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2位のリードと約0.6秒差という接戦を制したカーマイケル |
'03年AMAスーパークロス選手権シリーズは、再びアナハイムのエジソン・フィールドに戻ってきた。前回エジソン・フィールドで行われた第3戦同様に今回の第5戦も満員(45,050人)となり、集まった観客はHondaライダーの活躍に酔いしれていた。
250cc決勝レースでは、序盤FACTORY CONNECTION HONDAのマイケル・バーンがレースをリードし、その後、第3戦、第4戦と連勝しているリッキー・カーマイケルがトップに立った。Honda勢は一度も首位を譲らず快走し、アナハイムの夜を席巻した。
125ccレースでは、トラビス・プレストン(FACTORY CONNECTION HONDA)がスタートで出遅れたものの、必死で挽回して2位に入っている。
今回のコース・レイアウトはスリッピーで、しかも第1コーナーから第2コーナーに至る短いセクションでは2本の異なるラインが生じていた。このセクションで別々のラインを通っていたライダーも第3コーナーではひとつにまとまるという非常に興味深い展開となったのである。
チームHondaのマネージャー、エリック・キーホーは第5戦を総括してこう語った。「今回はタイヤ・チョイスがとても難しかった。予選のヒート・レースが始まった段階では、コースの路面は柔らかかったのだが、その後どんどん硬くなり、滑りやすくなっていった。決勝レースのときには大勢のライダーがトラクション不足に悩まされていたね」。
しかし、FACTORY CONNECTION HONDAのマイク・ラロッコにとっては、トラクション不足など問題ではなかったようだ。CR250Rに乗るラロッコは、予選のヒート・レース、セミファイナル、決勝レースと一晩で三度もホールショットを決めたからである。
ヒート・レースでホールショットを奪ったラロッコは、その後チャド・リード(ヤマハ)とトップ争いを繰り広げたが、最終ラップにリードと接触し、二人揃って転倒した。しかし、その後、セミファイナルに出場したラロッコは、ホールショットを奪ってからは一度もトップの座を明け渡さず、チームメイトのエルネスト・フォンセカを引き連れて1位でフィニッシュした。
これに対してリッキー・カーマイケルは、ヒート・レースで楽勝し、余裕を持って決勝レースのスタートを迎えることになった。
250cc決勝レースが始まり、ラロッコとバーンの二人がスタート・ダッシュを切った。最初のセクションで異なるラインを通った二人だったが、結局ラインが1本になる第3コーナーでトップに立ったのはバーンだった。この時点でカーマイケルは5番手につけていたのである。
その直後、ヘアピンでラロッコが1周目にありがちな多重クラッシュに巻き込まれた。肩を強打したラロッコだったが、それでも再スタートを切り、猛然と追い上げた。しかし、8周目、ラロッコは再び転倒し、肩を強打。さすがのラロッコも、その後の追い上げは諦めざるをえなくなった。
ラロッコのチームメイト、フォンセカはスタートに失敗し、その後追い上げを見せていたが最終ラップに転倒。結局9位でフィニッシュした。
5月15日のミネアポリスの大会から125ccレースに出場することが決まっているバーンは、今回、中盤カーマイケルに抜かれるまでトップを走行したが、最終的に4位でフィニッシュした。
カーマイケルの方は、バーンをかわしてトップに立った後、終盤トリプル・ジャンプの手前で一度ミスをするが、それでも2位に入ったチャド・リードに1秒差をつけて三連勝目を飾ったのだった。
●リッキー・カーマイケル (250cc 優勝)
今回はとてもエキサイティングなレースだった。最後のトリプル・ジャンプの手前でミスしなければもっと良かったのだけど、あそこはすごく滑りやすくなっていたから、大勢のライダーがミスをしていた。次回はもっといいスタートを切りたいね。そうすればもっと楽な展開になるだろう。
●マイケル・バーン (250cc 4位)
今週末は調子が良かったよ。待望のホールショットも決めることができたしね。レースの中盤、リッキーとしばらくバトルをしていたんだけど、リッキーと競り合うことができてハッピーだったね。 |