 |
カーマイケル(#4)が快勝を挙げたヒートレースのスタート |
ユタ州ソルトレイクシティにあるライスエクリーススタジアムがAMAスーパークロスのステージに加わって3回目となる今大会は、全16戦中の第15戦目ということもあり、シリーズ最大の山場となった。
これまで、同スタジアムで勝利を収めたのはリッキー・カーマイケル(AMERICAN HONDA)ただひとり。Honda CR250Rを駆るカーマイケルは、予選のヒートレースで2位に8.6秒差をつけて楽勝したこともあって、今年も優勝候補の筆頭に挙げられていた。
しかし、今年のカーマイケルの戦いぶりは例年とは少し違っていた。スタートでミスを犯し、すぐに追い上げてトップ争いに絡んだものの、3周目にチャド・リード(ヤマハ)と接触して転倒してしまったのだ。再スタートを切ったカーマイケルだが、ソルトレイク3連覇の夢は消えてしまった。
カーマイケルは自己88回目の優勝こそ逃したが、その後の追い上げは見事だった。転倒の際にエキゾーストパイプを破損したにも関わらず、再スタート時に6位まで落としたポジションを9周目には位にまで挽回。その順位をキープしてレースを終えた。
カーマイケルのチームメイト、エルネスト・フォンセカも今回はスタートが良くなかった。しかし、1周目を終えた時点の9位から着実にポジションアップを図り、最終的に3位に入った。これで5戦連続表彰台に上がったフォンセカは、チャンピオンシップ・ポイントでもランキング3位の座をほぼ確定的なものとして最終戦を迎えることとなった。
結局、レースはリードが5戦連続で優勝を飾ったものの、チャンピオンシップ・ポイントは依然としてカーマイケルが優位。カーマイケルはリードに10ポイントの差をつけて、5月3日にラスベガスのサム・ボイド・スタジアムで行われる最終戦を迎えることになった。たとえリードが最終戦で優勝しても、カーマイケルは5位以内でゴールすれば3年連続となるスーパークロス・チャンピオンを達成できるのだ。
過去14年におよぶAMAスーパークロスの歴史の中で、250ccクラスのタイトル争いが最終戦までもつれ込んだことは3回だけ。昨年、一昨年とラスベガスで優勝しているカーマイケルだが、ここのところ優勝から遠ざかっているだけに勝利への渇望、そして3年連続タイトル獲得に向けての意欲は並々ならぬものがある。
一方、125cc西部選手権はトラビス・プレストン(FACTORY CONNECTION HONDA)がプラクティス中に膝を痛めたため欠場したが、チームメイトのクリス・ゴゼラーが7位に入った。なお、同クラスのチャンピオンは、先週のダラス大会でジェームス・スチュワート(カワサキ)に決定している。最終戦では125ccクラスの東部/西部選手権のライダーが対戦することになる。
●リッキー・カーマイケル (250cc 2位)
とにかく、スタートで失敗したのが今回の敗因だ。リードと接触し、逃げ場がなくなって転倒してしまったんだ。2位で終わるのは嫌だったけど、それもチャンピオン獲得のためなら仕方がないと思った。来週は絶対にスタートでミスをしないようにする。ホールショットを決めて、逃げ切るというのが理想のレースだからね。
●エルネスト・フォンセカ (250cc 3位)
スタートで失敗したけど、マシンの調子がすごく良かったので順位を挽回することができた。今回のコースではウープ・セクションが一番難しかったけど、僕はそのウープで速かったから、あとはひとりずつ抜いていったんだ。とにかく僕は毎週リッキー(カーマイケル)やリードに追いつけるように努力している。来週は今週よりもっと良い走りをしたいね。 |