 |
シーズン4勝目を挙げたカーマイケル |
AMAスーパークロス選手権シリーズ第7戦が行われたミネアポリス。氷点下の気温もヒューバート・H・ハンフリー・メトロドームの中では熱気に変わっていた。
250cc決勝レースで、CR250Rに乗るチームHondaのリッキー・カーマイケルは6周目にトップに立つと、その後一度も首位を明け渡さずに今季4勝目を飾った。
カーマイケルにとっては、今回の優勝はスーパークロス通算30勝目。絶対的なスピードだけではなく、成熟度と忍耐も示したカーマイケルの走りは、ライバルを疲労させた後に一気に仕かけてトップに躍り出るという卓越したものだったのである。
前週、サンディエゴで行われた第6戦で3位に甘んじたカーマイケルにとって、今回は雪辱を賭けた戦いだった。しかし、カーマイケルは決して気負うことなく、自分の走りに徹した。6周目から20周目までトップを走行したカーマイケルの前にいたのは周回遅れのライダーのみ。最終的に2位のエズラ・ラスク(カワサキ)に7.999秒差をつけて優勝したカーマイケルは、これでランキング2位のチャド・リード(ヤマハ)とのポイント差を14点に広げ、ランキング首位の座を確実なものとしている。
ちなみにカーマイケルは予選のヒート・レースでも2位に13.709秒という大差をつけて優勝した。しかし、カーマイケルのチームメイト、エルネスト・フォンセカの方はヒート・レースで大転倒し、一時はセミファイナルと決勝レースへの出場が危ぶまれたのである。
最初に行われたプラクティスとヒート・レースの間に、コースの作業員が荒れたコースを修復した。トリッキーなジャンプが続くリズム・セクションで、ジャンプの着地部分の路面を変更したのである。
プラクティスの時にこのセクションで快調に飛ばしていたフォンセカは、ヒート・レースの際に路面が変更された部分でリズムを崩して転倒したのだった。
カーマイケルもプラクティスの時にはこのセクションで好調だったが、路面が変更されてからはこの部分で苦戦していたのである。
フォンセカの転倒後、Hondaモトクロス・チームのマネージャー、エリック・キーホーは次のように語った。「転倒直後にフォンセカはモビール・メディカル・ユニット(移動救急車)でチェックを受けた。モビール・メディカル・ユニットがスーパークロス選手権シリーズに導入されたのは本当に良いことだ。フォンセカの場合も手の腫れがひどかったけど、すぐにレントゲンをとってもらい、骨に異常がないことが判明した。それでセミファイナルに出場することができ、2位に入った。決勝レースでは10位だったけど、転倒後、打撲がひどかったことを思えば上出来の結果だったといえるだろう」。
FACTORY CONNECTION HONDAのマイク・ラロッコは、第5戦のアナハイムで転倒し、肩を強打したため第6戦のサンディエゴ大会は欠場した。しかし、今回もヒート・レースの際に1コーナーでクラッシュし、肩をさらに痛めてしまったため、決勝レースに出場することはできなかった。
ラロッコのチームメイト、マイケル・バーンは今回からCR125に乗って125ccレースに出場している。ヒート・レースの時にフィニッシュライン手前のジャンプで転倒し、5位に終わったバーンは、決勝レースでも1コーナーで多重クラッシュに巻き込まれて転倒。しかし、再スタートを切ったバーンは、16位から3位にまで順位を挽回して初戦を終えた。
●リッキー・カーマイケル (250cc 優勝)
今回はミスしないように心がけていた。最初からあまり無理しないようにしたんだ。そのためには集中力が必要だった。皆、とても速かったけど、僕は自分の走りをするように集中していた。最初にプラクティスが始まった段階では、コースは湿っていてトラクションがすごくあった。でも、ヒート・レースからセミファイナルへと進んでいくうちに、路面がどんどん乾いていって硬くなり、トラクションもなくなっていった。一日のうちにコース・コンディションがすごく変わったんだ。
|