フォーミュラレースのスタードライバーだった2人は、2007年からAMLSへの参戦を開始。今回の4時間のスポーツカーレースでも多くのファンを魅了する見事な活躍を演じた。157ラップに及ぶ激戦の末、フェルナンデスは、#15 ロウズ・フェルナンデス・レーシングの、アキュラ・ローラを駆ってLMP2クラス3位となった。#26 XMサテライト・ラジオ・アキュラARX-01のカナーンも、これに次ぐ4位でゴールしている。
強力なペンスキー・ポルシェと戦うためにラグナセカ入りしたアキュラ・ファクトリーのドライバーたちは、期待通りの力を発揮した。ハイクロフト・レーシング・アキュラのデイビッド・ブラバム/ステファン・ヨハンソン組をはじめ、アキュラの支援を受ける3台のプロトタイプマシンは、見事な走りでライバルや声援を送るファンたちに強い印象を残した。
アキュラ勢にとって、滑り出しては決してよいものではなく、ブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)とブラバムは1周目にスピンを喫してしまった。しかし両者は態勢を立て直し、上位争いに復帰する。フェルナンデスとコンビを組んだルイス・ディアスは、スタートから1時間にわたって先頭争いに加わり、残り2時間の走行をパートナーの手にゆだねた。ハータも90分でカナーンと交替し、アンドレッティ・グリーン・レーシングのペアは、2周の遅れをばん回して終盤には勝敗を争う位置に返り咲いていた。2時間を経過したところでブラバムは6位まで順位を回復し、ハイクロフト・レーシングの#9 ARX-01をヨハンソンに手渡した。ヨハンソンはただちに前を走るマシンをパスするものの、思わぬ不運によって完走を阻まれることとなった。後方からほかのマシンに接触され、ランオフエリアに飛び出してしまったのだ。マシンは修復不能となり、クラス9位でレースを終えている。
その間、フェルナンデスとカナーンは、遅いマシンを次々に抜き去りながらパワーに優るアウディや優秀なペンスキー・ポルシェと激しいバトルを展開。その過程でそろって最速ラップを塗り替えるスピードを見せつけた。
ゴールまで30分となったところで、フェルナンデスとカナーンのアキュラによる接戦が開始され、ひんぱんに位置を入れ換えながら周回を重ねていった。2台のアキュラは、優勝に手が届く位置をキープし続けたが、夕闇の中で3〜4番手に落ち着くこととなった。
ペンスキー・チームのロマン・デュマとライアン・ブリスコーが1〜2位でチェッカーフラッグを受け、フェルナンデスとカナーンがこれに続いた。
全12戦で争われたアメリカン・ルマン・シリーズはこうして幕を閉じ、アキュラ・ファクトリーの3チーム、アンドレッティ・グリーン、フェルナンデス、ハイクロフトはデビューシーズンながら、1勝(セブリング12時間)、表彰台11回、ロングビーチとヒューストンでの総合ポールポジション獲得などの成果を収めた。
アキュラはすでに2008年のアメリカン・ルマン・シリーズに向けて活動を開始し、ARX-01シャシーと3.4リッターV8エンジンの開発に着手している。 |