technology close upヘ 進化を続けた可変バルブシステム
 

Honda独創の可変バルブ制御システム「VTEC」の原点とも言えるのが1983年に発表された回転数応答型バルブ休止機構「REV」であった。当時、スポーツバイク用エンジンの高出力化の要求を受け、高回転域での高出力とアイドリングから全域にわたる優れたドライバビリティと高効率を両立させるための先行研究がスタート。そして2バルブ←→4バルブへと可変させる画期的な可変バルブシステムが誕生。この技術は、のちに4輪のエンジン技術の核となる可変バルブタイミング機構「VTEC」(Variable Valve Timing & Lift Electronic Control System)に発展していくことになる。

CBR400F REV
スポーツバイク用エンジンの高出力化要求を受け、リッターあたり200PSの性能と、従来と同等のアイドリングからのドライバビリティを有する量産車用エンジンの開発を前提とした先行研究がスタートした。プロジェクトの課題は、目標出力性能の達成と、低速回転域での出力の落ちこみ、およびアイドリング不良対策であった。これらの解析を進めていくうち、高回転・高出力を達成し、空気の流入抵抗を下げるための、大きな口径のポートと複数の吸・排気バルブをもつ吸・排気系が良好なアイドリングと低・中速回転を得る妨げになっていることがわかった。複数のバルブのいくつかを強制的に止めて実験をしてみると、アイドリングの安定性と低・中速回転域の出力が飛躍的に向上することが確認できた。これが1983年のCBR400Fに適用されたバルブ休止機構(REV:Revolution- modulated Valve control)開発のスタートである。
1983年発売、REVを搭載したHonda CBR400F
REVの発想
REVの効果
■REVの効果
VTECの原点
REVは、エンジンの回転数に応じて、高速回転域では4つのバルブが作動し、低・中速回転域ではインレット側とエキゾースト側ともにそれぞれ1気筒あたり1つずつのバルブが作動を休止して2バルブとなるシステム。これはセンサーがエンジン回転数を検知し、2分割されたロッカーアームに内蔵された油圧ピストンが移動することによってロッカーアームの分離・結合を行い、4バルブ作動と2バルブ作動を自動的に切り換えるものである。4バルブ作動時には、高速回転域で高出力を生みだし、2バルブ作動時には混合気の吹き抜けが減少、流速も向上し、高いスワール効果と優れた充填効率によって低・中速回転域の出力向上を実現させる。
REVの構成
■REVの構成
様々な要求にこたえるVTEC
二輪車用のREVを原点とするVTECエンジンは、その後もさまざまな進化を遂げている。ハイパワー、高トルクをねらい、吸・排気それぞれバルブタイミングとリフト量を切り換える「DOHC VTEC」エンジン。実用域のバランスを重視し、低速バルブタイミング・リフトと、高速バルブタイミング・リフトを切り換え、吸気バルブを駆動するシングルカムシャフトの「VTEC」エンジン。さらに、中・高速域の実用バルブタイミング・リフトによる駆動に加え、低速域において1バルブ休止させることで希薄燃焼(リーンバーン)を可能にし大幅な燃費向上を図った「VTEC-Eエンジン」。 そして、吸気側で低・中・高速時に3つのカムを使い分け、低速時の1バルブ休止、中速時と高速時におけるバルブタイミング・リフト切り換えのモーションを行なうことで文字通り3ステージに切り換える「3STAGE VTEC」エンジンが生まれた。
DOHC iVTEC
Hondaは、さらにVTECを進化させ、世界トップクラスの低燃費と排出ガスのクリーン化を両立し高出力と全域にわたる豊かなトルク特性を備えた、「DOHC i-VTEC」を新開発。このエンジンは、バルブタイミングとリフト量をエンジンの回転域にあわせて切り換えるホンダ独創の「VTEC」に、吸気バルブタイミングの位相をエンジン負荷に応じて連続的に制御する「VTC」(Variable Timing Control)を組み合わせた高知能化バルブタイミング・リフト機構を採用している。
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