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CVCCエンジン発表 / 1972

世界のビッグメーカーに先んじた低公害エンジンの開発

CVCCエンジン発表 / 1972

CVCCと命名

N600の研究が終了し、有害成分が減少するめどが立った知らせを聞いた本田は、低公害エンジンを公表すると宣言した。

早速、新エンジンの名前を決めることとなり、技術研究所の応接室に伊達、八木、中川らが集まり、公表直前に、『CVCC・複合渦流調速燃焼』と命名された。

「この時点では、めどが立ったとはいえ研究が進行中でしたから、当然、特許申請もまだ途中でした。そんな中での公表ということで、名前から構造の一部でも分かるようなことがあってはならないと思いましたし、燃料供給方式もまだ決まっていませんでしたので、ユニークでパンチの効いた名前にしようと考えました」(伊達)。

C(Compound)は、エンジン機構として、燃焼室が主燃焼室と副燃焼室の二つがあることから、『複合・複式』を表す。
V(Vortex)は、副燃焼室で燃焼した火炎がトーチノズルを通して主燃焼室に噴流となって噴出すると、主燃焼室内に渦流を起こし、エンジンの燃焼速度を早める作用をすることから、『渦流』を表す。
CC(Controlled Combustion)は、燃焼速度を適正コントロールすることから、『調速燃焼』を表す。

研究途中での公表について八木は言う。
「本田さんは『君たちに聞いても、もうこれで完成したとはいつまでたっても言うはずがない。それを待っていたのでは会社がつぶれる』とおっしゃって、めどが立った段階での公表に踏み切ったのです。
Honda流に言う、2階に上げて梯子を外す式で、CVCCの公表による従業員の士気高揚と、研究開発の進展を促したものだと理解しています」。

1971年2月12日、本田は東京・大手町の経団連会館で記者会見を行い、
「1975年の排出ガス規制値を満足させるレシプロエンジン(CVCC・複合渦流調速燃焼方式)開発のめどが立ったので、1973年から商品化する」
と発表。このエンジンでマスキー法クリアのめどが立ったことを示唆したのである。同時に従業員に向けても2月26日発行のホンダ社報臨時号で、CVCC技術でマスキー法を達成できる見通しであると知らせた。

しかし、残された課題は多く、まず第一に副燃焼室付エンジンとしての技術概念、実用車エンジンとしての有効性を実証しなければならなかった。当時開発中の小型乗用車・シビックへの搭載を前提に、エンジンの排気量を決定することとしたものの、過去のシミュレーション結果やデータから、マスキー法をクリアするためには、負荷のほぼ全域をA/F=20付近で運転しなければならないことから、2000ccのCVCCエンジンを開発する必要があるとの判断がなされた。

エンジンの開発記号は"993"と称され、企画開始から2カ月という短期間で、試作エンジン1号機が完成。その後、埼玉製作所(現、和光工場)の協力を得て、100台が製作され、ベンチでの基本性能テスト後、日産・サニーのフレームに搭載し、シャーシダイナモ上のテストに入った。

副燃焼室方式による希薄燃焼では、当初予測していた通り、CO・NOx・HCの減少は図られたが、HCについてはマスキー法1975年度規制値には及ばなかった。しかし、その後の排気系(マニホールド)の研究と、主・副燃焼室の組み合わせや燃料の供給方法で、排出ガスの保持熱により排気管内での酸化反応が起きて、HCの低減を図ることができた。これにより酸化触媒装置なしで、マスキー法規制値をクリアできるめどが立ったのである。

米国EPAでは、5万マイル走行後での規制値達成を義務付けており、あらゆる条件下でも適正な混合気が供給できる燃料供給装置、排気管内でより安定した酸化反応を起こさせる構造と耐久性の研究が、引き続きなされた。

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