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S360・T360発表 / 1962

Hondaの4輪進出への道をつくったクルマ

S360・T360発表 / 1962

Honda初の4輪専用工場建設

本格的に4輪車生産を行うには、当時の埼玉・浜松・鈴鹿各製作所の既存工場での生産規模・設備では限界があった。量産とはいえ、手づくりに近い生産であり、その結果、コスト高などの問題が表面化してきた。

藤澤は1964年1月発行のホンダ社報特別号で、
「現在の設備では、T360・S500を合わせて月産5000台が限度ではないかと思う。それ以上、生産するとなると、工場、設備を拡張せざるを得ないと考えている」
と語り、4輪車生産専用工場の必要性を述べている。
このころ、関係者は既に新工場建設予定地を探そうとしていた。そのきっかけは、当時、白子工場内にあった工機製作所の移転計画であった。1963年9月2日、工機製作所特別計画室が発足、工場用地探しが始まった。2番目の候補地であった埼玉県の川越・狭山工業団地内の約6万8000坪の区画を購入すべく、交渉を開始した。

同工業団地は、川越市と狭山市にまたがる75万2000坪という大規模なものであった。西武鉄道新宿線・南大塚駅に近く、開通したばかりの首都圏環状道路・国道16号線に隣接し、高速道路・関越自動車道の建設が予定されていた。和光地区にも近く、陸上輸送や通勤の面でも適所であった。

交渉がほぼまとまりかけた時、新4輪工場建設計画が急浮上してきた。1964年2月、同工場建設のための特別計画室が埼玉製作所内で発足し、工場建設の検討が始まった。

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狭山製作所のレイアウト図

初の本格4輪量産工場を目指し、建設候補地の要件として、
①2輪に比べ、4輪は部品点数が約10倍と多いことから、Honda創業以来のお取引先(部品メーカー)の協力が得やすい場所
②T360・S500の立ち上げ経験から、研究開発(D)と製造(E)部門が一体感を持って取り組む必要があり、技術研究所と距離的に近い場所
③部品の納入や完成車の搬出など、物流に適した場所
などが挙がった。

工機工場建設予定地は、これらの要件と合致するとともに、生産技術部門とも一体感を持てることから、工機工場に隣接して4輪工場を建設することを決定。それぞれの特別計画室も、同年6月、狭山特別計画室として合体した。将来の4輪工場の拡大にも備えて、工場用地は合計で11万5000坪となり、埼玉製作所の約4倍の広さとなった。

工場全体の構想は、無窓・完全空調を備えた最先端工場の鈴鹿製作所をモデルとし、4輪車専用工場としての要件を踏まえた上で計画された。4輪組立工場(溶接・塗装・完成車組立・完成車検査)と、それに必要な生産設備をつくる工機工場(工機製作所)、将来のプレス・鋳造・樹脂加工の内作化を考慮した金型工場を有機的に隣接させるとともに、食堂、動力棟、厚生施設などが、3分割された敷地に整然とレイアウトされた。

1964年5月に造成、6月より建設が始まり、11月には完成した。

当時、工機製作所特別計画室で用地選定から工場建設に携わった細田克美は、
「計画立案から工場の操業開始まで時間がなく、突貫工事となりました。Hondaの建設日程に間に合わせるために、川越・狭山工業団地全体の造成工事計画の中で、特に、Hondaが購入する区画の造成工事、入間川への排水本管の敷設、国道16号線からの取付道路とHondaの用地周辺道路の舗装等の完成を優先してもらうよう、埼玉県の企業局へ日参し、要望をかなえていただきました。従って、Hondaが操業を開始した時点では、他の区画は、まだ造成中だったのです。
また、日々の通勤を考え、工場の操業開始までに、工場に近い場所に新駅をつくってもらわなければならなかったため、西武鉄道との交渉も大変でした」
と語る。
当初、プレハブ造りではあったが、西武鉄道新宿線・新狭山駅が11月15日に開業。工機工場は白子からの移転を完了させ、11月15日から操業を開始した。

4輪組立工場には、11月に浜松製作所よりS600が移管された。12月1日には狭山製作所での生産第1号車がラインオフし、同製作所は、Honda初の4輪車生産専用工場として発足したのである。翌年4月には、埼玉製作所からT360も移管された。
これによって、狭山製作所はオールHondaの中で、4輪の完成車組立専用工場として機能していくこととなった。

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埼玉製作所の組立ラインから10分間に1台の割合で送り出されるT360

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