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リザルト ポイント
第4戦 ソルトレイクシティ 第5戦 ライムロック・パークview

ハイクロフト・レーシングがアキュラにALMS総合初優勝をもたらす

2008年7月12日(土)
決勝
開催地:コネチカット州レイクビル
会場:ライムロック・パーク
コース全長:2.464km

アメリカン・ルマン・シリーズ第5戦が7月12日(土)にライムロック・パークで開催され、#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラを駆るデイビッド・ブラバム/スコット・シャープ組(パトロン・ハイクロフト・レーシング)が、総合初優勝を飾った。これはアキュラにとって、アメリカン・ルマン・シリーズ参戦2季目での総合初優勝である。

パトロン・ハイクロフト・レーシングは、4月のロングビーチでの最終周でブラバムが#7 ペンスキー・ポルシェをかわして勝利したのに次ぐ、今季2度目の優勝を果たした。だが、レース序盤でシャープが数台のマシンと接触するなど、決して容易な勝利ではなかった。チームスタッフのリアウイングの素早い交換で、シャープはリードラップを保持した。

シャープから残り90分を託されたブラバムは、126周目に4番手から2番手に上がった。残り40周はチェッカードフラッグに向けての全力の走りで、ブラバムとティモ・バーンハード(ペンスキー・ポルシェ)による、周回遅れのマシンをかわしてのスリリングな競り合いは、最後まで予測不可能だった。

ブラバムは2時間45分のレース残り8分、5.5秒差でバーンハードを追っていた。そして、第1コーナーでバーンハードをアウトサイドからパスするアメリカン・ルマン・シリーズ史上に残るすばらしい走りを見せた。予選でのポールポジション獲得とアキュラにとって初となる総合優勝を飾り、パトロン・ハイクロフト・レーシングにとって夢のような週末となった。

#15 ロウズ・アキュラを駆るエイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス組(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)は、燃料節約作戦によって3番手まで順位を上げたものの総合5位、LMP2クラス4位でフィニッシュした。

#26 XMサテライトラジオ・アキュラを駆るIndyCarシリーズのスター、マルコ・アンドレッティとルマンのベテラン、フランク・モンタニー(アンドレッティ・グリーン・レーシング)は、27台のマシンの最後尾からスタート。土曜日に開催されたIndyCarシリーズのナッシュビルでのナイトレース前に参戦したアンドレッティは、8番手まで順位を上げてモンタニーにマシンを託し、総合6位でフィニッシュした。

#66 パナソニックELSサウンド・アキュラ(ド・フェラン・モータースポーツ)は、上位ポジションからのスタートだったが、苦しいレースとなった。サイモン・ペジノ/ジル・ド・フェラン組は、電気系のトラブルにより数回のピットストップを余儀なくされ、総合14位、LMP2クラス7位でレースを終えた。

コメント

デイビッド・ブラバム〔LMP2クラス優勝(総合優勝)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕

「難しいレースだった。砂が路面を舞っていて簡単にミスを起こしやすい状況だったが、勝利できてとてもうれしい。終盤のペンスキーのマシンとの競り合いは難しかった。第1コーナーの外側からティモ(バーンハード)をパスした動きは、ドライバーにとって夢の展開だ。マシンはとてもすばらしく、残り1〜2周でアウトサイドからパスできる確信があった。マシンはグリップがよく、とにかく全力を尽くすだけだった。チームにとってホームレースでの大きな勝利となり、アキュラにとってアメリカン・ルマン・シリーズでの総合初優勝となったことをとてもうれしく思う。アキュラとホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)のすべての関係者が勝利に向けて尽力した。完全に新しいオペレーションでスタートした去年を考えると驚くべき進歩だ。このライムロックでの総合優勝は、我々にとってふさわしいクライマックスとなった」

スコット・シャープ〔LMP2クラス優勝(総合優勝)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕

「すばらしい勝利だった。今回のライムロック・パークは、次週のミッドオハイオ同様に相性のよいサーキットだった。1周目の第1コーナーで1台のペンスキー・ポルシェが接近してきた。混戦に巻き込まれたくなかったのだが、マシンはコースからはじかれ、ペンスキーとアウディにかわされた。いら立ちながらも懸命のドライブを続けた。我々は早期にマシンのオーバーステアが強くなると予測していた。レース序盤のアクシデントでペジノに何が起こったのか分からないが、シケインでペジノの接触を受けてスピンした。とにかくトラブルを回避して、終盤にデイビッド(ブラバム)によい状態でマシンを託したかった。作戦も功を奏し、ダンカン(デイトン)とスタッフがすばらしい仕事をしてくれた」

ダンカン・デイトン|パトロン・ハイクロフト・レーシング チームオーナー

「初めてというのは常に難しいことで、第3戦のロングビーチは我々にとって大きな勝利だった。スコット(シャープ)が接触を受けてピットストップを余儀なくされたが、シャシースペシャリストのニック・ワースとスタッフによるタイムロスのない素早いリアウイングとフロアの交換は見事だった。そして、なによりロングビーチ同様にデイビッドの走りはすばらしかった。スコットもレース序盤、マシンから空力パーツが落ちながらもがんばってくれた。アメリカン・ルマン・シリーズのレベルはとても高く、総合優勝はとても名誉なことだ。チーム関係者を誇りに思う。我々はすでに次週のミッドオハイオでのアキュラ・スポーツカー・チャレンジにおける勝利へと向かっている」

ロブ・ヒル|パトロン・ハイクロフト・レーシング チームマネージャー

「今日のレースでは、燃料面で賭けに出ていた。レース残り2分は祈る気持ちでいた。もし燃料が足りなくなれば、大きな時間のロスとなっていた。終盤のデイビッドは、やはりデイビッドだった。デイビッドは必ず期待に応えてくれるすばらしいドライバーだ。チームにとって貴重な勝利となった」

エリック・バークマン|HPD社長

「アキュラとHPDにとってこれ以上すばらしい結果はない。フロントローでのアキュラ勢同士のぶつかり合いとなり、激しいレースとなった。我々はレース中盤の接戦に注意した。パトロン・ハイクロフト・レーシングは迅速なピット作業で、リードラップを守った。今日の勝利を実現するために最大限に尽力したロバート・クラークもきっとそうであるように、アキュラチーム関係者を誇りに思う。まだ若いアキュラチームは総合優勝を果たし、新たな歴史を刻んだ。しかし、さらに努力を続けていかなければならない。ダンカンとすべてのパトロン・ハイクロフト・レーシング関係者を祝福したい」

決勝リザルト

順位 No. クラス ドライバー マシン 周回数
1 9 LMP2 D.ブラバム / S.シャープ Acura 168
2 7 LMP2 T.バーンハード / R.デュマ ポルシェ 168
3 6 LMP2 P.ロング / S.マーセン ポルシェ 168
4 2 LMP1 L.ルーハー / M.ワーナー アウディ 167
5 15 LMP2 A.フェルナンデス / L.ディアス Acura 166
6 26 LMP2 F.モンタニー /M.アンドレッティ Acura 165
14 66 LMP2 G.ド・フェラン / S.ペジノ Acura 151

ポイントスタンディング

ドライバー:LMP2クラス

順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1 R.デュマ ポルシェ 102
  T.バーンハード ポルシェ 102
2 S.シャープ Acura 78
  D.ブラバム Acura 78
3 B.ライジンガー ポルシェ 52
  M.フランキッティ ポルシェ 52
  S.マーセン ポルシェ 52
  P.ロング ポルシェ 52
4 C.ダイソン ポルシェ 43
  G.スミス ポルシェ 43
5 B.ハータ Acura 38
  C.フィッティパルディ Acura 38
6 E.コラール ポルシェ 30
7 A.フェルナンデス Acura 28
  L.ディアス Acura 28
9 M.アンドレッティ Acura 24
10 S.ヨハンソン Acura 20
12 G.ド・フェラン Acura 17
  S.ペジノ Acura 17
14 F.モンタニー Acura 8

シャシー:LMP2クラス

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 ポルシェ 102
2 Acura 89
3 ローラ 12
4 ラディカル 3

エンジン:LMP2クラス

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 ポルシェ 102
2 Acura 89
3 マツダ 12
4 AER 3

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