オデッセイの顔を、精緻さと造形の奥深さで輝かせる。

開発ストーリー

黒く引き締まったアッパーグリル。 スポーティーかつ色気のある表情を見せるミドルグリル。 ハニカムメッシュを採用するなど、 ベースモデルとは大きく印象が異なるフロントグリルは、 いかにして誕生したのか。 企画・開発に携わった4名の話から、 フロントグリルに込められた想いや狙いを浮き彫りにしていく。

イメージ写真:オデッセイ フロントグリル

スポーティーで色気のある表情に。

CONCEPT

大濱

オデッセイがこれまで支持されてきた理由として、他のミニバンと比べて低床で、スポーティーで走りも楽しめる。その走りの良さを外観でも表現しているからこそ、支持されてきたのだと思います。いま巷のミニバンの外観は、メッキ面積を広く取り過剰に押出し感の強い顔が溢れています。 ただオデッセイのお客様はそういう嗜好ではない、とチームで感じていました。過剰にメッキの面積を広くして主張させるのではなく、造形的な立体感や抑揚によって魅せるグリルにしたいという想いがありました。今回スポーティに加えて「色気」をキーワードとしていますが、立体感を出し「彫りの深い顔」の様にコントラストをはっきりさせることで「色気」を表現しています。

デザインプロジェクトリーダー:大濱 裕史
デザインプロジェクトリーダー 大濱 裕史

金子

ライバル車と同じ土俵で戦うのではなく、もっと別の「スポーティー」なアブソルートの強みの部分を尖らせたい、というのが当初からチームの意志としてありました。

大濱

チームで話し合い「押し出し感」「スポーティー」「色気」というコンセプトを打ち出したのですが、今回ベースモデル自体、フードが90°近く立っていて、押し出しという部分は出ているので、私たちはそこを前提として特に「スポーティー」と「色気」という部分により比重を置いてデザインを考えていきました。

セールスプロジェクトリーダー:金子 健
セールスプロジェクトリーダー 金子 健

ブラックで顔を精悍に引き締める。

UPPER GRILLE
イメージ写真:オデッセイ アッパー

大濱

まず、アッパーを黒にして引き締めたいという考えがありました。さらに、スポーティーに見せたい、ということから、メッキの位置を全体で見た時に低いポジションに設定し、重心を低くロー&ワイドに見せることを意識しています。 全体としてブラックフェイスのスポーティーな顔の中に、一本手の込んだ造形のメッキをつけるという狙いです。そこはもうチームでコンセプトを立てる段階から、考えていたところです。

イメージ写真:オデッセイ メッキを低い位置に設定し、ロー&ワイドを演出。

ブラックで顔を精悍に引き締める。

UPPER GRILLE
イメージ写真:オデッセイ

大濱

数あるミニバンラインアップの中から、あえてオデッセイを選ぶという方は、嗜好性が強い方だと思うんです。そこで、独特の色気とかクセを出したいと考え、立体感や抑揚のある造形を目指しました。他のミニバンだと、メッキはわりと平面的で、面積や量で見せているものが多かったので、そうではないアプローチをしていこうと。 抑揚の部分でいいますと、メッキ全体としてはヘッドライト端に向かってキャラクターラインを伸ばし、ワイドに見せる表現をしています。 また、両端から斜め下に向かって根を張るような造形により、ミニバンとしての力強さを表現しています。この2つの造形が交わる部分をネガ面にすることで、光が当たった際の陰影を創り出しています。このあたりはクレイモデルでいろいろと苦労した点です。

松本

今回は、シンプルな中にも抑揚があり、上質さを感じる形状を、ワイド感や色気というキーワードを意識して造っています。データモデリングとも並行して造形していたので、クレイで変化点があれば、その都度、データでどのように表現していくかをチームで話し合い反映していきました。もちろん、作成したデータは画面上で確認しますが、面に光が当たった際の反射や陰影・写り込みなどはメッキの表現での重要な要素になるので、実物でも確認しながら、理想のカタチに近づけています。

大濱

私がスケッチを描き、渡して終わりというのではなく、そこからクレイやデータを見ながら日々進化していきました。

クレイ作業に使われる様々な工具。中には自作の工具も。修正点は常にチームで共有され、すぐにクレイ作業に落とし込まれる。
クレイ作業に使われる様々な工具。中には自作の工具も。
修正点は常にチームで共有され、すぐにクレイ作業に落とし込まれる。

ワイド感のあるメッシュから、精緻で奥深い表情を引き出す。

MIDDLE GRILLE [HONEYCOMB MESH]
イメージ写真:オデッセイ メッシュ部分

大濱

今回ハニカムメッシュを採用した理由としては、やはりメッシュというのはスポーティーさの象徴であるという点。また、ベースモデルとの違いも出せると考え採用しました。

金子

チームの意思として、変わり幅を大きくしたいというのが最初からありました。ベースモデルとのデザインの違いがないと、購入意欲向上につながらないというケースが他の車種でもあったためです。

大濱

デザインの狙いでいうと、「色気」とか「立体感」というところにつながりますが、通常のメッシュよりも奥行きをちゃんと出して立体感をつけることを重視しました。ひとつのメッシュを見ても上下で太さを変えたり、横から見ると分かりますが、それぞれのメッシュが入り組んだ形状になっています。こういった奥行の変化を意図的につくって光が当たった時のコントラストを生み、立体感のある精緻で複雑な形状を表現しています。 また、メッシュの奥に壁があるところと空いているところがあるのですが、この壁も単純な平面だと面が光りすぎて目立ってしまうので、横に溝を入れたり、ひとつひとつ角度にも変化をつけて見え方をコントロールしています。こういったこだわりをぜひ現物で見ていただきたいですね。

クレイ作業に使われる様々な工具。中には自作の工具も。修正点は常にチームで共有され、すぐにクレイ作業に落とし込まれる。
検討中のクレイモデル。

山田

どういった光を受けるのか、目立たないようにするためには、といった部分を調整しながら、メッシュの壁は一枚ずつ角度を変えています。メッシュの造形は細かい作業になるため、基本的にデジタルで形状を検討しています。

大濱

さらにこだわったポイントでいうと、全体として「ワイド」というのがキーとしてあったので、上のメッキの造形に関しても、メッシュの造形に関しても基本はワイドを意識しています。

山田

メッシュひとつひとつのピースの幅についても、今回ワイドに見せるというところで、最適なバランスを考えてかなり細かく調整を入れています。

松本

そうして作成したメッシュ形状を3Dプリンターで出力し、実際にクレイモデルにはめてみてどう見えるか、という確認・検証もチームで繰り返し行いました。メッシュのバランスはもちろんですが、面の傾きを微妙に変えるなどの一見変化が無いような調整でも、光の当たり方が変わることで視覚的にはかなり効いてくるので、一回や二回ではなく、何度も何度も検証しています。

金子

これだけハニカムメッシュの面積を大きくしたり、デザインを大幅に変えた事例は、無いですね。

イメージ写真:検証を重ねたハニカムメッシュの3Dプリンターモデルのバージョン1から3
検証を重ねたハニカムメッシュの3Dプリンターモデル。

主張しすぎず、所有感を高める。

EMBLEM
イメージ写真:オデッセイ エンブレム

大濱

グリルを開発することが決まったチーム活動の段階で、エンブレムは入れようと決めました。やはりエンブレムひとつとっても、過度に主張させすぎたくない、というのはありました。とはいえ離れてみた時に小さくて分からないというのは良くないので、ちょうど良いサイズ感を探りました。

金子

実際、車両のターゲットである40代以上の男性を社内で何名か集めて、モックに何パターンかあてがい、どれがいいのか調査を行ってサイズを決定しました。

大濱

アブソルートの文字の色は、グリルのダーククロームメッキの色味と合わせ統一させています。サイズにしても色にしても、主張しすぎず、それでいてユーザーが所有感や特別感を十分に感じてもらえることを目指しました。

エンブレムをモックにはめてサイズを検証。

PROFILE

  • セールスプロジェクトリーダー

    金子 健

  • デザインプロジェクトリーダー

    大濱 裕史

  • デジタルモデラー

    山田 紀織

  • クレイモデラー

    松本 理沙