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4位のリッキー・カーマイケルはランキング2位をキープ |
先週アナハイムで幕を開けた'03年AMAスーパークロス選手権シリーズ。第2戦はアリゾナ州フェニックスで1月11日に開催された。
フェニックスのコースは前週のアナハイムとは違って路面も柔らかく、複合ジャンプの連続する難コース。今回もハプニングが起こり、250ccファイナルではAMERICAN
HONDAのリッキー・カーマイケルがトラブルに見舞われたものの4位でフィニッシュし、ランキング2位のポジションを死守した。
レースのスタート前、カーマイケルは自信たっぷりに次のように語った。「僕はフェニックスが好きだし、このコースも好きなんだ。今回はいつもよりプレッシャーを感じていない。フェニックスの観客はいつも最高なんだよ。僕の妻がフェニックス出身だから、僕もここはホームコースのような気がする。その分、有利に感じるんだ」。
250ccファイナルがスタートし、CR250Rに乗るカーマイケルは好スタートを切った。エズラ・ラスク(カワサキ)とチャド・リード(ヤマハ)に続いて3番手のポジションにつけたカーマイケルは、7周目に2人に仕掛けようとして転倒。6番手で再スタートを切ったが、フロントブレーキのラインが切れており、フロントブレーキがまったく使えない状態になっていた。
しかし、そこからがカーマイケルの真骨頂だった。ただでさえ難しいフェニックスのコースで、リヤブレーキしか使用できないというハンディをものともせず、猛チャージを開始したのである。結局、カーマイケルは2つポジションを挽回し、4位でチェッカーフラッグを受けたのだった。
レース後、チーム・マネージャーのエリック・キーホーは信じられないといった様子で次のように語った。「リッキーは本当に素晴らしい。転倒する前、リッキーのラップタイムは51秒台だった。でも、転倒後、フロントブレーキが使えない状態でもラップタイムは1秒しか落ちなかったんだ。コンスタントに52秒台で走っていたんだよ。一体全体どうやってそんなタイムを出していたのかまったく分からない。とにかく凄い男だね」。
リッキー・カーマイケルのチームメイト、エルネスト・フォンセカもまずまずのスタートを切り、レース序盤はカーマイケルに続いて4位を走行していた。カーマイケルが転倒したあと、3位に浮上したフォンセカだったが、その後、後続ライダーに接触され、コースアウト。9番手でコースに復帰し、ひとつ順位を上げて8位でフィニッシュした。
先週、アナハイムで多重クラッシュに巻き込まれたマイク・ラロッコ(FACTORY CONNECTION HONDA)は、今週もまだ体調が完全ではなかった。一週間では打撲の痛みが消えず、身体が思うように動かなかったのである。とはいうものの、アイアンマン(鉄の男)の異名を持つラロッコは、中番手でスタートを切り、レースの大半で7位につけ、そのままの順位でフィニッシュして貴重なポイントを稼いだ。
ラロッコのチームメイト、マイケル・バーンはスタートで失敗し、最後尾からの追い上げを余儀なくされた。しかし、それでも11位に入り、しぶとさを見せたのだった。
125ccファイナルでは、先週アナハイムで優勝したトラビス・プレストン(FACTORY CONNECTION HONDA)が苦手なフェニックスのコースで2位に入り、ランキング・トップの座をキープした。
次戦は再びアナハイムに戻り、1月18日に開催される。
●R.カーマイケル (250cc 4位)
6周目までラスクとリードの後ろにつけて3番手を走行していたんだけど、彼らのペースが速くなかったので苛立ってしまったんだ。だから、無理して抜こうとしたときにフロントから滑ってしまった。急いでマシンを起して再スタートを切ろうとした。実際には3つしか順位を落としていなかったからね。でも、その時、フロントブレーキが使えないって分かったんだ・・・・。
●E.フォンセカ (250cc 8位)
3位に上がったあとも快調に飛ばしていた。真後ろに誰かがつけているという気配もなかったんだ。ところがウープ・セクションの直後、突然後続ライダーが突っ込んできたんだ。僕は押し出されてストローバリヤーに突っ込んでしまい、マシンの下敷きになってしまったんだよ。
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