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リードとの接戦の末、2位フィニッシュのカーマイケル |
「今日はマシンの調子がすごく良かったんだ。エンジンの調子が抜群で、おかげでスタートもうまくいった。さすがHondaだと思ったよ」
4月12日にアービングのテキサス・スタジアムで行われた‘03年AMAスーパークロス第14戦で2位に入ったリッキー・カーマイケル(AMERICAN
HONDA)は決勝レースのあとでこう語った。
カーマイケルの言葉通り、20周で競われた250cc決勝レースのスタートで、CR250Rに乗るカーマイケルは、CRF450Rに乗るラリー・ウォード(MotoXXX Yoshimura)に続いて2番手で飛び出した。そして、1周目を終えた段階ではトップに浮上していたのである。
カーマイケルのチームメイト、エルネスト・フォンセカも、カーマイケル、ウォード、チャド・リード(ヤマハ)に続いて4番手で1周目を終えた。
その後、カーマイケルがいつもの逃げ切り体制を築くかと思われたが、ライバルのリードも手綱を緩めなかった。二人は10回ほどトップの座を入れ替え、テキサス・スタジアムに集まった3万9643人の観客を沸かせたのだった。
ところが、レースも中盤をすぎた時点でカーマイケルはウープ・セクションでミスを犯し、リードに先行されてしまう。すぐに追走を開始したカーマイケルだったが、今度は周回遅れのブロック・セラードが目の前に現れ、リズムを崩してしまった。
「他の周回遅れのライダーはそんなに邪魔にならなかったけど、セラードだけは邪魔だったよ。次のシーズンオフにはどこか別の場所に行ってもらわないとね!」とレース後、カーマイケルはこのときの様子を笑いながら語った。
ちなみにオハイオ州出身のセラードはカーマイケルの親友で、シーズンオフにはカーマイケルの住むフロリダで一緒にトレーニングを行っているのである。
トップを走行するリードの方も周回遅れのライダーに行く手を阻まれ、何度かリズムを崩しそうになった。結局、チェッカーフラッグを受けた時点で、優勝したリードとカーマイケルの差は約2秒と僅差だった。
しかし、リードと3位に入ったフォンセカとの差は32秒開いていた。フォンセカは4周目にウォードを抜いたあと、一度も後ろを振り替えずに表彰台のポジションをキープしたのだった。かたやウォードの方は7位に後退してレースを終えている。
リード、カーマイケル、フォンセカという順位で表彰台に並んだのは今回で4戦目。カーマイケルとしては4戦優勝から遠ざかっており、悔しさは隠せなかったが、今は何よりも3年連続スーパークロス・タイトル獲得を狙っている。
第14戦を終えた段階で、チャンピオン争いはかつてないほど熾烈になっている。残りは2戦、カーマイケルはリードに13ポイント差をつけており、順当にいけばチャンピオンを獲得できる公算が強い。また、カーマイケル自身、リードの追い上げを歓迎しており、さらにやる気を出している。
また、フォンセカもカーマイケル、リードに続いてランキング3位に浮上している。
‘03年スーパークロス・シーズンは佳境に入ったわけだが、併催されている125cc西部地区選手権の方では今回チャンピオンが決定した。
FACTORY CONNECTION HONDAのトラビス・プレストンは先週まではCRF450Rに乗って250ccクラスに出場していたが、その際に膝を負傷した。今週はチャンピオンをディフェンドするために125ccレースに出場したが、決勝レースではジェームス・スチュワート(カワサキ)に続いて2位に終わった。ランキングの方もスチュワートに次いで2位となっている。
●リッキー・カーマイケル (250cc 2位)
勝てなかったのは悔しいけど、これもレースだからね。今はチャンピオンを取ることの方が重要だ。今回は僕もチャドもミスを犯した。僕の方が速い場所もあれば、チャドの方が速い場所もあった。確かにチャンピオンのことを考えて、一瞬スロットルを緩めたこともあったよ。チャンピオンシップでチャドが追い上げてきたのはいいことだ。以前のように独走態勢に入ってしまうと、僕自身ちょっとつまらない。今のような状況の方が僕もやる気が出るし、ファンにとってもエキサイティングだろう。チャドとはフェアな競り合いができる。まるでジェレミー・マクグラスと一緒にレースしていたときみたいなんだ。
●エルネスト・フォンセカ (250cc 3位)
スーパークロス・シリーズも残り2戦だけど、あと2戦で今シーズン初優勝するためには相当頑張らなくてはいけないだろう。コーナーももっと速く走らなくてはいけないし、20周ずっとリズムを保たなくてはいけない。現時点でも僕は全力を尽くしているのだけどね。
●トラビス・プレストン (125cc 2位)
今シーズンはずっとスチュワートがスムーズな走りをしていた。でも、僕以上に西部選手権チャンピオンにふわさしい人間はいないと思っている。僕は今年の後半は、アウトドア・モトクロス選手権の250ccクラスにフル参戦する。 |