プロアームの概要

片側だけでリアホイールを支持する「片持ち式」構造のスイングアームです。ホイール交換時間を短縮できるメリットを持ち、1985年、1986年の耐久世界選手権における「RVF750」のチャンピオン獲得に大きく貢献しました。量産車では、リアセクションにおける排気系レイアウトの設計自由度の向上やデザイン自由度の高さ、ホイール脱着、チェーン調整といった整備性の向上に効果を発揮しています。

プロアームの構造

通常のスイングアームはタイヤの両側にアームが配置され、それらを貫通してリアアクスルが組み付けられており、両持ち式と呼ばれます。これに対しプロアームは、タイヤの片側のみにアームがある片持ち式であり、アルミニウム鋳物の一体成形でつくられます。

リアアクスル

両持ち式がホイール脱着時にそのつどアクスルを抜かなければならないのに対して、プロアームではホイールのみを脱着することができます。

ホイール

両持ち式のホイールには左側にスプロケットが、右側にはブレーキディスクが固定されています。プロアームではどちらもアクスルに結合されるため、ホイールには四輪と同じようにタイヤだけが組み付けられています。

チェーンアジャスト

後輪アクスルを支持しているベアリングホルダーの中心を偏芯させ、この部分を回転させることでチェーンの調整を行っています。

テクノロジープロアームの概要