ACCORD to the future by Takuma Sato

未来との調和、アコード

時代が要請する先進テクノロジーを纏い、セダンを根本から問い直す進化を遂げたアコード。
その実力を、世界三大レースといわれるインディ500で2度優勝するという偉業を成し遂げた
レーシングドライバー佐藤琢󠄀磨選手に試していただいた。
佐藤選手は、2020年に登場した先代アコードのインプレッションも経験しているため、
その進化のほどをより的確に実感いただけるはずである。

次のステップに行ったと
感じる先進性

アコードは、ドライビングの面でも先進技術を搭載しているのですが、やはりクルマを運転する上で最も重要と言える安心・安全のための技術進化を試すことができたのが印象的でした。
Honda SENSING 360という、安全運転支援システムを搭載しているのですが、ウインカーを出すだけで車線変更のステアリング操作を支援してくれたり(車線変更支援機能)、車線変更時、後方からクルマが来る時は衝突を抑制するために、ステアリング制御で元の車線に戻してくれます(車線変更時衝突抑制機能)。このときのクルマの動きがすごく自然で、安心感を感じることができました。
また、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)で走行しているとき、カーブに差しかかったら自動的にカーブの曲率に合わせて減速する制御も安心感のあるものでした。
さらに、今回のインプレッションでは体験しませんでしたが、見通しの悪い交差点で左右前方から交差車両が接近していることも知らせてくれるそうです(前方交差車両警報)。こうした交差点での出会い頭事故は多く発生しているので、そこに着目した技術は素晴らしいと感じました。

Honda SENSING 360の車線変更時衝突抑制機能

Honda SENSING 360の車線変更時衝突抑制機能

そして Google 搭載も試してみましたが、すごかったですね。とにかくレスポンスが早い。僕が言ったことを、すぐに聞き取って答えをくれます。インプレッション映像では、エアコンの温度を変えたり目的地を設定していましたが、実はこれ以外にもいろいろと試しました。Google の機能がクルマについていること自体が進んでいるのですが、実際に使ってみると本当にレスポンスが良くて、音声のナビゲーションもそうですし、実際に画面にタッチした感じもそうですし、やっぱりこれは次のステップにいったなと感じました。

Google 搭載により、道路から目を離さずステアリングホイールを握ったままエアコンの温度調節や、スマートフォンで使い慣れたアプリをクルマでも使用可能(停車してGoogle アシスタントを利用しています)

Google 搭載により、道路から目を離さずステアリングホイールを握ったままエアコンの温度調節や、スマートフォンで使い慣れたアプリをクルマでも使用可能(上の写真は停車して Google アシスタントを利用しています)

走りも先進、安心感と
楽しさが飛躍的に向上した

先代のアコードもインプレッションさせていただいて、とてもシャシーのバランスがよくて、ペースを上げていってもまったく破綻する感じがなく、安定して曲がりとても好印象だったんです。
さて、その走りがどれほど進化しているかなと今回のインプレッションに臨んだのですが、いや、本当に驚きました。シャシーのバランスのよさがさらに高められているだけでなく、ダンパーの減衰力を自動で変化させるアダプティブ・ダンパー・システムで4つのタイヤの接地性が高められていましたし、さらに、モーションマネジメントシステムで、クルマのフロントタイヤにかかる荷重を増やしてステアリング操舵の効きと手応えを向上させてくれるので、驚きの旋回性能でした。これならワインディングでもハンドリングを楽しめるでしょうし、高速道路のタイトなコーナーでも自然に、より安心して曲がれると思います。
せっかくのサーキットなので、ちょっとペースを上げてみましたが、スポーツカーのような走りも可能でした。こんなに走るセダンは多分ないと思います。アコードの先進技術、すごいです。きっとみなさんも驚かれると思います。

クローズドコースを駆け抜けるアコード。きわめてロールが少なく、フラットな姿勢を保ったまま安定して旋回していく

クローズドコースを駆け抜けるアコード。きわめてロールが少なく、フラットな姿勢を保ったまま安定して旋回していく

そして今回の試乗で、セダンのよさをあらためて実感しました。低くてワイドでロング。このボディー形状はまず空力性能がいいですし、非常にクルマ自体を軽く作ることができて、燃費の向上にもつながります。乗降性もいい。さらにトランクがリアシートで仕切られていますから、静粛性にも優れていますし、キャビンがエレガントな雰囲気で快適に過ごせる。低重心ですから、何より走りが楽しいです。

e:HEVも驚きの進化。
開発者は本当にクルマ好きだと感じた※e:HEV:イー エイチ イー ブイ

走りでもうひとつ感動したのが、e:HEVの新たな乗り味です。バッテリーのマネジメントの見直しと、モーターがよりトルクフルになったので、低速からアクセル操作に対して、非常にリニアにすばやくレスポンスするのがまずいいところです。
そしてもう一つ。アクセルを踏んで加速すると、エンジンの回転が車速とともに上がっていき、まるでマニュアルトランスミッションでシフトアップするみたいに、エンジン回転がステップアップするんです。これがすごく気持ちよかった。と同時に、開発メンバーのみなさんは、マニュアル車のような演出をするのだから、よほどのクルマ好きなんだなと感じましたね。リニアシフトコントロールというそうなのですが、本当に気持ちいいですよ。まるで、本当にエンジンで走っているような、そんな錯覚になりました。

まるでシフトアップするような心地よいエンジン音とともに力強い加速を楽しめる

まるでシフトアップするような心地よいエンジン音とともに力強い加速を楽しめる

減速セレクターでアクセルオフしたときの減速度を調節

もうひとつ面白かったのは、減速セレクターです。ステアリングの後ろのパドルで、アクセルオフしたときの減速度を調節する機能です。これまでの4段階から6段階になってより細かく設定できますし、最大の減速力も上がっていますから、かなりの減速が可能です。おそらく日常の交差点やワインディングで減速と加速を繰り返すようなシチュエーションでは、本当にアクセルペダルだけで運転できそうですね。ブレーキペダルを踏まなくていいので、慣れると本当に楽です。
なおかつ、減速はモーターによる回生エネルギーを使うので、運動エネルギーを無駄にしなくて済みます。普通のブレーキは、運動エネルギーを熱に変えて捨てているので、それに対して効率がよくてエコです。バッテリーがいっぱいになって回生できないときもあきらめずに、ブレーキで同様の減速をしてくれるのでいつでも減速セレクターが有効に機能します。回生できなくなると減速をあきらめるクルマもありますので、そのあたりはさすがHonda、人を中心に考えているなと思いました。

アコードは、クルマの未来の入り口に立っている

今回、クルマの細かな動きの質をじっくりと味わってみて、アコードのエレガントかつダイナミックな走りは、長年Hondaが自動車メーカーとして積み上げた技術の蓄積があって実現したものだと感じました。そして、先進技術に支えられて大きな飛躍を遂げたアコードは、これからのクルマの未来の入り口に立っているという、そんな印象を受けました。安心・安全で、楽しい。やはりこの楽しさはHondaならではだと感じました。

■ Accord. With the future. 佐藤琢󠄀磨のインプレッション映像

  • レーシングドライバー佐藤 琢󠄀磨

    鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)を経て、2002年にF1にデビューし、2004年に3位表彰台を獲得。2010年にはインディカーに参戦。2017年、2020年に世界三大レースのインディ500で2度の優勝を飾る。現在は、レーシングドライバーとして活動する傍ら、鈴鹿サーキットレーシングスクールのプリンシパル(校長)と、HRCのエグゼクティブ・アドバイザーも務める。

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■ Honda SENSING 360は、ドライバーの運転支援機能のため、各機能の能力(認識能力・制御能力)には限界があります。各機能の能力を過信せず、つねに周囲の状況に気をつけ、安全運転をお願いします。

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