもがわかっています。後は結果に向って一丸となって取り組むだけです。ボーグルはメインイベントで本当にすばらしいスタートを決めていましたが、全体のスピードアップに取り組む必要がありますね。今回サスペンションに変更を加えたことで、確実に効果があったと思います。まだまだ成長しているし、今夜の結果でよりいい方向に進めるはずです」
ブレント・プレスネル|トレイ・カナード担当メカニック
「いい夜になったと思います。トレイは今日一日、本当に速くて、またしてもメインイベントでのスタートだけが問題でした。外側のゲートだったにも関わらず、スタートではうまく飛び出して、1コーナー進入は6番手以内にいたと思います。しかし立ち上がりでは10番手くらいに順位が下がってしまいました。ライディング自体はすごくよくて、4番手のライダーに並びかけてチェッカーフラッグを受けました。あと1〜2周あれば間違いなく抜いていたでしょうね。レース序盤、リズムをつかむまで数周かかりましたが、それからはトップと遜色のないタイムで順位を上げました。ただトップとは少し距離があり過ぎたし、時間が足りませんでした。なにより彼は元気です。我々は全力で次の週末に臨むだけです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 14'38.083 |
2 | 94 | K.ロクスン | スズキ | +01.374 |
3 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +15.498 |
4 | 22 | C.リード | ヤマハ | +17.816 |
5 | 41 | トレイ・カナード | ![]() | +18.166 |
6 | 19 | ジャスティン・ボーグル | ![]() | +34.165 |
7 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +37.043 |
8 | 28 | W.パイク | ヤマハ | +43.006 |
9 | 12 | J.ワイマー | スズキ | +1Lap |
10 | 4 | B.バゲット | スズキ | +1Lap |
11 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +1Lap |
15 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
19 | 761 | ケイド・クレイソン | ![]() | +2Laps |
21 | 314 | アレックス・レイ | ![]() | +5Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 278 |
- | 2 | 94 | K.ロクスン | スズキ | 236 |
- | 3 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 220 |
- | 4 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 200 |
- | 5 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 182 |
▲ | 6 | 22 | C.リード | ヤマハ | 178 |
▼ | 7 | 14 | コール・シーリー | Honda | 173 |
- | 8 | 10 | J.ブレイトン | KTM | 136 |
▲ | 9 | 41 | トレイ・カナード | Honda | 120 |
▼ | 10 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 105 |
▲ | 13 | 800 | マイク・アレッシ | Honda | 83 |
▲ | 15 | 19 | ジャスティン・ボーグル | Honda | 68 |
- | 16 | 55 | ビンス・フリージー | Honda | 62 |
▲ | 31 | 761 | ケイド・クレイソン | Honda | 8 |
▼ | 36 | 801 | ジェフ・アレッシ | Honda | 3 |
▲ | 37 | 314 | アレックス・レイ | Honda | 3 |
▼ | 39 | 11 | カイル・チゾム | Honda | 2 |
▼ | 40 | 291 | カイル・ホワイト | Honda | 1 |
▼ | 41 | 722 | アダム・エンティクナップ | Honda | 1 |