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CVCCエンジン発表 / 1972

世界のビッグメーカーに先んじた低公害エンジンの開発

CVCCエンジン発表 / 1972

CVCCの全容発表に大きな反響

1972年10月11日は、Hondaにとって記念すべき日となった。東京・赤坂プリンスホテルにおいて、CVCCエンジンの全容が国内外のジャーナリストに発表されたのである。会場は、低公害エンジンを印象付けるためにブルーのパネルで飾られ、澄み切った青空が表現された。

この発表会には、社長の本田をはじめとする各役員、開発担当者が出席し、CVCCエンジンについて、その開発過程やエンジン特性、燃焼理論が紹介された。同エンジンの特長として挙げられたものは、

①従来のレシプロエンジン本体をそのまま使うことができるため、現在の生産設備が活かせる。また、シリンダーヘッドから上を交換するだけで済むので、他メーカーのエンジンに応用でき、広く低公害化が図れる。
②エンジン内部できれいな燃焼をするため、触媒などによる排出ガス浄化装置は不要で、2次公害の恐れがない。

などであり、本田が開発当初から目指していたエンジンになったことを明らかにした。
この時点で、CVCC方式の原理に関する総合特許、ならびに周辺技術を含めて、230件の特許出願が既になされていた。

「他社にも良い研究はありましたが、それを実現する技術がありませんでした。Hondaは、全部自分たちで考え、研究し、その技術を確立したのです」
と、本田の教えである『自前技術』の大切さを八木は語る。

この発表は、国内外に大きな反響を呼んだ。
米国EPAからは、早速、CVCC搭載車の提出要請があり、ミシガン州アンナーバーにあるEPAのエミッション・ラボに3台が送られた。3台のうち2台は1万5000マイル走行車、もう1台は5万マイル耐久テスト完了車が持ち込まれた。立会いテストは1972年12月7日から14日まで行われ、1975年規制のマスキー法合格第1号となった。

「テストでは、日産のサニーにHondaのCVCCエンジンを積んでデータを採りました。まだ、HondaにはCVCCエンジンを積める大きさの車体がなかった。重量合わせのために、サンドバッグを積み込んだのです」
と、アンナーバーで現地責任者を務めていた溝口健は言う。
当時Hondaでは、シビックを7月21日に発表したばかりで、やむなく、テスト時から使っていた他社の車体での適合テストとなったのである。

本田は、かねてから公害対策技術は公開する方針を表明しており、CVCC技術は他の自動車メーカにも公開した。これに呼応して、トヨタ自動車からの問い合わせがあった。トヨタの技術者が技術研究所へ来所し、クルマの試乗、技術内容の説明などを受けた。トヨタはCVCC技術を評価し、同年12月13日、技術供与に関する調印が行われた。

「トヨタが最初というのは、CVCCにとっても、Hondaにとってもプラスが大きかった。トヨタに技術供与をしたと新聞に出たら、すぐに国内や米国メーカーからも引き合いがありましたからね」
と、技術供与に関する対外交渉の実務責任者であった吉澤幸一郎は言う。

その後、フォード・クライスラー・いすゞの各メーカーにも技術供与されたが、この間、技術研究所には世界の主要自動車メーカーの技術者が続々と来訪した。

1973年3月19日、EPAの公聴会がワシントンで開催された。これはマスキー法を予定通り実施するか否かを決めるため、自動車メーカーからの証言を聞くものであった。この公聴会で、1975年規制を達成可能と証言したのは、Hondaと東洋工業(現、マツダ)だけであった。

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1973年3月19日にワシントンの農務省ホールで行われたEPA公聴会〔写真提供 伊達たすく(たすく)氏〕

「公聴会で、『Hondaは本当に1975年規制適合車ができるのか。できるのならば、HondaはGMなどにCVCCエンジンを供給できるのか』と言われた。Hondaは自分のところが手いっぱいで、GMに供給できる力は、あのころはなかったですよ。とても悔しい思いをしましたね」
と、公聴会に出席していた伊達は言う。

公聴会の結果、マスキー法の実施は延期されることに決定した。

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