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左右駆動力配分システム
1996/05/29


■左右駆動力配分システム

これまでの車が左右輪に均等にしか伝えていなかった駆動力を、旋回状態に応じて左輪と右輪に異なった量を配分する技術を確立。これにより、旋回性能を向上させるためにはじめて駆動力を活用する左右駆動力配分システム(Direct Yaw Control System)を世界に先駆けて開発しました。駆動力を左右輪へ配分したことにより、新たに曲る力が発生。旋回中のアクセル操作による車体の挙動変化やステアリングの操作量を低減し、飛躍的なコーナリング性能の向上を達成しました。このシステムは、近く発売する新型車に搭載を予定しています。


■左右駆動力配分システムの効果

○旋回加速時のトレース性向上
コーナリング中にアクセルを踏み増してもトレース性が向上するため、楽に旋回ラインを維持できます。

○旋回減速時の安定性向上
アクセルを踏み増した場合の旋回ラインの変化が少ない分、逆にアクセルを戻した場合も旋回ラインの変化が最小限に抑えられます。

○旋回時のステアリング量の低減
アクセルを踏みながら同じ旋回ラインを描こうとする場合、従来車にくらベステアリングの舵角量が低減します。

左右駆動力配分システムは、'91年に完成した4WD用システムに加え、今回さらに高度な技術を必要とする2WD用システムの完成により、あらゆる駆動方式に対応できるものとなりました。


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▲2WD用左右駆動力配分ユニット



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▲4WD用左右駆動力配分ユニット

■左右駆動力配分システムとは
これまでの車は、どのような走行状況でも左右の駆動力は均等であり、ステアリングを切ることによりタイヤの向きを変えることだけで曲っていました。このシステムでは、左右各輪の駆動力の大きさを旋回状態に合わせて積極的に変えるというはじめての発想を導入。従来のステアリングを切るだけのコーナリングに加え、左右輪に伝える駆動力の差で新たに曲る力を発生させるという新概念によって、飛躍的なコーナリング性能の向上を達成しました。
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■左右駆動配分システムの原理
紙コップを転がすと自然に曲るように(1)、大小のタイヤを1本の軸につないだ車輪(大小輪モデル)をつくって転がすと、ステアリングを切る操作をしなくても自然に曲ります(2)。これは、旋回内側の小輪より、外側の大輪が多くの距離を進むことによるものです。通常の車のような左右同じ大きさのタイヤで紙コップの原理を再現するには、多くの距離を進むために外輪を内輪より多く回す機構(増速機構)が必要となります(3)。その機構に従来のデフ(ディファレンシャルギア)のついた駆動輪を加え(4)、左右均等の力で回し直進させようとすると、右輪は多く回ろうとする力が加わり駆動力が増大。その駆動力増加分の反作用が制動力として左輪に伝達され、左輪の駆動力は減少し、左右輪への駆動力配分が実現します(5)。 拡大表示

■左右駆動配分システムの作用
〜2WD、4WDといった駆動方式を問わず、車の旋回性能を高める〜
[1]内周りのヨーモーメントを発生 コーナリング中にアクセルを踏み加速をすると、前輪から後輪へ荷重が移動します。それにともない、荷重に比例するコーナリングフォース(曲る力)も前輪で減少し、後輪では増加。コーナリングフォースが小さくなった前輪は、車に働く遠心力により、旋回ラインの外側に押し出されます。これが、車のフロントを外側に向けようとする外回りのヨーモーメントによるアンダーステアです。一方、左右駆動力配分システムを搭載した場合は、内輪と外輪の駆動力の差によって生じる、車を内側に向けようとする力(内回りのヨーモーメント)が発生するため、外回りのヨーモーメントが打ち消されます。これにより、旋回ラインが維持されます。
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[2]駆動輪のコーナリングフォースを増大
旋回中、内輪は荷重が減ってタイヤの出せる摩擦力が小さくなります。従来車では、外輪と同じ駆動力が内輪にもかかるため、タイヤの摩擦力がすべて駆動力に使われてしまうと、コーナリングフォース(曲る力)が出せなくなります。一方、左右駆動力配分システムを搭載した場合は、内輪へ伝わる駆動力を低減できるため、従来車にくらべ大きなコーナリングフォースを発生できるようになります。これにより、タイヤの能力を最大限に引き出すことができるのです。
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[3]旋回に必要な前輪のコーナリングフォースを軽減 内回りのヨーモーメントが発生すると、フロントに内側へ回り込む力がかかり、リアには外に押し出されようとする力がかかります。つまり、内回りのヨーモーメントがフロントを内側に押すという前輪のコーナリングフォース(曲る力)と同様の働きをするため、前輪は従来より少ないコーナリングフォースで旋回を維持できるようになります。したがって、旋回中の前輪の負担が軽減されます。

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■左右駆動配分システムの効果

左右駆動力配分システムによる運動性能向上の内容は、下の表の通りです。これらの相乗効果によりドライバーは、意志に、より忠実に旋回しやすい爽快感と安心感、いわばスーパーニュートラルステアフィールともいうべき感覚を得ることができます。




 
■フィードフォワード制御

左右駆動力配分システムは、ドライバーの意志に、より忠実な旋回を行うという考え方から、ドライバーの操作量を情報源に制御量を決定するフィードフォワード制御を採用しました。手順は、ステアリングの切れ角と車体の横Gから旋回量を求め、それとアクセルの踏み込み量によって決まるエンジンの駆動力を掛け合わせ、左右配分の制御量を算出。ダイレクトにユニットを制御します。もちろん、車の挙動を情報源とするフィードバック制御回路も搭載し、フィードフォワード制御の監視も行います。


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▲ユニットと制御系の 配置イメージ



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▲フィードフォワード制御イメージ


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