リザルト ポイント
第7戦 ロードアメリカ 第7戦 ロードアメリカview

ハイクロフト・レーシングが今季3度目のLMP2クラス優勝を飾る

2008年8月9日(土)
決勝
開催地:ウィスコンシン州エルクハートレイク
会場:ロードアメリカ
コース全長:6.5km

アメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)第7戦ジェネラック500が8月9日(土)にロードアメリカで開催され、#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラ(パトロン・ハイクロフト・レーシング)を駆るデイビッド・ブラバム/スコット・シャープ組が、LMP2クラスで今季3度目の優勝を飾った。

4時間におよぶレースの終盤、チームオーナーのダンカン・デイトンとチームマネージャーのロブ・ヒルによるイエローコーション時の素早い給油作戦が奏功、一流のドライブテクニックを持つブラバムは、チェッカーフラッグに向け最後まで勢いのある走りを披露した。

この勝利によって、ブラバム/シャープ組は、現在、LMP2クラスのポイントスタンディングトップで2位フィニッシュを飾った、ティモ・バーンハード/ロマン・デュマ組(ペンスキー・ポルシェ)とのポイント差をつめた。

#26 XMサテライトラジオ・アキュラ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)を駆るジェームズ・ロシター/フランク・モンタニー組は、前日の予選でALMS初のポールポジションを獲得したモンタニーが、昨年のセブリング以来となる今季初勝利を目指して、トップ集団でレースを展開。残り15分でLMP2クラスをリードするブラバムをパスするすばらしい走りを見せたが、GTマシンに追突されてコーナー外の砂地にはじき出された。なお、ロシターにとってはXMアキュラチームでの初レースだった。

#15 ロウズ・アキュラ(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)を駆るエイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス組は、ディアスがレース序盤に力強い走りを見せ、その後、フェルナンデスもブラバムに次ぐ2番手を走行していたが、リアサスペンションに不具合が生じ、第3コーナーでコースアウトを余儀なくされた。

こうして2台のアキュラチームは、レース残り30分までブラバム/シャープ組と競っていたが、モンタニーとフェルナンデスがそれぞれ不運に見舞われ、トップ争いから後退することとなった。

#66 パナソニックELSサラウンド・アキュラ(ド・フェラン・モータースポーツ)を駆るジル・ド・フェラン/サイモン・ペジノ組もまた、勝利を狙うレースを展開していた。ド・フェランがコース上でのトラブルによりひんぱんにピットインする状況下で先頭集団から8周差がついたが、レース後半、ペジノがトップ集団と競るラップタイムを記録し、LMP2クラス8位でフィニッシュした。

コメント

デイビッド・ブラバム〔LMP2クラス優勝(総合3位)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕

「チームの戦術はすばらしかった。今日のレースではすべてのアキュラが速さを証明し、ポルシェとアウディと競った。イエローコーション時に我々が給油のためピットインしたあとに続いて、すべてのマシンが給油を行った。我々の戦術が功を奏して優勝できたが、最後まで気の抜けないレースだった。周回遅れのGTマシンに追いついたあと、第1コーナーでアウディとフランク(モンタニー)に追いつかれた。フランクがGTと接触したとき、すぐ後ろを走行していた。2台がコースアウトする中、LMP2クラス優勝に向けて加速した。このチームの一員であることを誇りに思う。2007年に新チームとなって以来、すばらしい組織に成長している」

スコット・シャープ〔LMP2クラス優勝(総合3位)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕

「チームにとって最高の一日だった。私のスティントの序盤は難しい混戦の中でのレースだったが、その後は速い走りができた。デイビッドにマシンを再び託すまでに、フランクとエイドリアン(フェルナンデス)との差をつめることができた。ロブ・ヒルとダンカン・デイトンのすばらしい戦術が功を奏した。イエローコーション時にデイビッドに給油を指示し、そのあとほかのマシンが給油している間にリードを奪うことができた。今季3度目の勝利は、この若いチームにとっては偉業を成し遂げたといえる。最終戦までに再び勝利できるチャンスがあると思う」

ジェームズ・ロシター〔LMP2クラス7位(総合11位)、アンドレッティ・グリーン・レーシング〕

「今週末、我々は幸運と不運を経験した。フランクとともにポールポジションを獲得し、勝つ準備はできていた。チームのすばらしい戦術でトップを走ったが、不運にもほかのマシンによって後退を余儀なくされた。最善を尽くし、とてもよい週末だったが、今日のレースでは勝利を獲得できなかった」

フランク・モンタニー〔LMP2クラス7位(総合11位)、アンドレッティ・グリーン・レーシング〕

「何というべきなのか分からない。今日のレースは勝利できるはずだった。マシンはとても速く、残り約10分までリードしていた。チームを襲った不運がとにかく信じられない。よいチームであり、勝利できるはずなだけに、とても悔しい」

ジル・ド・フェラン〔LMP2クラス8位(総合18位)、ド・フェラン・モータースポーツ〕

「今日のレースでは多くのトラブルに見舞われた。第3コーナーで周回遅れのマシンに追突され、砂地に入り込み、フロントとリアのウイングを両方交換しなければならなかった。フロントウイングがフィットしなかったことで、さらに数回ピット作業を必要とした。数度ペナルティを科せられる結果にもなったが、理由の多くが明確ではなく、ALMSのオフィシャルと意見交換する必要があるだろう。最終的なピット作業を終えたあとは、トップ集団と変わらない走りができた。レース序盤でのトラブルが残念でならない」

サイモン・ペジノ〔LMP2クラス8位(総合18位)、ド・フェラン・モータースポーツ〕

「チームにとって不運な一日だった。レース序盤にジルがトラブルに巻き込まれ、チームはボディパーツの交換に追われた。トップ集団のタイムで走ることができ、実際のマシンのコンディションはとてもよかった。ただ、運が味方しなかった。勝利できるスピードを証明できたが、レースではすべての要素がよい方向に働く必要がある」

エイドリアン・フェルナンデス〔LMP2クラス9位(総合25位)、ロウズ・フェルナンデス・レーシング〕

「好調だっただけに、残念な一日となった。始めにハンドルを握ったとき、すでに何かが起こっていたのかもしれない。右にハンドルを切るとマシンは安定せず、左に切ると問題はなかった。すばらしいピットストップ戦術で、ブラバムより速いマシンだったと思うが、左のリアサスペンションが故障したことでレースを終えざるを得なかった。残念な結果となったが、ルイス(ディアス)はすばらしい走りを見せた。よい一日になるはずだったが、こういう日もあると割りきりたい」

ルイス・ディアス〔LMP2クラス9位(総合25位)、ロウズ・フェルナンデス・レーシング〕

「残り30分までは最高の週末となっていただけに、残念だった。最初の2度のスティントではマシンの状態はすばらしかった。エイドリアンは昨日の予選と今日のレースで巧みな走りを披露していた。不運にも、初勝利目前でサスペンションにダメージを受け、チームにとってとても悔しい結果となってしまった」

エリック・バークマン|ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)社長

「いずれのアキュラチームも、ポールポジションを獲得しレースで勝利できるポテンシャルを証明できた。我々は、すべてのアキュラチームがポールポジションを獲得でき、レースをリードして勝利する走りができるようになることを目標にしてきた。1年半のエンジンとシャシーの開発を経て、それが形になってきたと実感している。アキュラのプログラムが進歩していることをうれしく思う。今季、残りのさらなる躍進を期待している」

決勝リザルト

順位 No. クラス ドライバー マシン 周回数
1 2 LMP1 L.ルーハー / M.ワーナー アウディ 102
2 1 LMP1 M.フェスラー/ E.ピロ アウディ 102
3 9 LMP2 D.ブラバム / S.シャープ Acura 102
4 7 LMP2 T.バーンハード / R.デュマ ポルシェ 102
5 20 LMP2 M.フランキッティ / B.ライジンガー ポルシェ 102
6 6 LMP2 P.ロング / S.マーセン ポルシェ 102
11 26 LMP2 J.ロシター / F.モンタニー Acura 96
18 66 LMP2 G.ド・フェラン / S.ペジノ Acura 94
25 15 LMP2 A.フェルナンデス / L.ディアス Acura 88

ポイントスタンディング

ドライバー:LMP2クラス

順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1 R.デュマ ポルシェ 143
  T.バーンハード ポルシェ 143
2 S.シャープ Acura 119
  D.ブラバム Acura 119
3 S.マーセン ポルシェ 77
  P.ロング ポルシェ 77
4 B.ライジンガー ポルシェ 76
  M.フランキッティ ポルシェ 76
5 C.ダイソン ポルシェ 62
  G.スミス ポルシェ 62
6 A.フェルナンデス Acura 48
  L.ディアス Acura 48
7 B.ハータ Acura 38
  C.フィッティパルディ Acura 38
11 G.ド・フェラン Acura 25
  S.ペジノ Acura 25
12 M.アンドレッティ Acura 24
13 F.モンタニー Acura 21
14 S.ヨハンソン Acura 20

シャシー:LMP2クラス

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 ポルシェ 143
2 Acura 130
3 ローラ 28
4 ラディカル 3

エンジン:LMP2クラス

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 ポルシェ 143
2 Acura 130
3 マツダ 28
4 AER 3

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