東部地区に舞台を移したMONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSの第8戦は、2月27日(土)にジョージア州アトランタのジョージアドームで開催されました。
レース前日の夕方、Team Honda HRCのトレイ・カナードとコール・シーリーは、GEICO Hondaのジャスティン・ボーグル、RJ.ハンプシャー、マルコム・スチュワートらとダグラスヴィルのFreewheelingを訪問し、サイン会を通じてファンと交流しました。Team Honda HRCはまた、小児脳腫瘍財団とライド・フォー・キッズを通じて、患者とその家族をパドックに招待しました。同様のアプローチは、今シーズン3度目となります。若くして病と戦っているブレンダンさんは、カナードから練習で着用したサイン入りジャージを受け取ったあと、チームの食事会にも参加しました。
レース当日、日中に行われたタイムアタック予選で、カナードは45秒610という全体で4番手のタイムをマークしました。シーリーは45秒636でカナードに続く5番手、ボーグルは46秒903で14番手でした。
コール・シーリー
コール・シーリー
ヒート予選は夕方に行われ、2組目に出場したシーリーは、確実に2番手で走りきりファイナルへと駒を進めました。ボーグルとカナードは1組目に登場し、それぞれ5番手と7番手でフィニッシュ。セミファイナルでは、カナードが2番手、ボーグルが4番手でファイナル進出を決めました。
迎えたメインレース。シーリーはスタートでうまく飛び出したものの、第1コーナーでの混戦によって、中位のポジションで1周目を終えました。5番手争いを展開していた8周目には、ジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)と接触。このアクシデントで、どちらもポジションを落とすことになりました。レース後半、シーリーは鋭い追い上げで7番手までばん回していましたが、ファイナルラップである20周目で、またもアンダーソンと絡んでしまい、フィニッシュの2つ手前のコーナーで転倒。マシンを起こして再スタートしますが、最終的に10位でレースを終えました。
一方のカナードは、スタートに失敗したあと、懸命の追い上げを試みましたが、8周目に転倒して最後尾となってしまいました。この転倒により、カナードのマシンはフロントブレーキが効かない状態となり、残りの周回では本来の走りができませんでした。結果、カナードは16位でフィニッシュしました。
コール・シーリー
コール・シーリー
メインレースでの度重なるアクシデントにより、残念ながらシーリーとカナードはトップ集団に食い込むことができず、AMA SUPERCROSSの第8戦は、Team Honda HRCにとってたいへん厳しいレースとなりました。ポイントランキングでは依然としてシーリーが4位をキープ。カナードは12位となっています。
他方で、450SXルーキーのボーグルは、自己ベストとなる8位フィニッシュ。ボーグルにとって、とてもエキサイティングな、記念すべき夜になりました。
なお、東部地区の初戦となった250SXクラスでは、GEICO Hondaのマルコム・スチュワートが2位表彰台を獲得しています。
第8戦の翌日に、NASCARのFolds of Honor QuikTrip 500がアトランタモータースピードウェイで開催されるとあって、スーパークロスのピットには、ストックカーの有名選手が大勢訪れました。ほとんどの選手は、レース観戦が目的でしたが、4人のドライバーはNASCARホールショットチャレンジというアトラクションに参加。HondaのCRF250Rを駆るRoush Fenway Racingのグレッグ・ビッフルは、見事2位となりました。
2月28日(日)には、多くのライダーやファクトリースタッフたちが、NASCARを観戦に訪れました。そんな中でシーリーは、オフィシャルのペースカーに乗り、レース前にコースを周回するという、とても貴重な体験をしました。
Team Honda HRCにとって、シーズンの折り返し地点となった今週末ですが、カタールのロサイルでは、モトクロス世界選手権の2016年シーズンがスタートしました。開幕戦で総合優勝を果たしたTeam Honda Gariboldi Racingのティム・ガイザーと、総合3位となったTeam HRCのイブジェニー・バブリシェフに対して、Team Honda HRCのクルー全員が称賛を送ります。
3月最初の週末には、Team Honda HRCは45回目を迎える伝統のDAYTONA SUPERCROSSに向けて、フロリダ州のデイトナビーチへ向います。カナードとシーリー、ボーグル、GEICO Hondaの250SXライダーたちは、金曜日のプレスデイに参加したあと、Hondaの展示用テントにおいて、サイン会やインタビュー、ライド・フォー・キッズの抽選会などが行われるピットパーティに参加します。
トレイ・カナード
CRF450R
アトランタ大会が終わってすぐ、Team Honda HRCのライダーとスタッフはデイトナに直行します。フロリダ州デイドシティの近くには、デイトナのコースを模したHondaのプライベートトラックがあり、そこで事前テストを行うためです。
デイトナは、スーパークロスとアウトドアモトクロスの両方の特徴を備える独特のレイアウトであり、シリーズ中で最も長いラップタイム、最も難しく、体力面でも最も過酷なコースとして知られています。
トレイ・カナードのメカニックであるブレント・プレスネルは「デイトナはとてもハイスピードなコースなので、マシンにいくつかの変更を加えることになります。路面がものすごく荒れます。ただ、全く異なるセッティングにするわけではありません。サスペンションの一部を、少し変更する形ですね。通常のスーパークロスのコースとは大きく異なるので、ここで培ったものが、今後の大きな財産になるはずです」と、コメントしました。
コール・シーリー(10位)
「今夜の内容に関して、決して満足はしていませんが、仕方がないです。今日は乗れていたと思います。そこは前向きに捉えていいと思うのですが、決勝は厳しかったです。みんながなにを考えているのか、理解できませんでした。スタートで(ライアン)ダンジー(KTM)が被せてきて、それから自分には非がないのに、(ジェイソン)アンダーソンに2度やられました。1度目は2人とも転倒しましたが、あれは故意ではなかったと思います。彼を抜こうとしてインに入ったところ、彼が止まり、リアタイヤに接触してしまいました。そのあと、彼が仕返しとして、最終ラップに私を押し出しました。あれは馬鹿げた行為だと思います」
トレイ・カナード(16位)
「今夜はイライラし、がっかりしました。今回もスタートが悪く、混戦の中、最悪のポジションにはまってしまいました。抜け出そうとしましたが、ミスでコントロールを失い、転倒してしまいました。そのとき、フロントブレーキのローターが曲がってしまったんです。ホイールが回転することでパッドが開いた状態になり、ブレーキを握り続ける必要があったため、それから先は本当に大変でした」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「今夜の結果は本当に残念で仕方がありません。スタートは決して悪くありませんでした。予選もよかったですし、両ライダーとも力強い走りで、マシンの仕上がりにも満足していました。ところが決勝では、コールもカナードもアグレッシブな走りの中で、何度も接触がありました。コールはいいスタートを切ったのですが、ダンジーと並んで1コーナーに入って、押し出されてしまいました。そこから攻勢に出ましたが、アンダーソンとのいざこざが起きて、ポジションをキープできませんでした。トレイはスタートが悪く、抜け出そうと試みましたが転倒してしまい、そこから苦戦を強いられました。ジャスティン(ボーグル)が結果を残してくれたのはよかったですね。積極的でしたし、速さもあり、今シーズン最高の走りだったと思います。この調子を維持して、さらにレベルアップしてくれることを期待します」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「今夜のメインレースはタフな内容でしたが前向きに捉えたいです。予選は今シーズン最高でした。トレイに先行されはしましたが、そろってトップ5に入れたのは申し分ないです。コールはヒートレースでも速さを見せつけ、ストレートでメインレースへと駒を進めました。決勝のスタートは悪かったですが、走りは非常によかったと思います。攻めていたし、アンダーソンとの残念なアクシデントまではしっかりとポジションを上げていました」
ブレント・プレスネル | トレイ・カナード担当メカニック
「ナイトショーが開始されるまでは、すべてがうまくいっていました。でも、そこからは急降下でした。トレイのヒートレースでの走りはすばらしかったのですが、目の前で(ジェームズ)スチュワートが転倒し、それを避けようとラインを変えたところ、転倒してしまいました。セミファイナルではしっかりと決めてくれましたが、決勝は致命的なアクシデントにより、勢いを失ってしまいました。強豪が集まる中、優勝できる実力のあるライダーでさえ、9位や10位という結果に終わることもあります。そのため、後方から上位に食い込むことは、至難のことです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 15'26.334 |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +04.110 |
3 | 22 | C.リード | ヤマハ | +07.630 |
4 | 18 | D.ミルサップス | KTM | +15.264 |
5 | 10 | J.ブレイトン | KTM | +19.374 |
6 | 94 | K.ロクスン | スズキ | +22.853 |
7 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +25.801 |
8 | 19 | ジャスティン・ボーグル | ![]() | +28.090 |
9 | 377 | P.クリストフ | ハスクバーナ | +29.756 |
10 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +37.216 |
13 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +50.689 |
15 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
16 | 41 | トレイ・カナード | ![]() | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 191 |
- | 2 | 94 | K.ロクスン | スズキ | 158 |
- | 3 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 145 |
- | 4 | 14 | コール・シーリー | Honda | 134 |
▲ | 5 | 22 | C.リード | ヤマハ | 132 |
▼ | 6 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 129 |
- | 7 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 114 |
- | 8 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 103 |
- | 9 | 10 | J.ブレイトン | KTM | 98 |
- | 10 | 12 | J.ワイマー | スズキ | 77 |
▼ | 12 | 41 | トレイ・カナード | Honda | 62 |
- | 15 | 800 | マイク・アレッシ | Honda | 48 |
- | 16 | 55 | ビンス・フリージー | Honda | 32 |
▲ | 17 | 19 | ジャスティン・ボーグル | Honda | 31 |
▼ | 30 | 11 | カイル・チゾム | Honda | 2 |
▼ | 31 | 761 | ケイド・クレイソン | Honda | 2 |
▼ | 33 | 314 | アレックス・レイ | Honda | 2 |
▼ | 35 | 722 | アダム・エンティクナップ | Honda | 1 |