MENU
HONDA
検索

シビック発表 / 1972

開発者の『想い』をカタチにしたこだわりのクルマ

シビック発表 / 1972

世界のベーシックカーへと飛躍

社内での評価と同様に、さすがにお客さまも、シビックのスタイリングには戸惑い気味だったようだ。それを表すかのように、シビックは発売当初、爆発的な売れ行きは示さなかった。しかし、3ドアGLが発売されるやいなや、若者たちを中心に人気を博し、月に1万2000台以上を生産するほどの大ヒットを記録した。発売した年の1972年は残りが5カ月だったため、2万1000台の年間販売にとどまったが、翌1973年には8万台、1974、1975年は2年続けて6万台を超える販売台数を記録した。

Photo

1972年に発売されたシビックは、モーターファン誌主催の日本カー・オブ・ザ・イヤーを3年連続して受賞するという偉業を成し遂げた

そして、1972年から1974年まで、異例とも言える3年連続の日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞を成し遂げた。また、カナダでは1976年から1978年にかけて、連続28カ月間も輸入車台数第1位を記録するなど、その革新性は国内・外を問わず、高く評価されたのである。

特に海外での評価を決定付けたのは、1970年に可決された米国のマスキー法による排出ガス規制に、1974年11月、どのメーカーよりも早く適応したことだった。

こうした対応を可能にしたのは、河島が提唱した新しい開発システムがスタートしたことによるところが大きかった。その最大のポイントは、R研究とD開発の完全分離であった。クルマ自体の開発は、これまでの経験ある技術の組み合わせとするD開発で行い、一方でCVCCエンジンのような超大型の新技術のテーマはR研究として展開した。

また同時に、プロジェクトメンバーと経営のトップが対等の立場で、技術に対してお互いの意見を戦わせる"評価会制度"も設けられ、開発の質や精度、期間の短縮などに大いに貢献することになった。そして、そのシステム自体は、現在までも脈々と受け継がれている。

この新システムの下に開発された低公害のCVCCエンジンは、シビックに搭載され、1973年12月に発売された。それは、米国では消費者の利にかなったクルマとして評価を高めていった。

当時の米国は、折しも環境問題によって、ガソリンが有鉛のものから無鉛のものへと、規制に沿った形で変わりつつあるタイミングだった。必然的に自動車メーカーが出す新型車は、無鉛ガソリンだけに対応したものになっていった。しかし、1973年は第1次石油危機の影響で、無鉛ガソリンの全米への十分な供給がなされていなかったため、消費者は無鉛ガソリンを扱っているスタンドで列をつくった。触媒が付いている無鉛ガソリン対応の新型車は、有鉛ガソリンを入れると鉛が触媒の表面に皮膜をつくってしまうため、無鉛ガソリンでしか走ることができなかった。ところが、シビックのCVCCエンジンは、排出ガスを根本からクリーンにする機構を採用していたため、触媒は付いていなかった。つまり、どちらのガソリンでも走ることができたのである。

「シビックのキャンペーンでは"ANY KIND OF GAS(どの種類のガソリンでもどうぞ)"がうたい文句でした。このCVCCエンジンのキャンペーンの効果で、お客さまに『Hondaは非常に高い技術力を持っている』という良いイメージを伝えていったのです」
と、当時、アメリカン・ホンダ・モーターで4輪車の営業を担当していた宗国は言う。

しかも、車体を含めた軽量化による燃費向上によって、シビックは、お客さまを"スタンドの列に並ぶ煩わしさ"から開放した。

そして、米国環境保護庁(EPA)の燃費テストでは、1974年から4年連続してナンバーワンの燃費を記録したのである。

こうしてシビックは、後のHondaの、小型車のベースとなったばかりでなく、ジャーナリズムや石油危機、価値観の多様化など、その時代を取り巻く環境の変化をも味方に付け、文字通り世界のベーシックカーへと大躍進を遂げたのだった。

Hondaのチャレンジングスピリット

エキスパートを生み出すシステム
  1. エキスパートを生み出すシステムエキスパートを生み出すシステム
  2. 技術研究所の分離・独立 / 1960技術研究所の分離・独立 / 1960
  3. 私の記録、資格制度の導入 / 1960私の記録、資格制度の導入 / 1960
ついに果たした四輪業界への進出
  1. ついに果たした4輪業界への進出ついに果たした4輪業界への進出
  2. S360・T360発表 / 1962S360・T360発表 / 1962
  3. 4輪車の販売体制づくり / 19664輪車の販売体制づくり / 1966
  4. N360発表 / 1967N360発表 / 1967
  5. Honda1300発表 / 1968Honda1300発表 / 1968
  6. CVCCエンジン発表 / 1972CVCCエンジン発表 / 1972
  7. シビック発表 / 1972シビック発表 / 1972
  8. アコード発表 / 1976アコード発表 / 1976
世界に市場を求め、需要のある所で生産する
  1. 世界に市場を求め、需要のある所で生産する世界に市場を求め、需要のある所で生産する
  2. アメリカン・ホンダ・モーター設立 / 1959アメリカン・ホンダ・モーター設立 / 1959
  3. ベルギー・ホンダ・モーター設立 / 1963ベルギー・ホンダ・モーター設立 / 1963
  4. ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング設立 / 1980ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング設立 / 1980
展開期に向けての爽やかなバトンタッチ
  1. 展開期に向けての爽やかなバトンタッチ展開期に向けての爽やかなバトンタッチ
  2. 本田・藤澤両トップ退任、河島社長就任 / 1973本田・藤澤両トップ退任、河島社長就任 / 1973
先進性・独創性にあふれた技術・商品群
  1. 先進性・独創性にあふれた技術・商品群先進性・独創性にあふれた技術・商品群
  2. 長円形ピストン・エンジン / 1979長円形ピストン・エンジン / 1979
  3. ホンダマチック・トランスミッション / 1968ホンダマチック・トランスミッション / 1968
  4. カーナビゲーションシステム / 1981カーナビゲーションシステム / 1981
  5. エアバッグ・システム / 1987エアバッグ・システム / 1987
  6. 舵角応動型4輪操舵システム(4WS) / 1987舵角応動型4輪操舵システム(4WS) / 1987
  7. VTECエンジン / 1989VTECエンジン / 1989
  8. MEエンジン(G100・150・200・300・400)シリーズ / 1977MEエンジン(G100・150・200・300・400)シリーズ / 1977
  9. ZEエンジン(GX110・140・240・270・340)シリーズ / 1983ZEエンジン(GX110・140・240・270・340)シリーズ / 1983
  10. DREAM CB750FOUR / 1969DREAM CB750FOUR / 1969
  11. CG125 / 1975CG125 / 1975
  12. ロードパル / 1976ロードパル / 1976
  13. シティ / 1981シティ / 1981
  14. NSX / 1990NSX / 1990
  15. オデッセイ / 1994オデッセイ / 1994
  16. 電気自動車・Honda EV PLUS / 1988電気自動車・Honda EV PLUS / 1988
  17. 携帯発電機・E300 / 1965携帯発電機・E300 / 1965
  18. 歩行型芝刈機・HR21 / 1978歩行型芝刈機・HR21 / 1978
  19. ミニ耕うん機・F200『こまめ』 / 1980ミニ耕うん機・F200『こまめ』 / 1980
ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術
  1. ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術
  2. ホンダエンジニアリング設立 / 1974ホンダエンジニアリング設立 / 1974
  3. 世界一コンパクトな溶接ライン / 1982世界一コンパクトな溶接ライン / 1982
  4. 箱物部品のモジュールトランスファーライン / 1981箱物部品のモジュールトランスファーライン / 1981
  5. 塗装自動化ライン / 1988塗装自動化ライン / 1988
レースへのあくなき情熱
  1. レースへのあくなき情熱レースへのあくなき情熱
  2. 鈴鹿サーキット完成 / 1962鈴鹿サーキット完成 / 1962
  3. 2輪世界GP参戦 / 19792輪世界GP参戦 / 1979
  4. F1参戦 - 第1期 - / 1964F1参戦 - 第1期 - / 1964
  5. F1参戦 - 第2期 - / 1983F1参戦 - 第2期 - / 1983
  6. インディカー・レース参戦 / 1994インディカー・レース参戦 / 1994
  7. ツインリンクもてぎ誕生 / 1997ツインリンクもてぎ誕生 / 1997
アイデアを出して大いに遊ぶ
  1. アイデアを出して大いに遊ぶアイデアを出して大いに遊ぶ
  2. 創立15周年を京都で祝う / 1963創立15周年を京都で祝う / 1963
  3. オールホンダ・アイデアコンテスト開催 / 1970オールホンダ・アイデアコンテスト開催 / 1970
自然と人々と社会との共生
  1. 自然と人々と社会との共生自然と人々と社会との共生
  2. 安全運転普及本部発足 / 1970安全運転普及本部発足 / 1970
  3. Honda・フランツ・システム車の開発 / 1982Honda・フランツ・システム車の開発 / 1982
  4. ホンダ太陽・希望の里ホンダ・ホンダR&D太陽設立 / 1992ホンダ太陽・希望の里ホンダ・ホンダR&D太陽設立 / 1992
  5. ふるさとの森づくりスタート / 1977ふるさとの森づくりスタート / 1977
  6. 『お礼の会』開催 / 1991『お礼の会』開催 / 1991