「週末はツーリングか。 八ヶ岳はきれいだろうな。」
彼は久々のツーリングを心待ちにしていたものの、ちょっと気掛かりなことがあった。
・・・左手パンパンになっちゃうから渋滞にはまりたくないなあ。・・・
彼の楽しみをスポイルしようとしていたのはクラッチレバーの存在だった。
歳とともにスポーツバイクに乗るのは厳しくなるのか?
漠然と不安を抱いた彼はツーリングの翌日、出社して宣言した。
「スポーツバイクからクラッチレバーを外す!!」
デュアル クラッチ トランスミッションの開発スタートはこんな感じでした。
「自分たちの欲しいものをつくれ!」だったのです。
目指すところは自ずと絞られていました。
・いかにATとはいえ、スポーツバイクらしさを決して失わないこと
・そのためには、軽量コンパクトなMTのミッション形式を踏襲する・・・
開発チームは新しいATの基本構想を早々にイメージすることが出来ていましたが、
いざ開発が始まると目の前に立ちはだかるハードルがどんどん明らかになってきたのです。
・クラッチの張り出しが大きく、バンク角が足りない
・エンジンオイルではATFと違って、狙ったクラッチ特性にならない・・・
スムースな発進とショックの少ない変速をスポーツバイクで具現化するためには、
一つ一つの課題を着実に解決していかなければなりませんでした。
開発チームはテスト/データ解析/不具合対策に明け暮れることになりましたが、
そのおかげで数え切れないほど多くの工夫が生み出され、
ついに、スポーツバイクにも搭載可能な有段AT
デュアル クラッチ トランスミッション が完成しました。
今回開発したデュアル クラッチ トランスミッションは二輪車に新たな価値を提供できたと
考えています。 私たちはこれからも二輪ATワールドの更なる拡大を目指していきますので
どうぞご期待ください。
最後に
・・・彼は今、八ヶ岳へのツーリングを計画している。
いくつものワインディングロードを新しいATを駆って・・・