クリーンな排ガスと優れた経済性を実現した、ハンドヘルド用動力源 世界初、360度自在傾斜超小型軽量4ストロークエンジン

4ストロークエンジンx360度自在傾斜への挑戦

1997年、2ストロークエンジンが主流であるハンドヘルド(手持ち式)作業機の市場に対し、Hondaは超小型軽量4ストロークエンジン「GX22/31」を発売しました。
2ストロークエンジンは構造がシンプルで可搬性に優れ、自在傾斜可能というメリットによりハンドヘルド作業機に広く採用されていますが、燃費や環境性の点においては課題がありました。そこでHondaは「2ストローク同等の使いやすさ」を目標に据え開発したのが、小型軽量で、エンジンの傾きに影響を受けない360度自在傾斜可能な4ストロークエンジン「GX22/31」でした。
このエンジンはクリーンな排気も達成し、当時最も厳しかったアメリカのCARB(米国カリフォルニア大気資源局)/EPA(米国環境保護庁)の規制をクリアし、実用燃費も2ストロークエンジンの約1/2に低減するなど、環境性能の高いエンジンでもありました。

そしてその高い性能は、2002年発表の世界最軽量(2.78㎏)360度自在傾斜4ストロークエンジン「GX25」へと引き継がれます。
「GX25」は、ハンドヘルド作業機に最適なエンジンとして「世界最軽量」「360度自在傾斜」「圧倒的な環境性能」をコンセプトに開発され、エンジン本体の大幅な小型化、軽量化と共に、クラストップの低燃費、低オイル消費を実現しています。
2003年発表の「GX35」と合わせこの超小型4ストロークエンジンシリーズは、低振動、低騒音などとあわせてトータル性能のバランスが高く、刈払機や動力噴霧器などのハンドヘルド作業機としての動力源として作業が効率的に楽に行える最適なエンジンです。
※2002年4月Honda調べ

    GX22

    GX22

    GX25

    GX25

    ハンドヘルド作用機例

    ハンドヘルド作用機例

ロータリースリンガーポンピング潤滑システム

Hondaは360度自在傾斜エンジンを実現するために「ロータリースリンガーポンピング潤滑システム」を開発しました。これはエンジン傾斜に影響を受けないオイル潤滑システムで、どの様な姿勢でも安定してエンジンを運転・保管できることが要求されるハンドヘルド作業機用エンジンとして必要な機能であり、これを世界で初めて4ストロークエンジンで実現したHondaの独自技術です。
エンジンオイルをエンジン各部に確実に供給するため、オイルタンクを円筒形状にし、中心に回転式のスリンガーを設定。これによりどの様な角度に傾斜してもオイルを攪拌することが可能となり、エンジンを運転することでオイルミストが生成されます。このオイルミストをクランクケースの脈動とリードバルブで生成した負圧により循環させます。

まずオイルタンクで生成されたオイルミストがクランクシャフトを通して負圧となったクランクケースに吸引され、ピストン・シリンダー等を潤滑した後、ブリーザー機能を兼ねる動弁系室にオイルを排出、そこで液化したエンジンオイルはオイルタンクに吸い戻されます。
通常ドライサンプ潤滑では、オイルの供給、回収にはオイルポンプが使われますが、このシステムはリードバルブ一枚でエンジンオイルを循環させる事が出来るシンプル且つ軽量のものになってます。
「GX22/31」で採用されたこのシステムは、後の「GX25」に引き継がれました。
そして「GX25」は、よりシンプルな構成で小型・軽量、自在傾斜可能なエンジンへと進化しています。
※1997年1月Honda調べ


エンジン内部におけるオイルの流れ

「軽量化」「小型化」の実現

GX22では「1コマOHV」や「ユニブロックシリンダー」などの採用により小型・軽量化を実現しましたが、GX25では更なる小型・軽量化をめざし、それを実現した技術の1つが世界最小の「油中タイミングベルトOHC構造」です。OHC構造への変更に伴い、オイル室と動弁系室を一体化する事で小型・軽量化に貢献。新規開発した油中タイミングベルトは、自動車用の一般的なタイミングベルトと比べ約1/3という小型化を達成(ドライブプーリ—径比較)し、高回転、高屈曲、高温と言う苛酷な環境においても十分な耐久性を確保しました。

他にも、複雑な形状のアルミ部品を薄く造る「超薄肉鍛造技術」や、剛性を高めつつ軽量化を実現した「高剛性ブロック」等、様々な技術により大幅な小型・軽量化を達成。2ストロークエンジンと遜色ない重量を4ストロークで実現しています。
低燃費はもちろん、低振動、低騒音などと併せて高い環境性能を有したHondaの超小型4ストロークエンジンシリーズは、「2ストローク並の小型・軽量化、自在性の実現」と「4ストロークならではの高い環境性能」を両立したエンジンです。
※2002年4月Honda調べ


オイル室と動弁系室の一体化 世界最小 油中タイミングベルト

搭載機種例

刈払機

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    UMK425(U字ハンドル)
    UMK425(ループハンドル)
    UMR125(背負式)

水ポンプ

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WX10

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