ポータブル発電機の市場をつくり上げたベストセラー商品
1963年ごろ、汎用部門は耕うん機・船外機に続く発電機関連商品の充実を模索していた。そして、当時の一般家庭における電化製品の普及と、レジャー時代の到来といった時代背景に見合った製品として、携帯発電機の開発が求められ、それによる新しい市場の構築が期待されたのである。
1965年1月に発売されたE300のカタログ。片手で持ち運べる発電機であることが分かる
かつてHondaは、需要に先行して、小型の携帯発電機・E40を開発した。その小型軽量で防音型パッケージの携帯発電機には、さまざまの画期的な技術の粋が込められていたが、商品化には至らなかった。
この開発を通して蓄積された技術をベースにして、E300は企画された。出力300ワットで、"小さく、軽く、静かであり、そしてあくまでも使いやすさを重視した発電機"にこだわって、その開発がスタートしたのである。
新分野の商品であるため、E300の用途や新聞広告のアイデアを従業員から募集。その優秀作品がホンダ社報No.116(1966年4月発行)に掲載された
E300・EM300・ED250の仕様諸元等が掲載されたカタログ