リザルト ポイント
第3戦 ロングビーチ 第3戦 ロングビーチview

ハイクロフト・レーシングがLMP2クラス初優勝を飾る

2008年4月19日(土)
決勝
開催地:カリフォルニア州ロングビーチ
会場:ロングビーチ市街地コース
コース全長:3.167km

アメリカン・ルマン・シリーズ第3戦ロングビーチが4月19日(土)に開催され、パトロン・ハイクロフト・レーシングのデイビッド・ブラバムが70周目の第8コーナーでロマン・デュマ(ペンスキー・ポルシェ)をかわして、激戦のLMP2クラスを制した。パトロン・ハイクロフト・レーシングにとって、アメリカン・ルマン・シリーズ初勝利となり、アキュラにとっては2007年のシリーズ参戦開始以来、2度目の勝利となった。

第3戦はロングビーチ湾そばの、11のコーナーを配する1.968マイルの市街地コースで開催された。1時間40分のレースは、ラスト10周でブラバムがトップのポルシェを3秒差で追う展開となった。46周目にスコット・シャープから#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラを託されたブラバムは5番手から追い上げ、デュマとすばらしい接近戦を繰り広げてトップを奪った。71周で振られたチェッカーフラッグを受けたブラバムは、2位に1.036秒の差をつけて勝利を得た。チームにとっては、2週間前のセント・ピーターズバーグでの2位を上回る最高位でのフィニッシュとなった。

これによりブラバムは、アメリカン・ルマン・シリーズでの13度目の勝利を飾り、同シリーズ10年の歴史上、4クラスすべてで勝利を飾った初めてのドライバーとなった。これまでブラバムは、4クラスすべてでポールポジションを獲得した初めてのドライバーとしてアメリカン・ルマン・シリーズに記録を残しており、兄ジェフが記録した1981年と82年のフォーミュラ・アトランティックでの勝利に加えて、ブラバム家のロングビーチでの勝利数記録を更新した。

LMP2クラスでブラバムとシャープに続いたのは、チーム・ペンスキーのロマン・デュマ/ティモ・バーンハード組、パトリック・ロング/サーシャ・マーセン組と、#26 XMサテライトラジオ・アキュラを駆るブライアン・ハータ/クリスチャン・フィッティパルディ組だった。前回のロングビーチでのオープンホイールレース・ポールウイナーであるハータは、46周でフィッティパルディと交代するまで、2番手につけていた。アンドレッティ・グリーン・レーシングのスタッフのすばらしいピットワークでフィッティパルディは、ポルシェやアキュラと壮絶なバトルを繰り広げ、クラス4位でフィニッシュした。

また、18日(金)には、ド・フェラン・モータースポーツが新たなスポンサー契約を結び、サイモン・ペジノをドライバーとして起用することがチームオーナーのジル・ド・フェランによって発表された。次戦ユタ・グランプリからアメリカン・ルマン・シリーズLMP2クラスに参戦する。

コメント

デイビッド・ブラバム〔LMP2クラス優勝(総合3位)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕

「ロマン(デュマ)に対しては、かなり強引に追い抜いた。ストレートではペンスキーのマシンの方がやや速いが、コーナーでは彼らよりも速いと信じていた。今日は、なぜかいけそうな確信があったので、そのチャンスを狙っていた。最初のコーナーでシフトダウンして、次のターンまでにはペンスキーのマシンをとらえることができた。自らのスティント序盤でフロントウイングにダメージを負い、マシンの空力面ではいい状態ではなかったが、追撃を続けて、追い抜くためのスポットを探し、追い越しに成功した。ブラバム家がロングビーチのウイナーズサークルに再び戻ったことはすばらしい。パトロンのタイトルレースであり、アキュラの本拠地といえる場所で勝利できたこともとても大きい。私自身のアメリカン・ルマン・シリーズの4クラスでの勝利はとてもうれしいが、今日のチームの尽力ほどすばらしいものはない。練習走行が開始された木曜日の時点ではマシンの状態はよくなかったが、スタッフはバランス向上に努め、スコット(シャープ)とともにレースに向けて取り組んだ。私とチームにとって、最高の勝利となった」

スコット・シャープ〔LMP2クラス優勝(総合3位)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕

「デイビッド(ブラバム)のような、とてもオープンに接してくれるチームメートを得たことをとても幸運に思う。パトロンをウイナーズサークルへと導けたことがとてもうれしい。木曜日にマシンのセットアップがうまくいかず、今週はあまり走れなかったが、デイビッドはマシンをいい状態にしてくれた。私はまだ、最初の5周を使ってブレーキングポイントを見極めるような状況だ。マシンがいい状態になったと感じたあとは、安定したラップを刻めたと思う。この勝利にとても満足している。レース前にスタッフと、優勝トロフィーをほかのチームに渡したくないとね、と冗談混じりに言い合っていた。今、トロフィーは我々のスタッフに渡された。最後まで走ることができれば、我々に勝利のチャンスがあると信じていた」

ダンカン・デイトン|パトロン・ハイクロフト・レーシング チームオーナー

「今回の勝利を得るために、我々はどれだけの力を注いだのだろうか。ロングビーチでの勝利は、チーム関係者にとって大きなプレゼントとなった。去年から、我々を支援するために尽力してくれたHPDとアキュラのサポートに心から感謝している。パトロンのタイトルレースで勝利でき、彼らにとっても最高の結果となった。ロングビーチには華やかなモータースポーツの歴史があり、ここで勝利できたことを光栄に思う。木曜日はマシンのセットアップに苦戦し、決勝のために議論しなければならなかった。チーム・ペンスキーに代わって表彰台の頂点に上りつめたことは最高の気分だ」

ロブ・ヒル|パトロン・ハイクロフト・レーシング チームマネージャー

「パトロン・ハイクロフト・アキュラ・チームにとって大きな勝利となった。ロングビーチでの勝利は特別だ。ロングビーチは、CARTのガナッシ時代を考えても相性がいい場所だ。チームはまだ模索しているが、デイビッド、スコットとともに、今日の勝利に貢献したチームスタッフをとても誇りに思う。パトロンがメインスポンサーのレースであり、アキュラの本拠地近くで勝利できたことはとても特別なことだ。デイビッドのペンスキー・ポルシェに対する追い越しはすばらしく、ドライビング能力の高さを証明した」

ジャック・スパーニー|HPDジェネラルマネージャー

「この勝利は、努力の積み重ねと、HPDと我々、アキュラ・レーシング・チームのサポートの結果にほかならない。多くのスタッフの尽力がアキュラを勝利まで導いた。アキュラとHPDの本拠地であるロングビーチの表彰台の頂点に立つことはとても特別なことだ。ダンカン・デイトンとパトロン・ハイクロフト・レーシング・アキュラ・チームに、この名誉に値する賛辞を送りたい」

決勝リザルト

順位 No. クラス ドライバー マシン 周回数
1 2 LMP1 L.ルーハー / M.ワーナー アウディ 71
2 1 LMP1 F.ビエラ/ E.ピロ アウディ 71
3 9 LMP2 D.ブラバム / S.シャープ / S.ヨンハソン Acura 71
4 7 LMP2 R.デュマ/ T.バーンハード ポルシェ 71
5 6 LMP2 S.マーセン/ P.ロング ポルシェ 71
6 26 LMP2 B.ハータ / C.フィッティパルディ Acura 71
8 15 LMP2 A.フェルナンデス / L.ディアス Acura 71

ポイントスタンディング

ドライバー:LMP2クラス

順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1 R.デュマ ポルシェ 66
  T.バーンハード ポルシェ 66
2 S.シャープ Acura 56
  D.ブラバム Acura 56
3 C.ダイソン ポルシェ 37
  G.スミス ポルシェ 37
4 B.ライジンガー ポルシェ 36
  M.フランキッティ ポルシェ 36
5 B.ハータ Acura 34
  C.フィッティパルディ Acura 34
6 E.コラール ポルシェ 30
9 S.ヨハンソン Acura 20
11 M.アンドレッティ Acura 16
12 A.フェルナンデス Acura 10
  L.ディアス Acura 10

シャシー:LMP2クラス

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 ポルシェ 66
2 Acura 56
3 ローラ 9
4 ラディカル 3

エンジン:LMP2クラス

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 ポルシェ 66
2 Acura 56
3 マツダ 9
4 AER 3

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