MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSシリーズは、カリフォルニア州サンディエゴからテキサス州アーリントンへと移動。2月19日(土)にAT&Tスタジアムで、第7戦が開催されました。
3組に分かれて行われた2度目のタイムアタック予選では、Team Honda HRCのトレイ・カナードが、50秒618という全体で4番手のラップタイムをマークしました。一方、チームメートのシーリーは、51秒181で全体7番手でした。
コール・シーリー
コール・シーリー
ヒート予選1組目、スタートで10番手以内のポジションにつけたカナードは、すぐに攻勢に出ると、4番手でチェッカーを受けてファイナル進出を果たしました。一方、ヒート予選の2組目に出場したシーリーは、1周目で11番手と出遅れ、7番手までポジションを上げましたが、それ以上の追い上げはかなわず。セミファイナルを経由することになりました。セミファイナルの2組目、確実にスタートを決めたシーリーは2番手でフィニッシュし、ファイナル進出を決めました。
迎えた決勝レース、Team Honda HRCにとってこの夜は、複雑な印象のレースになりました。メインレースのゲートが倒れ、スタートよく飛び出したシーリーは、CRF450Rとともに4番手で1コーナーをターン。5番手のポジションでオープニングラップを終えると、すかさず先行するライダーへのアタックを開始しました。4周目に3番手まで浮上したあとは、レースの大半でこのポジションをキープしました。しかし、レースが後半に入って路面が荒れ始めると、シーリーは周回遅れのライダーの処理に手こずってペースを落とし、後方から迫ってきたジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)から猛追を受けました。14周目に、アンダーソンに先行を許したシーリーは、最終的に4位となりました。
コール・シーリー
トレイ・カナード
一方、カナードにとってはチャレンジングな夜となりました。15番手で1周目を終えたカナードは、懸命の追い上げにより、10番手までばん回。ところがその直後、コーナーで転倒を喫してしまい、大きくポジションを落としました。再スタート後、最後まであきらめることなく、見事な追い上げを見せたカナードは、9位となりました。内容としては悪くありませんが、もちろん満足できる結果ではありませんでした。
チームは、忙しいスケジュールの合間を縫って、木曜日には今季2度目のプレスデイに出席しました。シーリーは、地元CBSのチャンネル11ニュースのインタビューを受け、その後、カナードとGEICO Hondaのジャスティン・ボーグルと合流し、ダラスカーボーイズのシニアセールスコンサルタント、ダナ・ジョーンズ氏に、CRF150Fの乗り方をレクチャーしました。
レース当日、Team Honda HRCは海軍特殊部隊を退役したマーカス・ラトレルの双子の兄弟で、ニューヨーク・タイムズのベストセラー「ローン・サバイバー」の共同執筆者であるモーガン・ラトレルの表敬訪問を受けました。氏は大のスーパークロスファンで、レースの舞台裏を見学できたこと、カナードに会ってサイン入りジャージを手渡されたことを、とても喜んでいました。
またチームは、脳腫瘍と戦いながらダラス地区のライド・フォー・キッズに参加しているリアム君と、彼のすばらしい家族をチームに招待しました。家族には観戦チケットが手渡されたほか、リグツアーへの参加、チームの夕食前にカナードとシーリーと会って話す機会を得ました。
今週末、Hondaレッドのライダーたちは、第8戦が行われるアトランタに移動します。またライダーたちは、2月26日(金)にダグラスヴィルにあるFreewheelingで行われるイベントに参加する予定です。
レッドライダーたちは、Hondaが支援する小児脳腫瘍財団とライド・フォー・キッズを表敬訪問する今シーズン2度目の機会を持てたことに感謝します。カナードとシーリー、ボーグルは、金曜日にダラスの小児医療センターを訪問し、プレイルームで子どもたちと交流の時間を持つことができました。同時に彼らは、前回の訪問時に短い時間しか参加できなかった子どもたちのベッドサイドにも足を運びました。ライダーたちは、サイン入りのポスターとTシャツやニット帽、ステッカーが入ったHondaのギフトバッグを子どもたちに手渡しました。この訪問の様子は、FOX SPORTS 1でオンエアされました。シーズンエンドには、「夢を追う」というエピソードとして、放映される予定です。
カナードは「今回も訪問の機会をいただけたことをとてもうれしく思っています。普段、自分たちがどれほど恵まれているかを考えることはあまりなくても、日々の暮らしの中で、ささいなことが自分のためになることは少なくないと思います。ですので、可能な限り参加して、子どもたちが少しでも元気になるよう笑顔を届けたいです。私たちが何者であるのか、なにをしている人間なのかを、子どもたちは分かっていないかもしれませんが、出会いを楽しんでくれればそれだけで十分です」と、コメントしました。
またシーリーはのちに「今日は本当に楽しい一日でした。私たちは、子どもたちとゲームや塗り絵、工作をしました。エアホッケーやビデオゲームもしました。ほんの少しでも、彼らの日常になにかインパクトを与えられたのなら、それは本当にすばらしいことだと思います」と、述べています。
コール・シーリー(4位)
「落胆したわけではないですが、興奮もできませんでした。結果は4位でしたが、よくも悪くもなかったです。ひとまず、メインに進出できましたし、まずまずの結果を残せました。ヒート予選もセミファイナルも、いいスタートが切れず、パッシングの練習のようでした。それはいいのですが、セミファイナルに回ったことで、メインレースでは不利なゲートしか選べませんでした。ゲートは外から3、4番目だったと思います。さすがに少し緊張しましたが、しっかりとマシンをスタートさせられました。4番手から一人抜いて、3番手に上がって、前半はいい走りができました。しかし、去年手術した肩に少し違和感を覚え、(ジェイソン)アンダーソンに抜かれてしまいました」
トレイ・カナード(9位)
「いくつかいい手応えもありましたが、正直に言えばがっかりしています。なによりもまず、スタートを改善しなければなりません。それと、今回のようなトラブルは回避する必要があります。努力を重ねて、次戦こそは結果を出します」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「少々不満が残るレースでした。悪化しなければいいのですが。コールはヒート予選のスタートで苦戦し、セミファイナルを経由することになりました。こうした展開はシーズン初ではないでしょうか。しかし、メインレースでは調子を取り戻していいスタートを決めていましたし、走りもよかったです。13周目で肩に違和感を覚えたためにペースを下げ、結果は4位でした。トレイにとっては厳しい夜になりましたね。決勝はスタート位置の取り合いで、彼はかなりアウトになったのですが、ゲートが倒れるタイミングに合わせてうまく飛び出しました。ところが、最初の攻防でポジションを失ってしまいました。14番手あたりだったのではないでしょうか。そこからポジションを上げようとがんばりましたが、転倒でまた下げてしまいました。実はこの2週間で、我々はマシンに、よりポジティブな変更を加えました。ライダーも気に入ってくれたので、さらにいい状態に仕上げたいです」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「どうしてそうなってしまったかは分かりませんが、とにかく大変な一日でした。コールは練習からスイッチが入らず、終日うまく乗れなかったですね。メインでいいスタートが切れたことは収穫でした。レースの4分の3はしっかりと走れていました。残り5周のために、やるべきことがありそうです。我々になにが足りないのか、見つけなければなりません」
ブレント・プレスネル | トレイ・カナード担当メカニック
「メインイベントの結果はともかく、私は今日のレースは、かなりうまくいったと思っています。トレイが予選でマークしたタイムは、トップの(ライアン)ダンジー(KTM)にコンマ3秒差と、わずかでした。これはかなりいいです。ただ、スタートが決まりませんでした。勝負できるラインを外してしまい、最後まで取り戻せませんでした。ゲートも、あまりに外側でした。それでもライディングは悪くありませんでした。スタートで出遅れると、ただでさえ追い上げは大変です。そんなときは、できる限りのことをする以外にありません。転倒さえなければ、トレイは6位か7位あたりまで上がれたはずです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/ |
---|---|---|---|---|
1 | 94 | K.ロクスン | スズキ | 17'09.208 |
2 | 1 | R.ダンジー | KTM | +01.410 |
3 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +19.457 |
4 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +22.380 |
5 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +27.185 |
6 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +30.293 |
7 | 18 | D.ミルサップス | KTM | +37.503 |
8 | 377 | C.ポーセル | ハスクバーナ | +38.085 |
9 | 41 | トレイ・カナード | ![]() | +48.835 |
10 | 12 | J.ワイマー | スズキ | +50.126 |
16 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +1Lap |
17 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
18 | 19 | ジャスティン・ボーグル | ![]() | +1Lap |
22 | 314 | アレックス・レイ | ![]() | +11Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 166 |
- | 2 | 94 | K.ロクスン | スズキ | 143 |
- | 3 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 131 |
- | 4 | 14 | コール・シーリー | Honda | 123 |
▲ | 5 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 119 |
▼ | 6 | 22 | C.リード | ヤマハ | 112 |
- | 7 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 92 |
▲ | 8 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 85 |
▼ | 9 | 10 | J.ブレイトン | KTM | 82 |
- | 10 | 12 | J.ワイマー | スズキ | 73 |
▲ | 11 | 41 | トレイ・カナード | Honda | 57 |
- | 15 | 800 | マイク・アレッシ | Honda | 40 |
- | 16 | 55 | ビンス・フリージー | Honda | 26 |
▲ | 18 | 19 | ジャスティン・ボーグル | Honda | 18 |
- | 27 | 11 | カイル・チゾム | Honda | 2 |
- | 29 | 761 | ケイド・クレイソン | Honda | 2 |
▲ | 31 | 314 | アレックス・レイ | Honda | 2 |
▼ | 34 | 722 | アダム・エンティクナップ | Honda | 1 |